徳島新聞社 3 億円寄付へ 阿波踊り運営基金創設を提案

阿波踊りの運営をめぐる徳島市観光協会の累積赤字問題を巡り、共催者だった徳島新聞社は 12 日、阿波踊りを安定的に運営するための基金の創設を徳島市に提案し、原資として 3 億円を寄付すると同日付の朝刊紙面で発表した。

同社によると、阿波踊り振興基金(仮称)は、台風などで中止になった際のチケット代の払い戻しや観覧席の改修費などの支出に対応するためにつくる。 徳島地裁が破産手続き開始を決定した市観光協会の累積赤字 4 億円余りについては「一定の責任がある」とする一方、協会との信頼関係が崩れたとして、協会の借金返済には協力しないとの考えを示した。 今後の阿波踊り運営を担う市の実行委員会については、「参加要請があれば、最大限の協力をしていく」としている。 (佐藤常敬、asahi = 4-12-18)


火花散る日本刀鍛錬、目の前で 岐阜・関の伝承館で公開

刀剣に興味を持つ「刀剣女子」の増加など日本刀への関心が高まる中、関市の関鍛冶伝承館鍛錬場がリニューアルオープンした。 刀匠が古式日本刀鍛錬を実演する鍛錬場に座席 100 席と立ち見スペース(約 20 人分)を新設。 火花散る迫力の鍛錬を間近に見られる。 外国人観光客にも対応できるよう、英語と中国語の字幕が出るモニターも設置した。 総事業費は約 9,800 万円。 尾関健治市長は「海外の方にも大勢来ていただきたい。」と話している。 (山野拓郎、asahi = 4-10-18)


ロケで盛り上げる桐生、なぜ? 「アド街」で手応えつかむ

「テレビで桐生の話題、増えたね。」 最近、こんな声をよく耳にする。 映画のロケも多い。 いまや北関東有数のロケ地とも言われる。 群馬・桐生はなぜ、映像メディアから注目されるのか。 人気の秘密を探った。

市が手厚い支援

「あっ、瑛太だ。」 大学生たちが車から顔をのぞかせた。 昨春、桐生であったテレビドラマのロケ現場。 探偵役の人気俳優を見つけると、歓声を上げた。 桐生がロケ地となり、2015 年度に放映されたテレビや映画は 76 本。 29 本だった 11 年度の倍以上に増えた。 いまや桐生でロケは見慣れた日常の風景だ。 02 年に、わたらせフィルムコミッション (WFC) が、全国初の民間ボランティア FC として誕生した。 WFC が映画とドラマ、08 年にできた市観光交流課が娯楽・情報番組という役割分担でロケを支援。 車の両輪のように機能してきた。

市にはかつて、金融・観光係という 1 係しかなく、「観光行政というものがなかった」と亀山豊文市長。 京都・西陣と並ぶ織物の街が衰退し、製造業にも陰りがでていた。 就任 1 年の亀山市長が課として独立させ、観光に活路を求めた。 桐生には明治 - 大正のレトロな洋館などが数多く残り、ロケ場所に事欠かない。 市は「海と大都会以外で桐生にないものはない」と PR し、番組や映画の制作会社を定期的に回る。 その宣伝力は「役所とは思えない」と関係者も驚く。

ロケ支援は徹底している。 市観光交流課はワンストップ窓口として、ロケの要望を一括して引き受ける。 制作者をたらい回しにしないためだ。 市施設なら担当課に、民間住宅や飲食店なら WFC につなぐ。 ロケ隊が来ると、市職員が現場まで案内。 20 時間超のロケも珍しくないが、WFC と交代で最後まで立ち会う。 急に小道具が必要となれば探しに走り、給油所の音楽がうるさければ、音量を絞るよう頼み込む。 (長田寿夫、asahi = 4-8-18)


厳冬明けたら、道路穴ボコボコ パンクや事故激増 盛岡

盛岡への赴任が決まった 3 月、訪れてみて驚いた。 あちこちの道路でボコボコ穴が開いていたからだ。 今年は厳しい寒さの影響で特に損傷がひどかったようだ。 その原因を調べてみた。 美しい景色を一望できることで有名な岩山公園(盛岡市新庄)に至る市道。 舗装工事をしていたので声をかけると「今年は大忙しだ。 これほど穴が多いのは、近年では珍しいよ。」と現場監督の関本佳広さん (61)。 20 メートルほどの間に深さ 5 センチほどの大小さまざまな穴がある。 アスファルトが削られ、めくれたようになっていた。

例年、冬になると道路に穴が開くことがあるが、今年は特に傷みが激しかったようだ。 盛岡市道路管理課によると、損傷はこれまでは年間 1 千カ所ほどだが、今年は既に 4,800 カ所を補修した。 あまりに数が多く、3 月市議会で道路の維持・補修費として 3,500 万円の補正予算を組む「異例の対応」をした。 道路の損傷による車への影響も大きい。 パンクや交通事故の市への届け出は、苦情を含め 2 月と 3 月に 200 件余りあり、例年の 10 倍に上るという。

原因は「凍上現象」

なぜ、5 倍もの損傷があったのか。 県道路環境課によると、アスファルトは固まる際に細かい隙間ができる。 そこに水分が入り込み凍ると、膨張して路面が隆起する。 この「凍上現象」で道路がもろくなるため、車が走るたびに傷つき穴が開く。 同課によると、寒くて雪が降るほど穴が開きやすく、今年は盛岡以外も損傷が激しいという。 実際、この冬は寒かった。 盛岡地方気象台によると、2 月の平均気温は零下 2.7 度で平年より 1.5 度低い。 降雪は 92 センチと平年の 1.24 倍だった。

寒さや氷に強い素材で道路をつくれないのだろうか。 寒地土木研究所(札幌市)の丸山記美雄・上席研究員によると、アスファルトに入れる成分を変えることで、入り込む水の量を減らしたり、ひびを防いだりできるという。 一方、そうすることで夏場は、わだちのようにへこんでしまうこともある。 丸山さんは「デメリットもあるしコストもかかる。 抜本的な解決は今すぐにはなく、各自治体が判断しているのが現状。」と話す。 (大西英正、asahi = 4-7-18)


国産キャビア、宮崎の挑戦 チョウザメ養殖、海外へ販路

「日本産キャビア」を世界に広めようと、宮崎のチョウザメの養殖業者らが輸出に取り組んでいる。 国内初の動きは、スタートから約 1 年。まだ知名度を欠いて販売先も広がっていないが、「うまみの追求に妥協なし」と挑戦が続く。 宮崎県日南市の山あい。 森の中の細道を下り、視界がぱっと開けると、直径 11 メートル、水深 90 センチほどの巨大な水槽が 8 基、並んでいる。 のぞきこむと、1 メートルほどの長さの黒い影が、ゆらゆらと泳いでいた。 チョウザメだ。

キャビアはチョウザメの卵の塩漬け。 約 10 年前から養殖を続ける浜中章輔(ふみほ)さん (74) は約 5 千匹を育てており、2017 年度には県内でも最大規模の 250 キロのキャビアを生産した。 7 - 10 年育てて初めて卵をつけるようになる。 浜中さんは言う。 「海外の高級ホテルでも食べられている。 誇らしいね。」 採卵期を迎えたチョウザメは、宮崎市内の工業団地にある建物に運ばれる。 県内の養殖業者が集まって 16 年にでき、キャビアの輸出を進める株式会社「ジャパンキャビア」の加工場だ。

採卵シーズンは 11 - 2 月で、県内 15 カ所の養殖池から連日、5 - 10 匹のチョウザメが届く。体長は平均 1 メートルほど、体重は 20 - 40 キロ。 採卵作業は空気清浄された室内で進む。 防護服姿の従業員が洗浄や採卵の作業を分担し、仕上げはピンセットで、キャビアの周りについた薄皮などをつまんでいく。 雑味を取り除き、キャビアだけの味を引き出すためという。

さらに、採卵した後は低温の環境で数カ月かけて熟成させ、「スプーンを逆さにしても落ちない」ほどねっとりと濃厚に仕上げる。 ジャパンキャビアの坂元基雄社長 (56) は言う。 「うまみを、どう皿の上で頂点に持っていくか。妥協はない。」 キャビアはトリュフ、フォアグラとともに「世界三大珍味」とされる高級食材だ。 ただチョウザメは乱獲で天然物が枯渇し、キャビアの輸出入は国際的にワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)で規制されている。 日本では 15 年 9 月から国の認定業者に限って輸出できるようになった。

旧ソ連との技術協力の一環として、宮崎では 1983 年にチョウザメ養殖が始まった。 2004 年には国内で初めて完全養殖に成功し、13 年に「宮崎キャビア 1983」として販売を始めた。 全日空 (ANA) の国際線ファーストクラスの機内食で採用されるなど評価は高く、勢いに乗り昨年 3 月に輸出に乗り出した。 国内は消費に限りがあるなか、早い段階から海外へ販路を広げるねらいがある。

最初の売り先になったのは香港の高級ホテル「フォーシーズンズホテル」。 この 1 年で約 3 キロ、約 150 万円相当分を輸出し、「宮崎キャビアフェア」が開かれるなど歓迎されている。 「日本にもこんなに上質なキャビアがあったのか」とシェフにも驚かれたというが、売り先はまだ、この 1 カ所にとどまる。 中国・上海のホテルとも交渉が進んでいるが、国ごとに輸出入に必要な認可制度が異なり、改めて栄養成分や加工工程などを文書で説明する必要があった。 半年ほどかかっているが、まだ許可待ちの状態だ。

キャビアの生産量も少ない。 17 年度は約 800 キロで将来は年間 3 トンの生産を見込むが、生産大国の中国企業は年間 50 - 60 トン。 湖を丸ごと養殖池として使うなど規模では到底及ばない。 価格も 20 グラム 1 万円で、中国産の 2 - 4 倍ほど高い。 こうした不利を乗り越えて知名度を上げるため、国内の他産地と連携しての売り込み強化も視野に入る。 「国産」を背負う仲間が増えれば、市場での知名度が高まるという期待からだ。

宮崎に続いて、静岡でも東南アジアへの輸出が始まり、香川、高知でも準備が進む。 年間約 300 キロを生産する高松市の「キャビック」の板坂直樹社長 (50) は「日本産キャビア自体の知名度が低く、どう輸出すればいいか悩む。 産地同士で連携してのブランドづくりもいいかもしれない。」と話す。 ジャパンキャビアの今年の目標は、消費大国である米国への輸出を実現することだ。 今後は年間 10 キロを輸出できる大口の販売先を確保していき、地盤を固めたい考えだ。 坂元社長は力を込める。 「販路をひとつずつ増やしていくしかない。 日本産キャビアで、ぜひ本場の欧米をうならせてみたい。」 (小出大貴、asahi = 4-2-18)


日本ハム、新球場は北海道北広島市に 23 年開業目指す

プロ野球・日本ハムは 26 日、北海道で計画している新しい本拠地球場の候補地を札幌市の隣に位置する北広島市にすることを決めた。 球場の周辺をホテルや商業施設などを備えた「ボールパーク (BP)」として整備する構想で、2023 年の開業を目指す。

候補地は同市の総合運動公園予定地(36.7 ヘクタール)で、球場は 3 万 - 3 万 5 千人規模。 建設費は約 500 億円を見込み、JR 新駅の建設も想定している。 近く、建設準備のための子会社を設立する見通し。 大リーグの球場を参考に「アジア No. 1 の BP」を目指すという。

現在の本拠・札幌ドームは札幌市などが出資する第三セクターの運営で、使用料(年間約 13 億円)負担に加え、「ファンサービスにも制約がある(球団幹部)」として、16 年に自前での球場建設を表明した。 北広島市はいち早く誘致を表明し、固定資産税の免除などの支援策を提示。 札幌市も道立真駒内公園を候補地として提案していた。 (秋野禎木、asahi = 3-26-18)


石勝線夕張支線、来年 4 月に廃止 JR 北と夕張市が合意

JR 北海道と北海道夕張市は 23 日、石勝(せきしょう)線夕張支線(新夕張 - 夕張、16.1 キロ)を 2019 年 4 月 1 日に廃止することで合意した。 経営難の JR 北が、「単独では維持困難」として存廃を検討している 13 線区の中で、廃線が決まったのは初めて。

夕張支線は 1892 (明治 25)年に開通し、石炭輸送を支えたが、炭鉱閉山後に乗客が激減。 夕張市も全国唯一の財政再生団体となり、16 年に市側から異例となる支線の廃止を提案していた。 JR 北が約 7 億 5 千万円を拠出して今後 20 年間、代替バスの運行を支援するなどの対策が決まり、廃止がまとまった。 JR 北は今月中に国土交通省へ廃線届を提出する。 (鯨岡仁、asahi = 3-23-18)


名古屋大、東海地方の国立大と法人統合検討へ

名古屋大が 4 月に東海地方の国立大と法人統合に向けた協議会を設立することが、名大への取材で 22 日わかった。 一つの国立大学法人による複数の大学運営を視野に入れ、各大学に参加を呼びかけている。 現在、公立・私立大では一つの法人が複数の大学を運営できるが、国立大では国立大学法人法で「1 大学 1 法人」と定められている。 文部科学省は、法人統合で経営を効率化できれば国立大の競争力を高められるとして、関連法の改正を含め準備をしている。

名大によると、協議会では法人統合を目指し、統合の具体的な利点などを話し合う。 統合しても大学名は変わらないが、教養課程の共通化や大学事務の集約などで効率化が実現でき、各大学の機能強化につながるという。 担当者は「大学連携だけではできないようなメリットがある。 世界での競争力強化につなげたい。」と話す。 岐阜大学の森脇久隆学長は協議会について「(法人統合の)メリット・デメリットについて検討するための協議の場を設けるところであり、現時点ではこれ以上のコメントはありません」としている。 (日高奈緒、asahi = 3-22-18)


作業員 25 人で 1 日 2km … 雪国悩ませる「排雪」とは

すっかり春めいてきた地域もあるが、この冬は各地で大雪に見舞われた。 実は、雪は取り除く(除雪)より、捨てる(排雪)方が手間やお金がかかるらしい。 どういうことなのか。 「長年住んでいるが、こんなことは初めてです。」 北海道旭川市の男性 (37) は戸惑う。 市内では雪が降らない日でも朝夕の渋滞がひどい。 あちこちで道路に雪が積み上がり、2 車線の道路が 1 車線状態になっているからだ。 男性は「譲り合いでなんとか車が走れている状態」と話す。 滝川市では雪がやんだのに、路線バスが全面運休した日もあった。 北海道中央バスの担当者は「バスの幅と同じくらいしか道幅がなかった。 今年は雪とのいたちごっこだった。」と言う。

道路上の雪を道路脇などによけるのが除雪。 それをダンプカーなどで雪捨て場まで持っていくのが「排雪」だ。 除雪しても、排雪が滞ると、雪がやんでも市民生活に影響が出る。 国土交通省によると、例年雪が多いのは日本海沿岸の山側だが、今年は沿岸の平地にある都市部も大雪になった。 しかも、気温の低い日が続いて雪が解けずたまりやすくなった。

過去 5 年の平均と比べ、2.5 倍以上の雪が降った福井県では、雪捨て場の設営のため自衛隊が出動。 河川敷に次々と運び込まれる雪を効率的に収容できるよう、重機を使ってならしたり、固めたりした。 市民が自宅近くに雪を捨てやすくするため、公園や学校のグラウンドなどの開放も相次いだ。 1981 年の豪雪時には、福井城址(じょうし)の堀に雪を捨てる人がいたこともあり、県の担当者が「危険なのでやめてほしい」と訴えるほどだった。 福井県内ではこの冬、除排雪費が約 154 億円に達した。 秋田県などでも過去最高になった。

雪捨てはどれほど大変なのか。 札幌市では昨年度、除雪費は 45 億円だったが、排雪に 123 億円もかかった。 生活道路の場合、除雪ならば重機 1 台に 2 人がついて一晩に約 10 キロメートル分できるが、排雪だと、ダンプカーのほか、雪山を崩す重機「バックホウ」や雪を積み込むための「ロータリー」など機械が 19 台、誘導員を含む 25 人以上の人手が必要。 それでも 1 組で 1 日に約 2 キロしかできない。 市によると、幹線道路で約 100 メートルを 1 回除雪するには約 3 千円ですむが、同じ区間の排雪には、80 倍の約 24 万円を要する。 作業を担う建設業界の人件費高騰の影響も大きいという。 (中野浩至、田玉恵美、asahi = 3-16-18)

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今月上旬の大雪によるキャンセル 1 万人超、福井県

福井県は 17 日、今月上旬の記録的な大雪により、同県あわら市の観光名所あわら温泉の 5 - 14 日の宿泊キャンセルが延べ 1 万 1,043 人に上ったと発表した。 2016 年 2 月に日帰りや宿泊で同温泉を訪れた人は約 7 万 4 千人で、県や市は客足回復に向けた PR 活動に取り組む。 75 人以上が宿泊できる旅館やホテル計 22 施設を対象に市が集計した。 3 連休中の 10、11 日はそれぞれ 2 千人以上がキャンセルした。 同温泉は、近くに JR 芦原温泉駅があるなど交通の便が良いが、大雪で特急は運休が相次ぎ、北陸自動車道でも一部区間が通行止めになるなど交通機関が大きく乱れた。 (kyodo = 2-17-18)


バス赤字 31 路線の廃止届取り下げ 岡山の両備グループ

岡山県を中心にバス事業などを営む両備グループは 14 日、国土交通省に届け出ていた傘下 2 社の赤字 31 路線の廃止届を取り下げると発表した。 利用者への影響などを考慮したという。 グループの小嶋光信代表は同日、廃止予定だったバス路線が走る岡山、倉敷、玉野、瀬戸内の 4 市長と会談。 4 市長は廃止届の撤回を申し入れた。 この後、小嶋代表が 4 市長と会見し、「国の理解や、地域公共交通の維持に向けて努力するという 4 市の意向も確認できた」などと取り下げを表明。 「地域の皆さんに心配や不安を与えたことをおわびしたい。 国にも公共交通について規制緩和の競争と路線維持が両立しえないということを理解してもらえたと思う。」と語った。

大森雅夫・岡山市長は「人口減少の中で公共交通をどうしていくか模索・研究していかなければならない」と述べ、地域公共交通活性化再生法に基づく法定協議会を発足し、市全体の交通網を話し合う方針を示した。 他の 3 市長は「市民の足が確保でき、まずほっとしている」などと話した。

両備のバス 2 社は基幹路線の黒字で赤字路線を支えてきたが、岡山市中心部で運賃 100 円均一の循環バスを走らせるバス会社が両備の基幹路線への参入を国に申請。 両備側は事前に事業者らによる協議がなかったとして、2 月に国の規制緩和施策への「問題提起」として赤字路線の廃止届を提出していた。 国交省中国運輸局の担当者は「(取り下げについて)利用者の不安解消につながるので前向きに受け止めたい。 赤字路線をどう存続させていくか今後も議論していかなければならない。」と話した。 (村上友里、asahi = 3-14-18)

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赤字 31 路線を一斉廃止へ バス会社、規制緩和に抗議

岡山県を中心にバス事業などを営む両備グループは 8 日、傘下 2 社の 78 路線のうち赤字 31 路線を一斉に廃止すると、国土交通省に届け出たと発表した。 割安運賃を売り物にする他社が、両備の数少ない黒字路線への参入を計画。 国も認める見通しとなったのに抗議する、異例の「実力行使」に踏み切った。 地域住民の足への影響が懸念される。 2002 年の道路運送法改正で、路線ごとの乗客数に応じ、国がバス事業者の数を制限する需給調整は廃止された。 小嶋光信・両備グループ代表は 8 日の会見で「法制度を抜本的に改めない限り、どこの地方でも同様の問題が起きる。 泣き寝入りはできない。」とし、国や関係自治体、住民らを交え、問題解決に向けた協議の場の設置を訴えた。

今回の廃止路線は延べ 113.8 キロで、2 社の営業距離の 22%。 岡山、倉敷、玉野、瀬戸内の 4 市にまたがる。 1 日の平均乗客数は計約 5,600 人。 20 路線が今年 9 月 30 日に、11 路線は来年 3 月 31 日をそれぞれ廃止予定日としている。 両備によると、岡山市中心部で運賃 100 円均一の循環バスを走らせている八晃(はっこう)運輸(同市)が昨春、両備の基幹路線である「西大寺線」への参入を国に申請した。 運賃は両備より 30 - 55% 安い設定だという。 (加戸靖史、村上友里、asahi = 2-8-18)


青函トンネル : 開業 30 年 JR 北、維持費負担重く

総工事費約 6,900 億円を投じ、延べ約 1,400 万人が約 24 年間かけて完成させた青函トンネル(全長 53.85 キロ)は、13 日に開業から 30 年を迎える。 本州と北海道を結ぶ大動脈に、新幹線という新しい役割が与えられてから間もなく 2 年。重要性がますます高まる一方で、年齢を重ねるごとに JR 北海道には維持費がのしかかっている。 足元に湧水がたまり、水の流れる音が響く。 「排水をやめたら、あっという間に水没してしまいます。」 JR 北海道函館新幹線工務所の藤田敦志所長は、青函トンネルの最深部にあたる津軽海峡の海面から約 280 メートル下の地点で説明した。

周辺の地盤から流入する塩分を含んだ湧水を 24 時間態勢で毎分 20 トン、ポンプでくみ出している。 列車を走行する本坑のほかに、資材などを運ぶための作業坑、建設工事のための先進導抗などからなる、世界屈指の長大トンネル。新幹線と貨物を合わせて 1 日約 80 往復の列車が通過し、JR 北にとっても北海道にとっても、生命線ともいえる存在だ。 建設のことばかりが注目されがちだが、その維持管理も容易ではない。

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トンネルは鉄道建設・運輸施設整備支援機構が所有し、JR 北が管理を担う。 経年劣化を受けた大規模改修は、開通から 10 年を過ぎた 1999 年度に始まった。 排水・防災設備や変電施設など「償却資産」の更新費は国が 3 分の 2 を持つものの、JR 北もこれまでに約 100 億円負担した。 トンネル外部からの圧力で、2014 年には先進導坑の路盤や壁がわずかに変形する現象が確認され、ボルトを打ち込む対策工事をした。

償却資産の検査と日常的な修繕、レールや信号ケーブルなどの「取替資産」の更新・修繕は全て JR 北の負担で、今後維持管理費は年間計約 41 億円になると試算している。 同社幹部の一人は「今の経営には、かなり大きな負担になっている」と認めた。  その中で乗客の安全確保策にも力を入れ、15 年 4 月の特急発煙事故を教訓に防災基地「吉岡定点(旧吉岡海底駅)」にある避難所に携帯大手 3 社のアンテナを整備。 トイレや椅子などの待機用設備や、地上に出るまでのケーブルカー車両を増やした。

北海道新幹線の開業に伴い、トンネル内は軌間(左右のレールの間隔)の異なる貨物列車と共用という全国的にも珍しい「三線軌条」となった。 レールと枕木などを固定する装置は一般的な区間の 1.5 倍の 100 万個。 通常の線路では問題にならないわずかなずれも、輸送障害につながる恐れがあるという。 16 年 4 - 6 月には、自動列車制御装置 (ATC) が作動して「はやぶさ」が緊急停止するトラブルが相次いだ。 レールの間に金属片が落下し通電したことが原因とみられる。 一方で夜間も貨物列車が運行されており、深夜に作業ができるのは 2 時間半程度。 JR は「現在、保守間合いの確保について、関係会社と調整を進めている」としている。 (日下部元美、mainichi = 3-13-18)

==◆ 青函トンネルの歩み ◆==
1946 年4 月地質調査開始
54 年9 月洞爺丸台風で連絡船 5 隻が沈没
64 年5 月北海道側の吉岡斜坑掘削始まる
83 年1 月先進導坑が貫通
85 年3 月本坑が全貫通
87 年9 月試験運転始まる
88 年3 月青函トンネル開業。青函連絡船は廃止に
2002 年12 月「白鳥」、「スーパー白鳥」運行開始
05 年5 月北海道新幹線着工
16 年3 月北海道新幹線(新青森 - 新函館北斗)開業
17 年5 月JR 東日本の豪華列車「四季島」が初通過

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青函トンネル「圏外」の 25 分間 国が解消に支援策

本州と北海道を結ぶ青函トンネルが開業して、13 日で 30 年になる。 2016 年 3 月からは北海道新幹線が走り始め、津軽海峡の風景は様変わりした。 人とモノが行き交う海底の「大動脈」は、老朽化にあらがいながら、新幹線の高速化や通話環境の改善に挑む。

かつて海峡を行き来した青函連絡船が開業したのが明治 41 (1908) 年 3 月 7 日。 110 年にあたる 7 日午前 10 時、第 1 船が出港した時刻に合わせ、函館市のふ頭に係留されている引退した「摩周丸」の汽笛が鳴らされ、湾内に響いた。 連絡船廃止で輸送の主役となった青函トンネルは、88 年の開業時には輸送人員が 300 万人を超えたが、その後は 100 万人台に低迷。 だが、16 年度は新幹線開業で 200 万人台を回復し、息を吹き返した。

青森県では 17 年の外国人宿泊者数が過去最高の約 23 万 9 千人を記録し、前年からの伸び率(約 67%)は全国一に。 「新幹線開業で外国人客に人気の北海道と組み合わせた旅行先となった(青森県)」という。 新幹線の利用者にはトンネルを通る約 25 分間は携帯電話が「圏外」になることが不評だった。 経営難の JR 北海道が解消に取り組めるよう、国は新年度予算案に支援策を盛り込んだ。

一方、直面する最大の課題が老朽化対策だ。 JR 北は 6 日、トンネル内を報道各社に公開した。 岩盤からは水が間断なく湧き出ており、北海道側と青森県側の複数のポンプで毎分約 20 トンもくみ上げている。 ポンプに冷却水を送る配管約 1,100 メートルはさびがひどくなり、全て取り換えた。 14 年には排気などの役割がある「先進導坑」の一部で、路盤が隆起したりトンネルの幅が縮んだりするゆがみが生じているのが開業以来初めて確認され、対策工事を施した。 設備の更新などは 99 年度から始まり、これまで約 300 億円がかかった。

土木担当職員は「30 年もたつと老朽化する箇所も出てくる。 前例のないことが起きうるため対応は難しいが、異変を早く察知できるよう計測やメンテナンスをよりいっそう注意して実施していきたい。」と話す。 新幹線の高速化も課題だ。 青函トンネルは新幹線と貨物列車が線路を共用するため、すれ違うときの風圧で貨物が荷崩れしないよう、新幹線の最高速度が在来線特急と同じ時速 140 キロに抑えられている。 現在、東京 - 新函館北斗間は最短 4 時間 2 分。 「4 時間の壁」が破れず、飛行機との競争で劣勢に立つ。 国土交通省と JR 北は今春から青函トンネル内の最高速度を時速 160 キロに引き上げる走行試験を始める。 目標は 200 キロ、4 時間切りを目指す。(阿部浩明、鯨岡仁、asahi = 3-7-18)

青函トンネル〉 北海道知内(しりうち)町と青森県今別町を結ぶ列車専用のトンネルで、全長約 54 キロ(うち海底部分は約 23 キロ)。 最も深い場所は海面下 240 メートルを通る。全国で唯一、新幹線と貨物列車が線路を共用し、貨物列車は 1 日 40 本、新幹線は 26 本が定期運行されている。 1954 年に青函連絡船の洞爺丸が台風で転覆、貨物船を含め 1,430 人が犠牲になった事故をきっかけに、1964 年に着工。総工事費約 6,900 億円、延べ約 1,400 万人が工事に携わり、88 年 3 月 13 日に営業を開始した。


南相馬から夜空へ 鎮魂と再生の願い込め光ともす

福島県南相馬市で 10 日、「南相馬光のモニュメント」が行われた。 市内 5 カ所にサーチライトを設置。 東日本大震災から 7 年を前に、「鎮魂と再生の願いを込めて」夜空に向かって光をともした。

会場の一つ、同市原町区萱浜の綿津見神社では、サーチライトの他にキャンドルも置かれた。 同市で飲食店を経営する須藤英治さんらが企画。 1982 年まで町のシンボルとして親しまれた高さ約 200 メートルの原町無線塔を光で再現し、地域再生への思いを込めた。 11 日は道の駅「南相馬」で点灯式などが行われ、12 日には飯舘村でも村内 3 カ所にサーチライトが置かれる予定。 (asahi = 3-10-18)


ムスリム礼拝場所設置を白紙撤回 伊勢神宮近くの案内所

三重県伊勢市は 8 日、伊勢神宮近くの観光案内所にムスリム(イスラム教徒)の礼拝場所を来夏に設ける計画を白紙撤回することを明らかにした。 観光客の受け入れ環境を整える狙いだったが、「伊勢神宮近くの公共施設に設ける必要があるのか」などといった意見が多く寄せられ、再検討することにしたという。 計画では、内宮から約 800 メートル離れた観光案内所の一部を改修。 ムスリムの観光客の増加を念頭に、礼拝方向を示す表示をし、手足を清める設備も置く「多目的スペース」を設け、授乳や休憩などで誰でも使える空間にする方針だった。

だが、計画が報じられると、「なぜ伊勢神宮の近くに作るのか」との声や、政教分離を問う指摘が相次いだ。 観光案内所の位置が外国人にとって利便性がよいのかとの意見もあった。 市によると、こうした内容の電話やメールは約 100 件あり、伊勢神宮側や観光団体にも寄せられたという。 市の幹部は取材に「予想外の反応で、今の計画のままでは市以外にも迷惑がかかると判断した」と話した。 多目的スペースは礼拝設備を外して整備する。 今後、民間主体の礼拝場所を設けられないかを検討するという。 市議会委員会でも 8 日、市議の一人が、礼拝場所について「内宮の玄関口には合わない気がする。 慎重に検討してほしい。」と発言。 市幹部は「一から検討し直す」と述べた。 (asahi = 3-9-18)

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伊勢神宮近くにムスリム礼拝場所設置へ 観光客増に対応

三重県伊勢市の伊勢神宮内宮近くに来年夏、市がムスリム(イスラム教徒)の礼拝場所をつくる。 アジアのイスラム圏からの観光客増加に対応するため。市の担当者は「礼拝場所を探す不自由なく、伊勢観光を楽しんでもらいたい」と話す。 礼拝場所は、内宮や周辺の観光施設に近い観光案内所の一部を改修してつくる。 約 3 メートル四方で、床に礼拝用マットを敷き、天井にはメッカの方向を示す表示をする。 手足を清める洗い場も取り付ける。 改修費用は、数百万円の見込み。

市内の公共施設への礼拝場所設置は初めて。 礼拝に使わない時は、ムスリム以外の旅行者も授乳などで利用できるようにする。 アジアのイスラム圏から伊勢市を訪れる人は増加傾向にある。 市によると、伊勢市駅観光案内所を訪れたインドネシア人は 2016 年 15 人、17 年 62 人。 マレーシア人は 16 年 110 人、17 年 131 人だった。 (荻野好弘、asahi = 2-24-18)


健康寿命、なぜ地域ごとに差 山梨は風習、静岡はお茶?

介護や医療を受けずに日常生活を送ることができる期間を指す「健康寿命」。 2016 年時点の都道府県別の最長と最短を比べると男性は 2 年、女性は 2.7 年の差があった。 こうした差はなぜ生まれるのか。 今回発表された 16 年時の男性 1 位で、10、13、16 年の 3 回の平均値が男女とも 1 位の山梨県。

県の担当者は、がん検診の受診率が高いことが一因と分析した上で、山梨特有の風習「無尽(むじん)」をあげる。 地域ごとにお金を出し合って旅行や飲み会をする集いを指す。 担当者は「無尽などの社会的ネットワークが高齢者の孤立を防ぎ、生きがいにつながっていることが影響しているのでは」と話す。

3 回の平均値が男性 3 位、女性 2 位の静岡県の担当者は、「温暖な気候のほかに、生産地でもあるお茶の存在も大きいのでは」とみる。 延べ 6 万 4 千人の高齢者を対象にした静岡県の追跡調査(00 - 06 年)では、緑茶を「1 日 7 杯以上」飲む人の死亡率は「1 日 1 杯未満」の人に比べて 55% 低かった。 担当者は「静岡はお茶の産地で、消費量が全国平均より多い。 健康寿命と関係しているのでは。」と語る。

一方、平均値が男性 45 位、女性 44 位の徳島県は「車社会で運動の機会が少ないのが一因かもしれない。」 平均値が男性 44 位、女性 46 位の大阪府は「分析は難しいが、特定健診の受診率をアップさせるなどで改善していければ」と話した。 (黒田壮吉、asahi = 3-9-18)


東京の次に「人手不足」、福井で何が 人件費も食材も …

福井県が全国有数の「人手不足」に苦しんでいる。 2 日発表された 1 月の有効求人倍率は同県が 2.00 倍で、東京都(2.08 倍)に次ぎ全国 2 位の高さだった。 完全失業率も全国を大きく下回る土地柄で、いったい何が起きているのか。

福井市内で割烹や焼き肉店などを営む「ぼんた」。 斎藤敏幸社長 (39) は「人手が全く足りていない」と嘆く。 頼りとなる大学生のアルバイトが、バイト先をかけ持ちするようになったためだ。 春には高校生にも募集を開始。 社員に対しては、賃金はそのままで労働時間を 30 分短くし、離職させないようにと必死だ。 人材の奪い合いで賃金水準が上がるなか、店で使うハクサイなどの食材が高騰。 ビールも値上げになり、もうけは減る一方だ。 「人さえいれば売り上げが伸ばせるのに …。」 (伊沢友之、近藤郷平、asahi = 3-3-18)


ザギトワにも贈られた 秋田犬ぬいぐるみが大人気

秋田、大館能代の両空港ターミナルビルが共同で開発した「オリジナル秋田犬ぬいぐるみ」がヒットしている。 昨年 12 月に 5 千個の販売がスタート。 来年 3 月末までに売り切る予定だったが、すでに半分以上売れた。 海外からの観光客にも人気だという。 秋田県が先月 28 日、平昌冬季五輪のフィギュアスケート女子の金メダリスト、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手 (15) に贈った秋田犬グッズにも、このぬいぐるみが二つ含まれている。

ぬいぐるみは大きさ約 20 センチ。 何度も試作を重ね、尾が巻いているなど秋田犬らしく見えるよう工夫した。 かわいい見た目が受け、すでに秋田空港で約 2,400 個、大館能代空港で約 400 個売れた。 お土産として 1 人で 10 個を大人買いした人もいたという。 秋田空港ターミナルビルが運営する県内の特産品の通信販売サイト「あ・えーる」では、税込み 1,480 円で売り上げランキング 2 位。 1 位の「あつみのかりんとう(同 507 円)」、3 位の「みうら庵もちもち三角バター餅(430 円)」など、安価な商品が売れ筋の中で健闘している。

購入したぬいぐるみの写真をインスタグラムに投稿すると、抽選で特産品が当たるキャンペーンも、今年度末まで実施している。 同社は「予想以上の人気。 息の長い商品にしたい。」と意気込んでいる。 (村山恵二、asahi = 3-3-18)


韓国イチゴに農水相「日本品種が流出」カーリングで注目

平昌五輪でカーリング女子日本代表の選手が食べて注目された韓国のイチゴについて、斎藤健農林水産相は 2 日の閣議後会見で、「日本から流出した品種をもとに韓国で交配されたものが主だ」と指摘。 日本の優良品種が無断栽培されるのを防ぐために、海外での品種登録などを広げる必要性を訴えた。 斎藤農水相は、カーリングのメダル獲得を祝福した上で、「選手には日本のおいしいイチゴをぜひ食べていただきたい」とアピール。 日本の「とちおとめ」などの品種が流出した問題にも言及した。

農水省によると、韓国では 2012 年までイチゴが品種保護の対象外だった。 その間に無断で持ち込まれたほか、契約で認めた生産者以外に栽培されたものもあり、日本の品種が広まった。 今はその品種を交配したものが主流だ。 日本と韓国は、アジア各国へのイチゴ輸出でも競合。 農水省は日本側の輸出機会の損失は最大で年 40 億円以上になると推計している。 品種登録は国ごとに手続きが必要だが、栽培差し止めなどの対抗手段がとれるため、農水省は 16 年度から補助金を出して支援している。 斎藤農水相は「しっかりと対策を講じていく必要性を改めて認識した」と話した。 (山村哲史、asahi = 3-2-17)


大玉スイカ、初出荷「いち早く初夏の香りを」 熊本

熊本特産の「大玉スイカ」の今季の出荷が 27 日、始まった。 熊本市北区植木町の選果場では、市内の 3 農家がハウスで育てた 4 キロほどのスイカ 1,200 個が、糖度や外観のチェックを受けた。 3 月 2 日から東京や名古屋、大阪、熊本の市場で売り出されるという。 JA 鹿本(熊本県山鹿市)によると、大玉スイカは 5 月下旬ごろに重さが 7 - 8 キロにもなる。 今年は気温が低かったこともあり、生育は遅れ気味だが、甘さや大きさは例年通りという。 6 月末までに約 190 万個が出荷される予定。 JA 鹿本の高木譲二さん (57) は「とってもおいしいスイカができました。 いち早く、初夏の香りをどうぞ。」と話した。 (杉山歩、asahi = 2-27-18)


別府の入湯税 150 円→250 円 訪日客急増、市が提案

大分県別府市は 22 日、温泉客に課している入湯税を引き上げる条例改正案を発表した。 標準的な税額は今の 150 円から 250 円になる。 増額分は急増する海外旅行者の対応など観光振興に充てる方針。 3 月 1 日開会の市議会に提案する。 入湯税は地方税法に基づき、標準税額が 1 人あたり 150 円と定められ、自治体は条例で金額を変えられる。 引き上げは 1978 年以来。 市が条例で独自に引き上げるのは初めてという。

改正案では、1 日の宿泊・飲食代が 6,001 円 - 5 万円の施設の税額を 250 円、5 万円を超える宿泊・飲食代の場合は 1 人 500 円に。 6 千円以下は税額を 150 円以下に据え置く。 2017 年 1 - 9 月に市内で宿泊した外国人は 34 万 2 千人。 前年同期比で 10 万人増えた。 一方、市によると、15 年度の入湯税収入は約 3 億 3 千万円。 今回の改正で 1 億 5 千万円ほどの増収を見込み、海外旅行者らを想定した無料 Wi-Fi の整備などに充てる。

ただ、ホテルや旅館などの経営者の一部から「客が減らないか心配」などの声も出ている。 静岡県熱海市、神奈川県箱根町など主な温泉地の入湯税の標準税額は 150 円。 今のところ値上げの予定はないという。 北海道釧路市は 2015 年に、150 円から 250 円に上げた。(加藤勝利、asahi = 2-23-18)