日本でも称賛、中国人サポーターのマナーが良くなった!? 中国ネット「素晴らしい!」、「でも国内では …」

3 月 8 日、新浪体育の微博アカウントは、中国のサポーターのマナーが改善しつつあり、日本からも評価する声が出ていると伝えた。 記事は、7 日に韓国で行われたサッカー・アジアチャンピオンズリーグの上海申花 - 水原三星ブルーウィングス戦後に撮影されたスタジアムの観客席の写真を掲載。 アウェーである上海側の席とみられるが、客席の下にはゴミ一つ落ちていないことが見て取れる。 また、ビニール袋を手にしているサポーターの姿も。

記事は「チームとともに遠征に来た申花サポーターたちは、自発的にごみを拾って帰った。 先日も日本で鹿島アントラーズと戦った際に申花サポーターが観客席を清掃したことで、日本メディアから称賛を浴びた」と伝えた。 なお、7 日の試合は 1 - 1 で引き分けている。 中国のネットユーザーは「素晴らしい!」、「上海を代表するマナーの良さだ」、「こういうニュースが多くなって、人々のモラルが少しずつ向上してきてるのだろう」、「いいね。 試合にも負けなかったし、人としても負けなかった。」、「これが本来あるべき姿だ」といった称賛コメントが寄せられた。

その一方で「それで、どうして国内での試合やライブでは、終了後にごみが散乱しているのだろう?」など、国内では同様のマナーが見られないことを指摘するコメントが散見されたが、これに対しては「(よその家に泊まったら布団を畳むが)自分の家では布団をきれいに畳まないのと同じこと」といった返信があり、多くの支持を集めていた。 この他、「他人をとやかく言う以前に、一人ひとりがしっかりやればそれでいいのだ」などといった感想が出ている。 (RecordChina = 3-9-18)


全人代委員、「3 人目の出産許可」主張 中国

3 月 4 日、総合新聞は、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の委員を務める広東省の朱列玉(ジュー・リエユー)氏が、中国政府の「一人っ子政策」撤廃後も出生数は増えていないため「3 人目の出産を許すべきだ」と主張していると伝えた。

朱氏は「政府が全面的に 2 人目の出産を許可しても、爆発的な人口増加にはつながっていない。 むしろ出生率は下がっている。 中国社会はすでに少子化傾向が出始めている。 経済環境への影響を考えると、将来的には民族としての競争力を低下させることになりかねない。 すべての競争の根源は人と人の競争にある。 3 人目の出産も許すべきだ。」と主張している。 中国は 2016 年に「一人っ子政策」を廃止。翌 17 年の出生数は約 1,723 万人で、前年に比べて 63 万人減少。 2 人目の出産が許されたことによる人口増は起きなかった。 (ReocrdChina = 3-5-18)


中国、顔認証技術大国の光と闇 13 億人を特定

中国では春節(旧正月)が近づくと、顔認証メガネをかけた警察官が目につくようになる。 この眼鏡をかければ、身元をすぐに確認し、祝賀行事などで犯罪を取り締まることができるからだ。 だが興味深いことに、こうした顔認証技術は中国の人にとって目新しいわけではない。 中国では既に身分証明証を使わない本人確認が浸透している。 中国の電子商取引大手アリババ集団関連会社のアント・フィナンシャルが始めた「スマイル・トゥー・ペイ」では、カメラに自分の笑顔を映して電子決済の認証を受ける。 中国では顔認証により、ID カードを使わなくても簡単に学生が大学の講堂に入ったり、旅行者が飛行機に搭乗したり、社員がオフィスに入ったりできる。

中国公安部は 2015 年、顔認証システムと監視カメラを使って「いつでもどこでも、完全にインターネットに接続し、完全にコントロールされた」ネットワークの実現を目指す方針を明らかにした。 これを受けて、中国の民間企業や顔認証分野のスタートアップは不正行為や犯罪行為を監視するために、政府と積極的に手を組んでいる。

顔認証分野の有力企業

中国の市民に目を光らせておくために、既に顔認証技術を採り入れている主な中国企業は以下の通りだ。

ダーファテクノロジー

ダーファテクノロジーの顔認証システムは 16 年、顔認証評価システム「LFW」の精度試験で中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)や同ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)、米グーグルの記録を破り、新記録を達成した。 ダーファの顔認証システムで使われているディープラーニング(深層学習)は 100 以上の層で構成されており、既存の顔認証システムで最も多い。 これにより新たなタイプの計量学習を使い、北京の人混みで容疑者を見つけたり、福建省で信号待ちをしている歩行者でさえ監視したりできるようになった。 ダーファによると、同社のテクノロジーを使い、20 カ国・地域 (G20) 首脳会議(サミット)開催中に多くの逃亡犯が逮捕された。

杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)

監視カメラ世界最大手と称している杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)は、顔モデリングと類似度計算をシステムに搭載することで、顔認証を実現した。 このシステムを使えば犯罪者をブラックリストに載せたり、競技場や公園、カジノのような場所にブラックリスト掲載者が入らないようにしたりできる。 ハイクビジョンの顔認証技術は 97 万 3,661 人の顔画像のデータベースから 5 人の容疑者を抽出し、逮捕に貢献したとされる。

Face++

米マサチューセッツ工科大学 (MIT) が選ぶ「世界で最もスマートな 50 社」の 11 位に入った Face++ は、顔認証に人工知能 (AI) を採用したおそらく初のスタートアップだ。 企業評価額は 10 億ドルに上る。 Face++ のソフトウエアでは 83 のデータポイントを使って顔をトレースする。 この技術は既に電子決済サービス「アリペイ(支付宝)」や配車サービス最大手の滴滴出行などの人気アプリに採用されている。 例えば、滴滴出行の乗客はこのソフトウエアを使い、運転席にいる人物が身元の確かな運転手であることを確認できる。

センスタイム

警察はセンスタイムの顔認証を活用し、中国南東部で 1 カ月間に 69 人の容疑者を逮捕した。 同社は中国政府とのビジネス関係を強化しつつある上に、膨大な市民のデータセットを保有しているため、プライバシーに対する懸念が高まっている。 例えば、同社の技術を使えば、顔画像付きの 10 億人規模のデータベースで対象人物の足取りをたどったり、様々な時間や場所、対象者を自由自在に監視したりできる。

顔認証技術のメリット

精度の高い顔認証アルゴリズムにはディープラーニングが使われているため、このシステムを学習させる大量のデータが必要になる。 中国は 17 年、13 億人の国民を数秒で特定できる巨大な顔認証データベースを構築した。 90% の精度を達成するのが目標だ。 この巨大なデータベースや、国が多くの企業と手を組んでいるといった理由から、セキュリティー機器市場に占める中国の割合は一段と高まっている。 英調査会社 IHS マークイットがまとめた「セキュリティー機器・サービスリポート」によると、21 年には中国市場の規模は世界全体の 38% に及ぶ。 これは北米と西欧市場の合計よりも大きい。

顔認証技術の限界

顔認証は中国の犯罪対策で効果を上げ、治安維持に貢献しているが、限界も多くある。 その一例は人権問題だ。 国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは、新疆ウイグル自治区の住民に虹彩スキャンと指紋が義務付けられたのを受けて異議を唱えた。 中国政府がこの情報を使って異議申立人や人権活動家を「取り締まる」のではないかとも懸念されている。 さらに、顔認証に頼りすぎるとデータがハッキングされてデリケートな情報が漏えいし、セキュリティーやプライバシーが侵害される事態を招く恐れがある。 顔の検出が少しでも不正確なら、誤認逮捕にもつながりかねない。

中国の顔認証への依存に対するもう一つの懸念は、この技術によって差別が生じる可能性だ。 香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは最近、顔認証を導入している一部のレストランが、機械がランク付けした顧客の外見に基づいて食事代を割引したと報じた。 つまり、外見が「美しい」客は高得点をもらい、機械に鼻が大きすぎるか小さすぎると判断された人よりも安い価格で食事できるというわけだ。 顔認証は明らかに中国のビジネス手法や犯罪対策を変えつつある。 しかし、研究者らはマイナスの影響を最小限にとどめ、プラスの効果を最大化するために、100% の正確さを目指して努力し続けなくてはならない。 (Deena Zaidi from VentureBeat、nikkei = 2-25-18)


春節の中国 ハンドバッグと X 線検査機の中へ入る女性の意図は?

春節の帰省ラッシュで混雑する中国広東省の東莞駅で、保安検査員たちを驚愕させるシルエットが検査装置のモニターに表示される "珍事" が発生した。

X 線検査機に荷物を通過させ、危険物などが入っていないかチェックする手荷物検査は、世界各地の空港のほか、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ国際列車のユーロスター、中国の高速鉄道や地下鉄など、鉄道駅の一部でもすでに導入されている。保安検査員は、日々、検査装置のモニターを通じて、ベルトコンベアで運ばれてくる大量の手荷物を目視でチェックしている。

保安検査員たちを驚愕させた "珍事"

2 月 11 日、春節(旧正月)シーズンの帰省ラッシュで混雑する中国広東省の東莞駅では、保安検査員たちを驚愕させるシルエットが検査装置のモニターに表示される "珍事" が発生した。 一連の様子は、中国の動画サイト「梨視頻」を通じて中国内外に広く拡散され、話題となっている。 そのシルエットの正体は、なんと中国人女性。 モニターには、頭蓋骨や足、腕など、骨や内蔵までもがはっきりと映し出されている。

ハンドバッグの貴重品の盗難を心配して

乗車前の保安検査で手荷物を検査装置に通すよう指示されたこの女性は、その中に入った貴重品の盗難を心配し、ハイヒールを履いたまま、手荷物のハンドバッグととともにベルトコンベアに飛び乗り、そのまま検査装置を通過していったという。 X 線検査装置の通過によるこの女性への健康影響はみとめられなかったものの、東莞市の鉄道警察は、香港の日刊英字新聞「南華早報」の取材に対し、「単なる珍事として軽々しく扱うべきものではない」と述べ、このような危険な行動を厳に慎むよう乗客に呼びかけている。

日本でも、2020 年東京オリンピックなどを控え、鉄道や航空機、バスといった公共交通機関においてもセキュリティ強化への対策が推進されているが、このような "珍事" をもある程度想定した上で、人々の安全と安心を確保する体制づくりが望まれそうだ。 (松岡由希子、NewsWeek = 2-21-18)


今年の中国版「紅白」、20 年ぶりの人気歌手共演が目玉に

[北京] 中国の旧正月(春節)の大みそかに当たった 15 日、国営中央テレビ (CCTV) で恒例の年越し特別番組「春節聯歓晩会」が放送され、人気スターの王菲と那英が 20 年ぶりに共演するなど盛り上がりをみせた。 「春節聯歓晩会」は、1983 年以来大みそか恒例の国民的番組となっている。 4 時間超にわたって寸劇や音楽、舞踊などが放送され、数億人が視聴する。

王菲と那英は、懐メロのバラードをデュエットで歌い、高視聴率を獲得。 出演後に聴衆に語りかける場面はなかったが、中国のソーシャルメディアにはファンからの賞賛が次々と投稿された。 中には、出演時間が短すぎとの意見もあった。 王菲の娘は、中国交流サイトの微博(ウェイボー)に、赤ちゃんの自分が母親の写真を指差している画像を投稿、「これが私の母、最高に素敵じゃない?」とコメントし、50 万以上の「いいね」が付いた。

北京出身の王菲は、クールなしぐさで、甘いラブソングからけだるいトリップホップ、仏教の香りを織り込んだフォークトロニカなど多彩なジャンルの音楽テイストを取り合わせた芸風から、中国語圏で過去 30 年にわたるトップスターの 1 人となっている。 2008 年の北京五輪閉会式で歌を担当した那英は、代表曲となった「征服」のヒットで 1990 年代に人気歌手となり、現在はテレビの歌番組などに出演している。 「春節聯歓晩会」にはほかに、ヤングアイドルのティー・エフ・ボーイズが 3 年連続で出演。 中国共産党の習近平総書記が昨年の党大会開幕の演説で述べた政策理念を意識し、「新しい時代」を賞賛する歌も披露された。 (Reuters = 2-16-18)


世界最大の人民移動に変化 - 高速鉄道がもたらす中国春節の新たな光景

中国では毎年、春節(旧正月)の祝日を故郷で過ごす人々が鉄道で大移動を繰り広げる。 車内は混雑し、不愉快な経験をすることも多いが、政府が推進する高速鉄道によってそうした状況が急速に変わりつつある。 中国政府は 3 兆 5,000 億元(約 59 兆円)を投じて鉄道システムを向こう 2 年で 18% 拡大し、総距離 15 万キロにすることを目指している。 同国の高速鉄道網は既に世界最長だが、投資額の多くが高速鉄道網を西に延ばすために充てられる。

今年の春節期間には米国の人口を上回る 4 億人近くが鉄道を利用する見通しだ。 工場やオフィスは 1 週間にわたって休業となり、国民 14 億人の多くが帰省するほか、この機会に国内外を旅行する人も増えている。 世界では格安航空の登場で鉄道旅行の魅力が薄れた国・地域もあるものの、中国の鉄道利用者は増えている。 公式データによると、昨年の春節の 1 日当たり鉄道旅行者数は 1,096 万人と過去最高を記録し、うち高速鉄道の利用者が在来線を初めて上回った。

中国では 10 年前にはほとんど存在していなかった高速鉄道網が急拡大しており、全長 2 万 5,000 キロの半分以上が 2013 - 17 年に建設された。 25 年までに 50% 余り延長し、30 年までに東西を結ぶ主要な高速鉄道 8 路線を完備する計画だ。 中国はさらに南北を走る主要 8 路線の敷設も目指している。 これにより開発が他より遅れている西部への道が開かれる。 従来は主に東部沿岸の主要都市を結ぶ高速鉄道網の整備が重視されていた。

同済大学(上海)で鉄道を研究する孫章氏は「これらの路線が春節などの旅行ピーク期に十分な輸送能力を提供し、中国西部で観光などサービス事業の伸びを促す可能性がある」と指摘。 「高速鉄道は中国の東西の経済格差を埋める懸け橋となるだろう」と述べた。 昨年 12 月には四川省の省都・成都と兵馬俑で有名な北西部の都市、西安を結ぶ高速鉄道路線が開通。 最高時速は 250 キロで、移動時間は普通列車で行く場合の 4 分の 1 に短縮された。 料金は片道 263 元からと、片道航空券のほぼ半額。

今年の春節前後の 40 日間に見込まれている鉄道利用者数は推定 3 億 9,000 万人と、昨年の春節期と比べ 8.8% 増加し、10 年(2 億人)のほぼ 2 倍となる見込みだ。 (Bloomberg = 2-15-18)


中国、海外で傍若無人、ひんしゅく … 国民に「理性」訴える

旧正月の春節に合わせて中国外務省が緊急通知

中国外務省は 12 日までに、春節(旧正月)に合わせて 15 日から始まる大型連休で海外を訪問する際に理性的に振る舞うよう呼び掛ける緊急通知を出した。 日本など国外の空港で、中国人旅行客が大声で国歌を歌うなどの迷惑行為が相次いだことを受けた措置。 習近平指導部は国民の間に広がるゆがんだ大国意識への対応に苦慮している。 「中華民族に迫る最大の危機」、「立ち上がれ。」 中国メディアによると、1 月末、成田空港の搭乗口で、欠航で足止めされた中国人旅行客数十人が航空会社や空港職員の対応に抗議し、中国国歌「義勇軍行進曲」を合唱。職員とのトラブルから客の 1 人が警察に連行された。

その後、スリランカとイランの空港でも搭乗便の遅れにいら立った中国人旅行客が「中国」と連呼するなどの騒ぎが相次いだ。 中国では近年、大国化に自信をつけた国民が海外で傍若無人に振る舞い、ひんしゅくを買うケースが後を絶たない。 こうした行動は国内でも問題視されている。

中国外務省はこうした事態を深刻視し、緊急通知で遅延などの際に「行き過ぎた行動を取って契約を超える要求をせず、理性的に権利を行使」するよう要求した。 国営の中央テレビも「北京の空港で日本人が国歌を合唱したらどう思うか」などと諭し、大国らしくない行為を控えるよう啓発する番組を放送。 春節の連休に国外を訪れる旅行客は 650 万人に上るとみられており、マナー向上に躍起になっている。 (kyodo = 2-12-18)


多様化進む中国の映画業界、若者の「ハリウッド離れ」も進行

中国の映画業界でこのところ話題にのぼるのが、観客たちがハリウッド映画を以前ほど好まなくなったことだ。 若い世代はインドや日本などの映画に目を向けはじめた。 また、中国製の映画も近年クオリティを向上させている。 スター・ウォーズ最新作の「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」は調査企業 CBO によると、1 月の公開以来 4,200 万ドル(約 46 億円)しか稼げていない。 一方で、2017 年公開の「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」の興収は 7,600 万ドルだった。 また、2016 年の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は 1 億 3,000 万ドルを稼いでいた。

北京の調査企業「Ent Group」の直近のアンケートで、西洋の映画が好きだと応えた中国人の割合は 55% だった。 この数字は 2016 年には 61% だった。 一方、中国で支持が高まっているのがインド製の映画だ。 ボリウッドの大スターのアーミル・カーンと若手女優のザーイラー・ワースィムが共演した「シークレット・スーパースター」は今年に入り 9,200 万ドルを稼ぎ出した。 アーミル・カーンは 2017 年公開の主演映画「ダンガル」でもヒットを飛ばし、中国で累計 2 億ドル以上を稼いだ。 北京のスタートアップ企業に勤める 30 歳の Zhang Zhaohui は「これまでダンガルを 3 回観た。 ハリウッドの映画は特殊効果ばかりでつまらない。」と話した。

中国でこれまで史上最大のヒットとなった映画は 2017 年の「戦狼 ウルフ・オブ・ウォー (Wolf Warrior 2)」で興収は 9 億ドルを突破した。 この作品は内戦下のアフリカから同胞の中国人を救い出す元特殊部隊員の死闘を描いた戦争アクションで、「中国版ランボー」とも呼ばれている。 Ent Group の試算では中国の映画市場は早ければ 2019 年にもアメリカを抜いて、世界最大の規模に成長する見込みだ。 中国の大都市では映画市場が飽和状態にある中で、海外の映画企業が新たなターゲットとすべきなのは、地方の観客かもしれない。 しかし、地方の人々は中国製の映画を好む傾向が強く、ここに食い込むのはかなり難しい。

インドと中国の合作映画も製作開始

また、中国政府は国内で公開される海外製の映画の本数を年間 38 本までに制限している。 一方で映画業界の関係者は日本やインド、ヨーロッパの映画にも関心を払い、多様なニーズに応えようとしている。 そんな中、最新のトレンドといえるのがインドと中国の合作映画の「Zookeeper」だ。 この作品はインドの動物園に務める主人公が中国にパンダを探しに行く物語。 主人公と中国人女性とのロマンスも織り込まれており、年内に製作が開始されるという。

監督はインド人のカビール・カーンで、撮影は成都市で行われる予定だ。 「中国の映画関係者らは従来よりも多様性にあふれた作品を作り、観客を魅了しようとしている」と調査企業「HS Markit」のDavid Hancockは話した。 (Yue Wang、Forbes = 2-11-18)


迷走する中国石炭政策、猛吹雪が供給網の不備露呈

[北京] 中国を襲ったこの冬最悪の猛吹雪は、石炭産業政策が抱える欠陥を露呈した。 重工業の合理化と人口過密地域の大気汚染解消を狙って、遠隔地に石炭産業のハブ(中核拠点)を設ける計画だったが、鉄道網の不備により、石炭を市場に供給できなくなったのだ。 今月に入り、激しい吹雪によって世界最大の鉄道網が混乱し、高速道路は閉鎖され、港湾は凍結した。 こうして、熱源用の必需品である一般炭の供給は途絶した。

こうしたボトルネックが、石炭価格の 1 カ月に及ぶ上昇に拍車をかけ、電力事業者大手 4 社は、近づく春節(旧正月)に向けて、暖房能力や電力に不足が生じる可能性を警告している。 中国の南部・中部地域を襲った例年にない豪雪は、2 日までに一段落したが、鉄道の混乱は続いている。 国営の中国鉄路総公司(中国国鉄)は、燃料不足に陥っている南部の発電事業者に対する石炭供給を増やすため、追加的な緊急措置を実施している。

新たな貨物路線が建設されるまでは、今後数年間にわたって、こうした混乱状況がもっと頻繁に発生する恐れがある、と鉄道専門家と電力事業者幹部らは警鐘を鳴らす。 「中国の鉄道輸送能力はひどく不十分だ。 新路線開設のために毎年かなりの投資を行っているにもかかわらずだ。」と語るのは北京交通大学の Zhao Jian 教授だ。 鉄道網の負担をさらに増大させたのが、昨年の政府による指令だった。 数千カ所の工場に対して、国内で輸送手段として最も好まれている道路交通ではなく、鉄道を利用して貨物の出荷を行うよう命じたのだ。

また、鉄道網による輸送能力不足だけでなく、中央政府が南部地域で小規模な炭鉱を閉鎖し、生産量を抑制する政策をとったことも、今回の事態発生の遠因となっている。 通常であれば不足分を補うはずの域内のスポット供給が限定されてしまったのだ。 遠隔の北部・西部地域に石炭産業のハブを設けたことで、石炭が、国内電力の大半を生産する石炭火力発電所に到達するまでに、これまでよりも長い距離を移動しなければならなくなった。

電力大手の中国華能の関係者によれば、同社の供給を補うという点では、これまで以上に輸入が大きな役割を担うことになると考えているという。 「石炭産業のハブが東部から西部にシフトしたことによって、石炭の輸送距離がこれまでより長くなり、輸送面での潜在的リスクが増すだろう」と語った。

急激な拡大

この 10 年間、中国は高速旅客鉄道網の拡大に何兆ドルもの資金を注ぎ込んできたが、投資拡大のペースは鈍り始めている。 中国国鉄の今年の投資目標額は 2013 年以来最低であり、大半は高速旅客路線である。 貨物路線はやや後回しにされており、これでは増加する輸送量をさばくことが難しい。 国内初の南北を結ぶ石炭運搬専用線、内蒙古・江西線は総延長 2,000 キロにわたって 2 億トンの貨物を輸送する計画だが、運行開始は早くとも 2019 年まで待たねばならない。

既存の貨物路線も、燃料を切実に必要とする地域向けではない。 国内 4 つの主要貨物路線は年間 12 億トンの貨物運搬能力があるが、石炭を産出する西部から東部の沿岸港へと延びており、燃料用の石炭はそこから南部に向け、トラック又は長江沿いの荷船により内陸に運ばれる。

供給拡大策はあるか

採掘された石炭が炭鉱から出荷されないまま立ち往生する中で、中国当局は燃料の供給拡大を急いでいる。 中国国鉄は先月、緊急措置の第 2 弾として、内モンゴルのフフホトから南部・雲南省の昆明に至るまで、約 20 カ所の地域ハブに対して、取扱量を増大するよう指示を出した。 ロイターが閲覧したファックスによれば、中国国鉄は、湖南、湖北、山東、江西の各省や、燃料不足状態に陥っている他地域の発電所への供給を実現するには、10 日までに 1 日当たり貨車約 4 万 6,000 両分の石炭を運ばなければならないと試算している。

これは石炭約 300 万トンに相当し、ロイターの計算によれば、中国の石炭火力発電部門で 1 日に必要とされる平均量の約 6 割に上る。 中国国鉄はすでに石炭輸送を最優先としており、南部向けの穀物・肥料の出荷を制限している。 中国国鉄と国家鉄路局にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

政策の落とし穴

中国当局の石炭規制は、冬季に北部地域を覆う大気汚染を緩和し、重工業を人口が過密する都市地域から引き離す取り組みの一環である。 めったにない豪雪の影響で悲鳴を上げているのは、江蘇、湖南、四川といった南部や中部の地域だ。 こうした地域はここ数年、石炭産出量の比率を最も大きく削った省であり、一方で、内モンゴル、山西、陝西・新疆の各省は供給を増やしている。

中国石炭輸送公社のデータによれば、これら上位 4 地域が国内の石炭産出量全体に占めるシェアは、2008 年には半分強だったのに対して、2017 年には 72% に膨らんだ。 従来の産業中心地から外れた、こうした地域における石炭生産の拡大は、大気汚染の原因となる産業活動を、人口最過密地域から遠ざけるという、狙いどおりの効果をあげている。 だが、これらの供給ハブと需要中心地が鉄道網によって効率的に接続されるまで、輸送能力の限界を巡る問題が今後も続く可能性が高いとアナリストは警告している。 (Muyu Xu & Josephine Mason、Reuters = 2-10-18)


中国のスター起業家が自殺、起業のリスクは自己責任か社会問題か

1 月末、中国である起業家の死がセンセーショナルに報じられた。 '80 後' の起業家の代表格で、かつて「起業少年」の異名をとった連続起業家(シリアルアントレプレナー)が事業の行き詰まりで自殺したのだ。 起業の華々しい面ばかりが伝えられる中、その死が起業のリスクの高さを象徴的に示していると受け止められている。

10 年前のスターが破産の危機で自殺

1 月 25 日、eスポーツ(家庭用ゲーム機やパソコンを使ったゲーム対戦)事業を手掛ける万家電競 CEO の茅侃侃(マオ・カンカン)が自宅で練炭自殺した。 享年 35 歳だった。 彼は中国ではよく知られたスター起業家だった。 小学 5 年生でプログラミングを始め、19 歳で起業した。 2004 年に起業したゲーム事業の MaJoy の CEO として注目を集め、「80 後起業家」、「億万長者」、「起業少年」などの異名をとった。

06 年、23 歳の時に同年代の起業家、李想、戴志康、高燃とともに「京城 IT 四少」と呼ばれた。 日本語にすれば、首都 IT の若手四天王といったところ。 この 4 人は CCTV の人気番組に出演したり、有名雑誌の巻頭を飾ったりと、一躍時代の寵児になった。 その中で最も若かったのが茅侃侃だった。

4 人の中で最も有名になっているのは李想で、スマートカーの分野で「汽車之家」という会社をニューヨークで上場し、今では三度目の起業となる「車和家」というスタートアップで CEO を務めている。 ほかの 2 人も事業にそこそこ成功し、今では安定した地位を築いている。 一方、茅侃侃は様々な分野を転々としており、事業で一時的に大きな収益を上げたことはあっても、大成功と言えるような成果は手にできていなかった。

ゲーム事業の後、医療や交通情報のアプリを手掛けたのち、2013 年に eスポーツの領域に踏み込んだ。 15 年、万家文化と共同出資で万家電競を設立し、CEO に就任した。 ただ、事業で収益を出せなかったことに加え、共同出資した万家文化の所有者の交代で資金援助が受けられなくなり、資金繰りに困っていた。 彼が個人的に車や家を担保に借金をしたこともあったがそれでも賄えず、最後は社員の 2 か月分の給与が未払いという状況に陥っていた。 遺書はないが、自殺の原因は事業の継続が絶望的だったためとみられる。 周囲からは明るい性格とみられていたが、長年うつ病を患っており、それが彼を死に追いやったとみる向きもある。

自己責任論と社会問題化する論調が併存

彼の死を受けて盛んに言われているのは「創業不易(起業は易しいことではない)」ということ。 1 月 25 日に発表され、たちまち 10 万レビューを超えた元 CCTV の王利芬の記事のタイトルは「34 歳の茅侃侃が逝去、起業の残酷な一面を開く」というものだった。

記事中では、起業の成功率がいかに低いか、数少ない成功者もいかに辛酸をなめているか、そして既存の業態と衝突することの多いスタートアップはネズミのようなもので、規則やこれまでのやり方を振り回して規制しようとする猫(管理者)にいつつかまるか分からないと指摘している。 そのうえで「一番言いたいのは、もし企業家が国家の大黒柱で優秀な企業家が国家の宝ならば、起業家の群れというのは企業家の予備軍であって、多くの起業家が生まれてこなければより多くの企業家が生まれてくることもないのだ。 わずか 34 歳の起業家が世を去った今日、投資家や政府の管理部門が起業家に同情と共感の心を持ち、起業環境の残酷さを少しでも減らすよう望む。」としている。

彼がそもそも起業に向いていなかったという自己責任論もある。 2 月 1 日の南方週末は「茅侃侃の残したため息」と題した記事で「茅侃侃はかつて取材を受けて、管理は苦手で実は起業には向いておらず、仕事をする方(単なるワーカー)に向いていると答えている。 ただ、『80 後の起業スター』という称号が彼に選択の余地を与えなかったようだ。 その自殺は起業の残酷さを明らかにした。 起業の夢は美しいが、すべての人が皆起業に向いているわけではない。 起業したい人は慎重に考える必要がある。」とした。

自己責任論や、投資家の無責任さを指弾する記事も多いが、彼の死を契機に起業家の負うリスクを社会で考えるべきという論調は強い。

起業家の 49% が精神疾患抱えるとのデータも

起業の負担がいかに大きいかをまとめたのは、起業家のための情報プラットフォーム「創業邦」の 1 月 28 日の記事。 ここ最近の起業家の死について列記した部分があり、一部引用すると、2011 年に上場直後の取締役(重いうつ病を罹患)が飛び降り自殺、15 年に上場後の会社の取締役が心筋梗塞で 43 歳で死去、16 年に長年うつ病を患っていた社長が 46 歳で自殺、16 年に 44 歳の起業家が心筋梗塞で死去、17 年には OTA (オンライン取引の旅行会社)大手の途牛の予約センターの副社長が心筋梗塞で 44 歳で死去、18 年に 38 歳のゲーム界の著名起業家が脳溢血で死去 … と紹介されている。

「かつて 242 人の起業家に調査を行ったケースがあり、その結果によると、うち 49% の起業家が何らかの精神的疾病を患っており、割合の最も高いのがうつ病、次いで注意欠陥障害 (ADD)、不安障害だった。」

いったん起業すると私生活がなくなり、あらゆるエネルギーを仕事に投じることになり、精神面の健康を害する原因になっていると指摘する。 記事の最後には、心理的危機に陥った人のための無料相談ホットラインの情報が掲載されている。 起業家のためのプラットフォームだけに、その至れり尽くせり具合には少し肌寒いものを感じる。 「大衆創業」を掲げる中国で社会問題化しつつある起業のリスク。 スタートアップ支援の方向性を打ち出して久しい日本も、真剣に向き合うべき問題だ。 (山口亮子、Wedge Infinity = 2-9-18)


中国に「最も危険な雪かき人」 命綱つけ、向かう先は …

中国陝西省で、断崖絶壁の登山道を雪かきする人たちが注目を集めている。 ネットでは「最も危険な雪かき人」と話題だ。 「危険」な雪かきが行われている現場は、陝西省の省都・西安から東に約 120 キロにある華山の登山道「長空桟道」だ。 中国の「5 大名山」の一つに数えられる名峰で、最高峰は約 2,160 メートル。 ほぼ垂直に切り立った山肌に設置された幅約 30 センチメートルの板の上を、命綱を頼りに歩く。 「世界 10 大危険な断崖絶壁の道」とも呼ばれる。

地元テレビ局・陝西広播電視台の映像では、登山道を管理する職員が命綱をつけ、スコップやほうきを使って手際よく板の上に積もった雪をかき分ける姿が紹介されている。 職員は冬の間、山の上で生活していると言い、「きれいな景色が見られて、とても楽しい」と話す。 中国版ツイッター「微博」では「危険すぎる」、「見ているだけで怖い」といったコメントが相次いでいる。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 1-31-18)


中国の農業変革、食の欧米化をどう支えるか

経済成長とともに多様化する食生活が中国の農業を変えようとしている

中国では、1 ヘクタール未満の小規模な農地が全体の 9 割余りを占めている。 農家 1 軒当たりの耕作面積は世界最低レベルだ。 一方で中国は、欧米諸国が 150 年かけて進めた農業の近代化を過去 40 年ほどで進め、先進的な取り組みもしている。 つまり今の中国には、小規模農家から工業型畜産・酪農施設、環境に配慮したハイテク農場、さらには都市型の有機農業まで、さまざまな農業が存在する。

それというのも、難題に答えを出さねばならないからだ。 中国は、世界全体の 1 割足らずの農地で、世界人口の 2 割近い国民を養わなければならない。 しかも食の好みは変わろうとしている。 30 年前には都市人口は全体の約 25% にすぎなかったが、2016 年には人口の 57% が都市で暮らすようになった。 肉の消費量は 1990 年の 3 倍近くに達し、牛乳・乳製品の消費量は 95 年から 2010 年までに都市部で 4 倍、農村部では 6 倍近くに増えた。 加工食品の需要も 08 年から 16 年までにおよそ 1.7 倍になった。 食料自給を目指す一方で、食生活の欧米化が進む中国。 そのニーズは農業をどう変えるのか。

タイ資本の巨大農業団地

上海から杭州湾を挟んだ広大な埋め立て地。 ここでタイの大手複合企業チャロン・ポカパン (CP) グループが環境に配慮した巨大農場の建設を進めている。 慈渓市郊外の約 2,600 ヘクタールの埋め立て地を 20 年契約で安く借り受け、食料を生産しようというのだ。 この事業は中国の農業の未来を示す青写真でもある。 グローバル企業が巨額の資金を投じ、農場や加工場、オフィス、従業員用の住居まで備えた、農業と食品産業の農業団地を建設するという構想だ。

2017 年夏には、水田の面積は約 1,450 ヘクタールになり、うち約 47 ヘクタールではカニを養殖して、有機栽培米を育てた。 敷地内には野菜などを栽培する農業用ハウスやブロッコリー畑もあり、農薬や化学肥料を散布するドローンを何機も備え、餃子工場も完成間近だ。 100 万羽の雌鶏を収容する養鶏場は将来的に規模を 3 倍に拡大する予定で、鶏糞から年間 2 万トンにのぼる有機肥料を生産する計画もある。

「垂直式農場」と呼ばれる施設も完成した。 広々とした透明な箱形の建物の中に、高さ 10 メートルほどのタワーが 6 基ある。 タワーには苗床を載せた棚が付いていて観覧車のように回転する仕組みだ。 私が見学したときには、チンゲンサイとアマランサス、ニラが植えられていた。 空調設備のある屋内で栽培しているため、施肥を最適化でき、農薬をほとんど使用せずに済む。

単位面積当たりの収穫量は一般的な畑の 4 倍になると、上級副社長の王慶軍は言う。 農業が汚染の元凶になっている中国にとって、これは大いに有望な方法だ。 2015 年、中国当局は 5 年以内に化学肥料と農薬の使用量の増加を抑制すると宣言したが、CP グループはこの制限に適合できそうだ。 この事業の根底には、食料生産に製造業の手法を導入するという発想がある。 現実主義者であると同時に夢想家の一面もうかがわせる王は、この事業が生産から販売まで一貫して運営管理する「垂直統合」方式のモデルになると考えている。 (national Geographic = 1-29-18)


便器洗ったブラシでコップもゴシゴシ … 中国の高級ホテル

中国の高級ホテルやレストランで、清掃や調理の不衛生な実態を隠し撮りした映像が相次いで暴露され、反響を呼んでいる。 中国メディアによると、黒竜江省ハルビンの三つのホテルで客室清掃を隠し撮りした映像が、昨年 12 月末に動画サイトで公開された。

映像ではハルビン・ケンピンスキーホテルの清掃員が便器を洗うブラシでコップを洗い、ハルビン・シャングリラホテルの清掃員はコップとゴミ箱を同じ雑巾で拭き、その雑巾を便器の水で洗っていた。 ハルビン香坊永泰シェラトンホテルでも、同じブラシで便器と洗面台を洗っていた。 ハルビン市当局は各ホテルへの調査の結果、動画で告発された内容は事実だったとして、ホテルを処罰したと発表した。 (瀋陽 = 平賀拓哉、asahi = 1-25-18)


中国で稼ぐのは難しく? 外国企業がまた撤退 - 中国メディア

1 月 19 日、毎日経済新聞は、「中国ではもはや稼げない、外国企業がまた退場」とする記事を掲載した。 英小売大手のマークス・アンド・スペンサーはこのほど、中国市場からの撤退を発表した。 08 年に中国に進出して以来、中国では 10 店舗を展開。 しかし、記事によると、英国で売れ残った古いデザインの衣類を中国市場で売ったり、サイズも英国仕様のままだったりし、中国では存在感を示せなかったようだ。 同社のアダム・コルトン中華圏責任者は「香港では利益を出していたが、中国本土では赤字が続いていた」と話したという。

小売業界専門家は、「中国ではここ数年、小売業全体の経営環境が思わしくない」と指摘しているといい、ネット通販の拡大を受け、香港・マカオ地域の小売企業は売り上げ減に悩まされているという。 記事は「マークス・アンド・スペンサーの失敗の最も大きな原因は、中国の消費者に合わせた商品を打ち出せなかったことだろう」と指摘。 「デザインは古く、品ぞろえは悪く『マークス・アンド・スペンサーは中国で考えうる限りの過ちを犯した』と指摘するメディアもある」と伝えた。

一方、「消費者の間には『マークス・アンド・スペンサーの食品類はとてもおいしい』との声もある」とし、「中国では売上高の半分を食品が占めており、最も成長が期待される分野だった。 しかし、撤退を決めた今、同社にとっては 1 つの区切りを迎えたということだろう。」と伝えた。 (RecordChina = 1-22-18)


中国春節切符争奪、スマホ販売大半 あきらめの農民工も

【上海・林哲平】 中華圏の旧正月「春節(2 月 16 日)」まで 1 カ月を切った中国では帰省に向けた鉄道の切符の販売がピークを迎えている。 数億人が参加する激しい争奪戦は、急速な IT 化を反映しインターネットによる販売が大半を占める。 便利さによって長蛇の行列が減る一方、ネットを使いこなせない一部の出稼ぎ労働者「農民工」には、待ち望んだ家族との新年をあきらめざるを得ない人も出ている。

「何時の列車でも構わない。 1 枚だけでいいんだ。」 上海駅の切符売り場で劉月英さん (62) は窓口に向かって、何度も繰り返した。 妻と孫が暮らす町に近い湖北省武漢市までの 150 元(2,600 円)の切符を買うため、駅に通って 3 日目。 だが端末を検索した女性係員は「没有(ないです)。」 劉さんは後ろの客にせかされ、やむなく窓口を離れた。 「他に買える場所がない。 昔は朝早く並べば買えたんだ。」

中国国鉄の規則では発売開始はインターネットと電話では乗車 30 日前からだが、駅窓口は 2 日遅い。 春節前からは発売数分で完売となることが多い。 中国メディアによると、14 日までに発売された春節期間の切符 1 億 3,300 万枚のうちネット販売が 78% を占めた。

その多くがスマートフォンのアプリ経由だ。 事前に予約を受け付け、発売と同時に自動的に注文の接続を繰り返す。 あるアプリでは 50 元(850 円)を払えば接続頻度が 4 割アップする機能もある。 「何でも金を要求してくる。 切符を確保したいから払うけれど。」と大学生の周士明さんは笑う。 ネットで買えば自動発券機で切符を入手できるため、駅係員によると窓口の列は短くなった。 だが「スマホは電話と微信(中国の SNS)しか使えない」劉さんにはチャンスは乏しい。

中国政府系機関の調査ではネットは全人口の 53% に当たる 7 億人強(2016 年)に普及した。 一方、高齢者を中心に地方出身労働者にはネットを使えないか、限られた機能の利用にとどまる人も少なくない。 春節には農民工専用列車が走るなど、救済策も用意されているが利用できる人は一部だ。 高速鉄道の作業現場で働く 60 代の男性は「春節に帰るのは無理だ。 1 年ぶりに孫の顔を見たかった。」と話し、駅を後にした。 (mainichi = 1-20-18)