小林製薬の紅麹問題でオアシスが株主代表訴訟 135 億円の賠償請求 香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」は 7 日、小林製薬の旧経営陣に約 135 億円の損害賠償を求める株主代表訴訟を大阪地方裁判所に提起したと発表した。 紅麹サプリメントによる健康被害問題を巡って、取締役が実効的な対応策をとらなかった責任を問うとしている。 提訴は 3 日付で、対象となったのは創業家の小林一雅元会長と章浩元社長、山根聡前社長、元社外取締役の伊藤邦雄・一橋大名誉教授ら計 7 人。 小林製薬の品質管理体制や危機対応に不備があったことは、取締役の善管注意義務違反にあたると主張している。 オアシスは昨年 12 月時点で小林製薬株の約 1 割を持つ第 2 位株主。 昨年 11 月、この 7 人を会社側から提訴するよう求めたが、小林製薬は「法令違反は認められない」として拒否していた。 (清井聡、asahi = 4-7-25) ◇ ◇ ◇ 小林製薬の取締役ら 7 人を提訴へ オアシス、110 億円損害賠償要求 小林製薬の紅i麹サプリメントによる健康被害問題の発覚時、取締役だった 7 人が実効的な対応策をとらなかったなどとして、香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」は 28 日、7 人に対して約 110 億円の損害賠償を求めて提訴すると発表した。 健康被害の拡大を防止する義務を怠ったなどと主張している。 オアシスは昨年 11 月、創業家の小林一雅元会長と章浩前社長、山根聡社長、一橋大名誉教授の伊藤邦雄氏ら社外取締役 4 人の計 7 人を、提訴するよう小林製薬に求めた。 同社は「法令違反は認められない」として拒否。 オアシスは会社法に基づき、株主代表訴訟を起こすと決めた。 同社は昨年 12 月時点で小林製薬株の 10.10% を持っている。 創業者兼最高投資責任者のセス・フィッシャー氏は「取締役らの善管注意義務違反に対する責任の追及を通して、再発防止の徹底を促す」と文書でコメントした。 (渡辺七海、asahi = 1-28-25) ◇ ◇ ◇ オアシス、小林製薬に創業家らの提訴要求 100 億円超の賠償求める 小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害問題を受け、香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」が同社に対し、問題発覚時の取締役全 7 人を訴えるよう要求していることが 3 日、分かった。 会社に与えた計 100 億円超の損害の賠償を求めることを主張しているという。 オアシスは「物言う株主」として知られ、11 月 19 日までに小林製薬の 7.54% の株式を所有。 小林製薬によると、創業家の小林一雅元会長と小林章浩元社長、山根聡現社長、一橋大名誉教授の伊藤邦雄氏ら社外取締役 4 人の計 7 人を提訴するよう監査役 4 人に求める文書を、11 月 22 日に送ってきたという。 会社が訴えを起こさない場合、オアシスが自身で株主代表訴訟を起こすことができる。 同社は「会社法に基づき、監査役が調査検討して判断する」とコメントした。 同社は 11 月上旬の段階で、紅麹サプリ問題による損失を計 101 億円と見積もっている。 オアシスは 11 月 29 日付で、小林製薬に対して臨時株主総会の招集を請求。 紅麹サプリ問題の調査役として弁護士を、新しい社外取締役に元検事や医師ら 3 人を、それぞれ選任するようにも求めている。 (渡辺七海、asahi = 12-3-24) 紅麹サプリ問題、健康被害の補償進まず 小林製薬、上場以来初の減益 小林製薬は 10 日、2024 年 12 月期決算の説明会を開き、紅麹サプリメントによる健康被害への補償がなかなか進んでいない現状を明らかにした。 海外ファンドと委任状争奪戦を繰り広げている 19 日の臨時株主総会については、ファンド案への反対姿勢を改めて明確にした。 この日発表した 24 年 12 月期決算は、売上高が 1,656 億円(前年比 4.5% 減)、営業利益が 248 億円(同 3.6% 減)。 純利益は 100 億円(同 50.5% 減)で、1999 年の上場以来初めての減益となった。 広告中止や通信販売の解約で売り上げが落ちた。 製品の回収・補償費用で 127 億円の特別損失を計上したことも響いた。 特別損失は、▽ 一般向けのサプリの回収、▽ 企業向けの紅麹原料の回収・補償、▽ 健康被害への補償 - - の三つの費用を各 40 億円強とみて算定した。 サプリの回収はほぼ終わったが、原料回収・補償については 300 社強と協議し、合意できたのは半数弱という。 病院での検査費用や通院費などの支払いは進めている一方、休業補償や慰謝料など健康被害への本格的な補償については、まだ支払いは始まっていない。 補償に関する問い合わせは約 1,200 人からあり、約 770 人から申請を受け付けた。 「治療中の人が相当数おり、『半年後に検査する』となれば、そこまで(金額の)算定ができない。 きちんとやるのは時間がかかる。(小林章浩・担当取締役)」としている。 また、関連死を疑っての相談は 130 人分あり、125 人の調査を終えたが、サプリ摂取が明らかな原因となった事例はまだないという。 25 年 12 月期の業績予想は、売上高は 1,710 億円(前年比 3.3% 増)、営業利益が 140 億円(同 43.7% 減)、純利益は 105 億円(同 4.3% 増)を見込む。 テレビ CM などの広告を 4 月以降に再開するほか、特別損失の追加計上があっても、資産売却などで今後も純損益は黒字にする方針。 25 年を最終年度とする中期経営計画は撤回し、8 月にあらたな計画を示す予定という。 新社長に内定した豊田賀一・国際事業本部長はこの日、初めて記者会見に出席。 「連続増益にこだわるあまり、必要な投資が後ろ倒しになっていたという反省がある。 持続的に成長していくために、成長投資も行っていく」と話し、不採算事業の見直しも進めていく方針を示した。 小林製薬株の約 10% をもつ香港ファンド「オアシス・マネジメント」の求めに応じ 19 日に開く臨時株主総会については、問題の再調査や 3 人の社外取締役の選任を求めるオアシスの提案に反対するよう、改めて株主に呼びかけた。 木村孝行執行役員は、会見で「すでに多角的な視点で調査を行っており、再び大規模な調査をすれば、今やろうとしている補償や再発防止策の推進に影響がでる」と語った。 オアシスが批判する創業家の小林章浩氏の取締役留任方針については「創業家だからという忖度(そんたく)はない(豊田賀一執行役員)」とした。 オアシスの設立者兼最高投資責任者のセス・フィッシャー氏は 6 日にオンラインで会見し、小林製薬の人事案について「オアシスの提案を拒否しているだけ」と批判。 創業家の章浩氏が取締役の一人として残る案に対し、「創業家からの脱却を目指すと公言しているが、その言葉と一致していない」と批判していた。オアシスは、健康被害問題の発覚当時に小林製薬の取締役だった7人に対して100億円超の賠償を求める株主代表訴訟を近く起こす方針だ。 (清井聡、渡辺七海、asahi = 2-10-25) 小林製薬、補償受け付け開始 紅こうじサプリ、医療費や慰謝料 小林製薬は 19 日、紅こうじサプリメントとの関連が疑われる健康被害を受けた人に対し、医療費や慰謝料などの補償の受け付けを開始した。 対象は「サプリの摂取と腎関連疾患およびその他の症状の間に、相応の因果関係が認められる人」としている。 摂取によって死亡した人は別途対応する。 補償のうち、医療費や病院への交通費は随時支払う。 慰謝料や後遺障害によって将来得られた収入が減少した場合の逸失利益、休業補償は会社側が提示する内容に同意すれば支払われる。 補償申請の連絡先は通話無料の「紅麹関連製品お客様対応センター」、電話 (0120) 663272。 受付時間は土日祝日を含む午前 9 時 - 午後 9 時。 (kyodo = 8-19-24) 小林製薬、新たに 11 件の報告漏れ 紅麹サプリの健康被害問題 小林製薬は 13 日、同社の紅麹サプリの健康被害問題で、厚生労働省への報告漏れが新たに 11 件見つかったと発表した。 山根聡社長は記者会見で「確認体制にいたらぬ点があった」と謝罪し、被害の把握や報告に関わる人員を増やす方針を示した。 同社によると、報告漏れがあったのは、遺族から寄せられた死亡事例の相談。 「自社製品との関連性が否定できない場合は広く厚労省に報告する」とする取り扱いが社内で徹底できておらず、漏れが生じていた。 今月から始める本格的な被害補償にあたり、相談データの再点検を進めているうちに見つかったという。 現在、この 11 件の死亡例のうち 5 件は同社サプリの摂取がなかったことを確認し、2 件は摂取の有無を精査中。 残り 4 件は医師などへの詳細調査に回す予定という。 今回の健康被害を巡っては、小林製薬が健康被害を最初に把握してから厚労省への報告が 2 カ月かかったことに加え、6 月下旬には把握した死亡相談の事例をすべて報告していなかったことも判明。 7 月には紅麹原料の販売先の報告漏れも見つかっていた。 報告の不備が相次ぐことについて山根社長は「それぞれ事情が若干異なる。 今回のものについては事案が発覚してからの大混乱の中で人員体制が追いつかないところがあったと思う。」と語った。 (清井聡、asahi = 8-13-24) 小林製薬の紅麹問題、新たに 76 人死亡疑い 因果関係を調査中 小林製薬の紅麹原料を使ったサプリメントをめぐる健康被害の問題で、厚生労働省は 28 日、小林製薬に報告された摂取後の死者数が 79 人いたと発表した。 そのうち 3 人は死亡と摂取との関連がないとすでに判断されている。 残り 76 人について、小林製薬が因果関係を調べている。 これまで死者数は 5 人と公表していた。 武見敬三厚労相は会見で「(小林製薬に対し)死亡者数の確認をしたにもかかわらず、報告をしなかったことは極めて遺憾だ」と述べた。 日本腎臓学会の調査では、サプリ摂取後に健康被害を訴えている人の多くで、腎臓の中にある尿細管という部分がダメージを受けることで起こる「ファンコニー症候群」を疑う症状や検査結果がみられている。 (asahi = 6-28-24) 機能性成分が青カビで変化 紅麹問題「未知の成分」、国の解析で判明 小林製薬の紅麹サプリの問題で、プベルル酸以外に「未知の成分」とされた二つの物質の化学的な構造を、国立医薬品食品衛生研究所(国衛研)が小林製薬と近畿大と共同で解明し、論文に発表した。 この 2 物質は、紅麹サプリの効能にも関わる「機能性成分」そのものが、青カビの作用で変化してできたものと見られる。 2 物質の構造がわかったことで、毒性や機能性成分がどの程度変化したのかなどの解析がしやすくなる。 論文は ジャーナル・オブ・ナチュラル・メディシンズ に掲載された。 国衛研が中心となり、小林製薬の中央研究所に保存されていた原料など 3 年分の 29 サンプルを解析した。 このうち、7 サンプルから未知の 2 物質が見つかった。 いずれも、のんだ人に健康被害が出たとされる期間のサンプルで、天然にはない文字通りの新しい物質だった。 この物質が検出されたサンプルからは、青カビが作る有毒なプベルル酸も検出された。 未知の 2 物質の化学的な構造がわかったことで、これらが生じた理由も見えてきた。 2 物質はそれぞれ、今回のサプリ「紅麹コレステヘルプ」の機能性成分である「モナコリン K」と構造が類似していた。 厚生労働省によると、モナコリン K には抗菌作用があり、青カビがモナコリン K の抗菌作用を無力化するために働きかけた結果、一つ目の未知の物質が生じたと推定される。 この物質がさらに変化して二つ目の物質ができた可能性が高い。 機能性成分が変化して未知の 2 物質ができたことが推定されることから、この物質の性質や量によっては、サプリの効能にも影響した可能性がある。 厚労省によると、プベルル酸を作る青カビは、紅?サプリが作られていた工場から検出されている。 小林製薬によると、出荷前の段階で機能性成分の量が規格にあっているかは調べていたが、ほかの成分まで調べる態勢にはなかったという。 (竹石涼子、asahi = 6-14-24) 健康被害の紅麹サプリ 3 製品、約 15 万 8 千個を回収 大阪市が発表 小林製薬(大阪市)の紅麹サプリメントを摂取した後に健康被害が相次いだ問題で、大阪市は 29 日、市が回収命令を出している3製品について、前日時点で約 15 万 8 千個を回収したと発表した。 あわせて、回収の見込み数を約 100 万個から約 19 万個に修正したと説明。 このため、約 8 割が回収済みだとした。 29 日に開かれた市の対策本部会議で報告された。 会議では、小林製薬の報告として現時点で回収の見通しが立つ商品は、未販売だった在庫品約 10 万個や店頭販売された製品約 5 万個など、計 19 万 1 千個とした。 これを回収の目標数として、「回収の最終到達は 9 月くらい」との見通しが示された。 当初、市は商品の出荷数量として約 100 万個という数字を示していたが、横山英幸市長は同日、「製品が販売されてから 4 年間経っており、(差分は)すでに服用されている、もしくは廃棄されていると考えている。 (約 19 万個は)根拠を持った数字だ」と述べた。 一連の健康被害の原因究明では、厚生労働省が 28 日、原料をつくる前の段階にあたる紅麹菌の培養過程で、工場内の青カビが混入したとの見方を示している。 29 日の市の会議では、4 月に市が原料を製造していた大阪工場でふきとり検査をしたと説明。 その結果、工場内の培養室など 5 カ所から青カビが確認されたことを明らかにした。 横山市長は「(工場での製造)当時、青カビが生成していた可能性がある」としつつも、「青カビが何らかの形で混入したかどうかまで断定できるものではない」と述べた。 (原田達矢、asahi = 5-29-24) プベルル酸が腎臓尿細管「壊死」引き起こすと確認 紅麹問題で厚労省 小林製薬(大阪市)の機能性表示食品の紅麹サプリメントを摂取した後に健康被害が相次いだ問題で、厚生労働省は 28 日、健康被害のあった原料から検出されていた青カビ由来の「プベルル酸」が、腎臓の尿細管の壊死を引き起こす作用があることを確認したと公表した。 厚労省は原料を作る前の段階にあたる紅?菌の培養過程で、工場内の青カビ (Penicillium adametzioides) が混入したとみている。 健康被害を調査している日本腎臓学会によると、多くの患者で腎臓の中にある尿細管がダメージを受けることで起こる「ファンコニー症候群」を疑う症状や検査結果がみられている。 小林製薬は、健康被害が報告されている製品にプベルル酸が含まれていたことを公表していたが、腎臓への影響は不明だった。 厚労省は原因究明のためにさらなる調査が必要と判断し、国立医薬品食品衛生研究所と大阪健康安全基盤研究所が合同で、健康被害が確認された製品の原料を過去にさかのぼって分析した。 厚労省によると、実験用のラットにプベルル酸や、サプリの製品を与えて、腎臓への影響を調べたところ、尿細管の壊死がみられた。 ただ、低濃度で繰り返し投与したときの影響はこれから調べていくため、厚労省の担当者は「現時点ではプベルル酸が原因とは断定できない」と話す。 また、健康被害が多く報告されている 2023 年 6 - 8 月に製造された原料から、プベルル酸以外に、青カビが混入した可能性を示す二つの物質も検出された。 これらは、紅麹菌と青カビが一緒に培養されることでつくられたとみられる。 健康被害が報告された原料を作っていた同社の大阪工場は、老朽化が原因で昨年 12 月に閉鎖された。 設備は和歌山工場に移設されているが、いずれの工場からも青カビが検出された。 厚労省は今回の結果を踏まえ、消費者庁と 5 月末までに対応策をまとめる。 機能性表示食品に関して、健康被害の情報があった場合の報告の義務化などをする方針だ。 小林製薬が医師から健康被害の疑いがあると最初に報告を受けたのは 1 月 15 日。 その後も複数の医師から照会を受けたが、原因究明をしていたため、行政への最初の報告は 3 月 21 日で、2 カ月も遅れた。 4 月の段階では新たに複数の意図しない成分が検出されたという中間報告を公表していた。 だが、厚労省は「浴槽いっぱいの水から耳かき半分の量の物質を見つけ出すようなもの」として、成分の特定には時間がかかると説明していた。 (足立菜摘、asahi = 5-28-24) プベルル酸以外に「複数の化合物検出」 紅麹サプリ原料の中間分析 小林製薬(大阪市)の紅麹成分を含むサプリメントをめぐる健康被害の問題で、厚生労働省は 19 日、健康被害の報告があった製品の原料から、プベルル酸に加え、本来の製品に含まれていない複数の化合物が検出されたと発表した。 厚労省は引き続き、検出された物質の特定やこれらの物質が混入した原因の究明を進める。 これまでの小林製薬の分析で、健康被害の情報がある製品に、プベルル酸という毒性の高い成分が含まれていたことが明らかとなっていた。 国立医薬品食品衛生研究所でも分析を進めており、厚労省の中間報告によると、健康被害の情報がある昨年 6 - 8 月の原料品ロットから、プベルル酸のほか、本来は含まれていない複数の化合物が検出された。 物質名の特定には至っておらず、検出された成分の正確な構造や毒性を調べ、紅麹菌がつくるものなのか、他のカビなどの混入によるものなのか、原因を突き止めていくという。 厚労省によると、摂取後に報告された健康被害は、18 日までに亡くなった人は 5 人、入院した人は 240 人。 日本腎臓学会の報告では、昨年 12 月から今年 3 月に体調不良を訴えて受診した人が集中している。 (後藤一也、asahi = 4-19-24) 小林製薬「紅麹サプリ」摂取で緊急入院した 40 代女性 診断は "ファンコニー症候群" 小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した人に健康被害が出ている問題。 「想定されていない成分を含む可能性がある」と発表された製造ロットのサプリを飲み、緊急入院した女性が CBC テレビの取材に応じました。
こう話すのは、愛知県内に住む 40 代の女性。 1 年近く前から、小林製薬の紅麹サプリを飲んでいました。
健康のため 1 日 3 粒、ほとんど欠かさず飲み続けていましたが、ことし 2 月、体に異変が起きました。 吐き気や食欲不振…小林製薬の会見があって「あっ、これかも?」と
強い吐き気で食べられなくなり、わずか 1 か月ほどで体重は 7 キロ減少。 かかりつけ医に処方された薬を飲んでも、症状は改善しませんでした。
2 月に飲んでいたサプリを見せてもらうと。
体調に異変が起きたあとも原因が分からず、飲み続けていたというサプリ。
小林製薬が「想定されていない成分を含む可能性がある」と発表した製造番号でした。 診断された「ファンコニー症候群」とは? 症状が改善しない女性は 3 月、名古屋市立大学病院を受診しました。
診断は「ファンコニー症候群」。 腎臓の尿細管から必要な栄養分などを吸収できなくなる病気で、日本腎臓学会の調査でも、小林製薬のサプリを飲んで健康被害を訴えた人の大半が、同じ診断を受けています。 尿細管が … 言ってみれば「"焼野原" の状態」 女性の腎臓の組織を染色した画像を見ると。
尿細管が青く染まり、広くダメージを受けていることが分かります。 女性は緊急入院し、サプリの服用もやめて症状は改善に向かっているといいます。
医療費は 20 万円近く … 小林製薬には「誠意のある対応をしてほしい」 今後も通院は続き、女性は不安をぬぐえません。
これまでにかかった医療費は 20 万円近く。 小林製薬は診断書を送るよう連絡してきましたが、医療費の負担についてはまだ何も決まっていないと言います。
9 月製造の紅麹サプリ原料でプベルル酸検出最多 入院は 177 人に 小林製薬(大阪市)の紅麹(こうじ)原料を使用したサプリメントが原因と疑われる健康被害の問題で、昨年 9 月に製造された原料のサンプルから「プベルル酸」が最も多く検出されていたことがわかった。 小林製薬が厚生労働省に提出した資料に記載されていた。 外部からカビなどが混入した可能性も含め、厚労省などは慎重に原因を調べている。 資料は非公開で行われた先月 28 日の厚労省審議会に小林製薬が提出した。 この一部を抜粋した厚労省の資料によると、小林製薬は昨年以降に製造された原料のサンプルを分析。 健康被害のあった一部の製品から見つかり、当初「未知の成分」と呼んでいたプベルル酸は、昨年 9 月に製造されたロットの原料に最も多く含まれていた。 9 月製造の原料を使ったサプリメントでは、入院症例の健康被害も報告されている。 プベルル酸が含まれていた時期について、小林製薬は「昨年 4 - 10 月に製造された製品でちらばって(検出されて)いる」と説明する。 プベルル酸は、青カビがつくる物質として知られ、厚労省の担当者は「毒性は高い」と説明する。 ただ、今回の健康被害で多く報告されている腎疾患との関連はわかっていない。 プベルル酸が検出された理由も明らかでなく、同社は紅麹がこの成分をつくる可能性は低いとみている。 何らかの理由で他のカビが混じった可能性も含め、原因を調べている。 プベルル酸が検出された原料が製造された大阪工場は昨年 12 月、老朽化を理由に閉鎖された。 製造設備は、子会社の和歌山工場に引き継がれ、製造を続けていた。 昨年 11 月以降に製造された原料からはプベルル酸は検出されていない。 食品衛生法に基づき、厚労省と自治体は先月、大阪工場と和歌山工場に立ち入り検査をし、食品衛生監視員らが記録や製造工程を確認した。 ただ、大阪工場は現在は倉庫として使われており、主に記録の確認にとどまったという。 現在、小林製薬が保管している過去 3 年分の製品について、国立医薬品食品衛生研究所が中心となって成分を分析し、プベルル酸以外の可能性も含めて原因を調べている。 プベルル酸が検出された理由や毒性などについても検証する。 健康被害の報告件数について、厚生労働省は 3 日、2 日時点で 177 人が入院し、998 人が医療機関を受診した、と同社から報告を受けたと発表した。 死者 5 人は変わっていない。 (後藤一也、asahi = 4-4-14) 紅麹サプリ摂取後の腎障害 47 例 服用から短期間の発症も 腎臓学会 小林製薬(大阪市)の紅麹(こうじ)原料を使用したサプリメントが原因と疑われる健康被害が相次いでいる問題で、日本腎臓学会は1日、サプリ摂取後に腎障害を起こした患者 47 人の分析結果を公表した。 尿細管間質性腎炎、尿細管壊死(えし)、急性尿細管障害などの病気になったケースが確認され、服用から短期間での発症もあった。 死亡例はなかった。 同学会は問題発覚後、会員医師らにアンケートを実施。 3 月 31 日までに報告のあった症例について取りまとめた。 47 人のうち、ほとんどが「紅麹コレステヘルプ」をのんでいたが、同社が製造したサプリ「ナイシヘルプ + コレステロール」をのんでいた人も 1 人いた。 患者の年齢は 30 - 70 代で、40 - 69 歳が約 9 割を占めた。 女性が 66% だった。 サプリをのみ始めた時期は約 4 割が 1 年以上前の 2023 年 3 月以前。 ただ 23 年 12 月、今年 1、2 月といったのみ始めから短い期間の人もいた。 医療機関の受診は 23 年 11 月が最も早く、今年 1 月以降が約 8 割を占めた。 症状は半数以上で倦怠感や食欲の低下、尿の異常、腎機能障害があった。 検査結果では、低カリウム血症、低リン血症、低尿酸血症、尿糖の陽性、クレアチニンの上昇、尿たんぱくなどの異常がみられたという。 治療は、4 分の 1 が薬物治療を受け、4 分の 3 ほどはサプリの服用中止のみだった。 2 例が透析治療を受けたが、1 人はすでに透析の必要がなくなっており、もう 1 人は 23 年 3 月以前に服用を中止しており、主治医は「関連性は低い」としているという。 同学会は、健康被害とサプリとの因果関係について「科学的な検証が必要と考えている」としたうえで、サプリメントの服用を中止し、腎機能検査や尿たんぱく、尿糖や血清カリウム値、尿酸値、リン値などの測定が重要、などと指摘している。 また厚生労働省は 1 日、小林製薬から 3 月 31 日時点で死者が 5 人、入院した人が 157 人、医療機関を受診した人が 786 人いると報告を受けたと発表した。 (土肥修一、後藤一也、asahi = 4-1-24) 小林製薬の製造工場に立ち入り検査 厚労省と大阪市、紅麹サプリ問題 小林製薬(大阪市)の紅麹原料を使用したサプリメントが原因と疑われる健康被害が相次いでいる問題で、厚生労働省と大阪市は 30 日午前、食品衛生法に基づき、原料を製造していた同社の大阪工場(大阪市淀川区)への立ち入り検査を始めた。 一連の問題を受けて、国が同社の関係先に立ち入り検査を行うのは初めて。 小林製薬などによると同工場は 1940 年から操業しており、サプリメントの原料となる紅麹が製造されていたが、昨年 12 月に閉鎖。 現在は人手や機材も大阪府外に移転しているものの、厚労省や大阪市は工場内に残っている一部の資材などから、健康被害の原因究明につなげたい考えだ。 同社の担当者は記者団に「誠実に対応し、しっかりと協力していきたい」と話した。 大阪市はすでに同社に対し、販売していた紅?成分を含む 3 製品の回収を命じている。 回収を確認し次第、市は廃棄の命令も出す方針。 立ち入り検査は 31 日にも、大阪工場に続いて同社の和歌山県の工場でも実施される予定。 (原田達矢、asahi = 3-30-24) 青カビからできるプベルル酸、「毒性非常に高い」 腎臓への影響調査へ 健康被害が生じた製品のロットから青カビが生成する「プベルル酸」が検出されたと、厚生労働省や小林製薬が明らかにした。 これまで小林製薬は「未知の成分」と説明していた。 なぜ検出されたのかは不明で、健康被害との関係も明らかになっていない。 プベルル酸は、トロポノイドと呼ばれる化合物の一種で、青カビからできる。 今回の健康被害では、腎臓の病気が多く報告されているが、腎臓への影響はわかっていない。 厚労省の担当者は「マラリア原虫を殺すような活性があり、毒性は非常に高い」と説明する。 プベルル酸について研究した北里大学の研究者らの 2017 年の論文によると、マウスに一定量(体重 1 キロあたり 5 ミリグラムを 2 回)注射したところ、5 匹中 4 匹が、3 日目までに死亡するなど毒性があることも報告されている。 香川大農学部の川村理教授(食品衛生学)によると、カビがつくる毒は 400 種類、多種多様なものがあり、下痢や嘔吐をおこすものから肝臓がんの原因になるなど、さまざまな体への影響が知られている。 そのなかでも腎障害につながるものとして、紅麹菌がつくる「シトリニン」や、別の種類の菌がつくる「オクラトキシン A」というカビ毒がよく知られている。 今回のプベルル酸は専門的なカビ毒の本にも載っていないため、カビ毒と認知されていない物質とも考えられるという。 「製造過程でカビや微生物が入った可能性も」 奈良先端科学技術大学院大学の小野直亮准教授(生物情報学)は「小林製薬で使っている紅?菌の株の遺伝子は過去に解析しており、カビ毒のシトリニンをつくることができないことを確認している。 他のカビ毒をつくる遺伝子がないか再確認しているが、いまのところ見つかっておらず、紅?菌自体が毒素をつくった可能性は低いと思う。 製造過程で異なるカビや微生物が入ってきた可能性がある」と説明する。 小林製薬も 29 日の会見で、紅麹菌がつくる可能性は考えにくいとした上で、「青カビによって生成されるものだけに、カビが生えるところがないか、和歌山工場でラインを総点検している」とした。 今後、国立医薬品食品衛生研究所が中心となり原因究明にあたる。 小林製薬が保管している過去 3 年分のサンプルを順次調べていく。 プベルル酸が健康被害の原因となった可能性はあるが、それ以外の物質が原料に含まれている可能性もある。 また、なぜ検出されたのかもわからない。 研究所では網羅的に成分を調べ、紅麹菌がプベルル酸をつくる可能性があるのか、あるいは青カビが何らかの理由で混じったのか、「発生原因」を調べていく。 同時に、プベルル酸の「毒性」を調べる必要がある。 腎臓への影響はあるのか、どれくらい摂取したら症状が出るのか、動物実験や、場合によっては実際の患者の検体を使って調べていく。 厚労省の担当者は「今後必要な行政上の措置を講ずる必要があるか見極めるため、国が責任をもって判断していかないといけない」と話す。 (野口憲太、鈴木智之、神宮司実玲、asahi = 3-29-24) サプリから青カビ由来成分 「紅麹」巡る死者 5 人 - 小林製薬、社長が謝罪 小林製薬は 29 日、紅麹(べにこうじ)を配合したサプリメントによる健康被害で、新たに 1 人の死亡報告を遺族から受けたと発表した。 サプリ摂取との関連が疑われる死亡者は 5 人目。 厚生労働省は同日、紅麹サプリから青カビ由来の化合物「プベルル酸」が検出されたと発表した。 来月 5 日までの報告要請 小林製薬製の紅麹原料製品 - 173 社を公表・厚労省 小林章浩社長は大阪市内で記者会見し「社会問題に発展していることを深くおわびする」と謝罪。 進退については「今のところ考えていない」と述べた。 小林製薬の説明によると、死亡した 5 人には 70 - 90 代の男女が含まれ、一部の遺族とは補償について話を始めた。 入院者、通院者、通院希望者に対しては、少なくとも治療費を負担する方針。 海外の被害者にも日本と同等の対応を行うという。 健康被害が起きた原因について、同社は「想定していない成分の構造体はだいぶ見えている」、「カビ由来の成分が原因の可能性はある」と説明した。 ただ、原因の特定には至っておらず、国立医薬品食品衛生研究所に商品サンプルと情報を提供し、究明を急ぐ。 小林氏は経営責任について、健康被害への対応が最優先とした上で「原因を究明し再発防止策を取る。 リーダーとしてしっかり進めていきたい。」と語った。 「許されるのであれば商品開発をしていきたい」と述べ、ヘルスケア事業を継続したい意向も示した。 同社によると、紅麹サプリ摂取後の入院者は延べ 114 人、通院者と通院希望者は計約 680 人に上り、健康被害の相談は累計で約 1 万 5,000 件寄せられている。 大阪市は食品衛生法に基づき同社に商品の回収を命令。 原料として紅麹を小林製薬から購入した食品メーカーなども商品の自主回収を急いでいる。 紅麹の原料供給先は 52 社で、商社などを通じた最終販売先は 170 社を超える。 小林製薬は自主回収費用などを補償する方針で、自社分と合わせた費用は公表していた 18 億円を上回る見通しだ。 (jiji = 3-29-24) 紅麹サプリ、死者は 2 人に 106 人が入院 厚労省「被害は増える」 小林製薬(大阪市)製の紅麹(こうじ)原料を含むサプリメントが原因とみられる健康被害が相次いでいる問題で、厚生労働省は 26 日夜、摂取した 2 人が死亡、106 人が入院していると発表した。 同日夕、同社から聞き取りを実施した結果、判明した。 同社の窓口には約 3 千件の相談が寄せられているといい、厚労省の担当者は「被害症例は増えていくと考えられる」としている。 厚労省や消費者庁、農林水産省などの関係省庁は、27 日午後に連絡会議を開き、今後の対応を確認する。 同社は 1 月中旬に最初の健康被害の報告を受け、原因の調査をしていたが、行政への報告は遅れ、厚労省に報告されたのは 3 月 22 日だった。 厚労省はその後、同社に対し、詳細な情報を提供するよう求めたが、「情報をなかなか得ることができなかった」として、26 日に同社の担当者を厚労省に呼び、聞き取り調査を実施した。 同社は 26 日に、摂取した 1 人が腎疾患で死亡したことを公表したが、さらに同日中に別の 1 人の死亡もわかったという。 厚労省は亡くなった 2 人の詳細な情報を明らかにしていないが、後に判明した1人も「腎臓にダメージがある」と医師がコメントしていたという。 また、聞き取り調査時点で入院治療を必要とした人が 106 人おり、同社の問い合わせ窓口には約 3 千件の患者相談が寄せられているという。 健康被害の原因となった物質はまだ特定できていないが、多数の健康被害や 2 人の死亡が確認されていることから、厚労省は食品衛生法上の「有害な物質が含まれており、健康被害が生じた」事態と考えられると判断。 同法 6条に違反するとして、同社のある大阪市に対し、紅麹成分を含む 3 製品の廃棄命令を出すよう通知した。 廃棄命令の対象となったのは、いずれも紅麹を原料とするサプリメントで「紅麹コレステヘルプ」、「ナイシヘルプ + コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒 GOLD」。 厚労省は今週中にも専門家による調査会を開き、引き続き同社に対して調査状況の報告を求めていく。 (後藤一也、asahi = 3-27-24) 紅麹は毒作る菌も、日本では無毒の菌を利用 健康食品で近年注目 健康被害が相次いで報告されている小林製薬の「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」。 紅麹そのものは広く食用に使われてきた一方で、海外では過去に紅麹を使ったサプリメント摂取が原因と疑われる健康被害も報告されていた。 紅麹とはいったい、どのようなものなのか。 紅麹は、蒸した米に紅?菌を混ぜ入れ、発酵させたもの。 発酵で赤い色素が生まれる。 伝統的に、中国の酒や沖縄の「豆腐よう」などを作るのに使われてきた。 近年は、悪玉コレステロールとも呼ばれる、血中の LDL コレステロールを下げる作用が期待される成分が紅?に含まれていることなどから、健康食品の素材としても使われるようになった。 食品安全委員会によると、欧州では、紅麹で発酵させた米に由来するサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害が報告されている。 欧州連合 (EU) の行政を担う欧州委員会は 2014 年、紅麹菌が作り出す有毒な化学物質「シトリニン」について、基準値を設定しサプリメントを規制した。 19 年には、基準値をさらに引き下げ、規制を強化している。 また 14 年には、スイスは紅麹を成分とする食品の販売を禁止し、フランスはそうしたサプリメントを利用する際は医師に相談するよう呼びかけた。 ただ、小林製薬では、シトリニンを作らない菌株を使っていたといい、2 月に行った原料全ロットの分析でもシトリニンは不検出だった。 同社は16年にグンゼから、紅麹に関する製造販売事業を譲り受けた。 伝統的固体発酵法による大量培養の製法を開発。 紅麹菌を米に植え付けて培養し、加熱して粉砕し保管。成分が一定になるよう混合した上で再加熱し、包装して紅?原料を完成させていた。原料の製造は自社工場で、サプリは協力工場に原料を供給して作っていたという。 同社が「紅?コレステヘルプ」を発売したのは 21 年。 紅麹由来の成分を関与成分とした機能性表示食品は制度発足以来初めてだった。 製造した紅麹原料は、サプリメント用のほかに食品や食品の着色、風味付け用として企業向けに販売していた。 同社によると、食品用の原料はサプリメント用とは別種で、健康被害に関連するとみられている未知の成分は見つかっていないという。 紅麹菌由来の製品では、食品添加物のベニコウジ色素があり、幅広く食品に使われている。 ただし、これは紅麹菌の培養液から抽出した色素で、問題になっている紅?原料とは別のもの。食品衛生法に基づく食品添加物公定書で不純物の上限など規格基準が定められている。 (大村美香、寺田実穂子、asahi = 3-26-24) 小林製薬の「紅こうじ」、摂取後に死亡か 「因果関係疑い」 1 件発表 小林製薬は 26 日、腎疾患などの健康被害の恐れがあるとして自主回収を呼びかけている「紅こうじ」のサプリメントに関し、サプリ摂取と死亡との因果関係が疑われる事象を 1 件把握したと発表した。 小林製薬によると、2021 年 4 月 - 24 年 2 月にサプリを購入していた利用者が、その後、腎疾患で死亡したという。 想定していない成分を含んだ製品も購入していた。 23 日に遺族からメールで小林製薬に連絡があり、25 日に両者で確認した。 小林製薬は「事実及び因果関係を鋭意確認中だが、速やかな情報開示の観点から報告した」としている。 小林製薬は 22 日にサプリを摂取した人から腎疾患などの健康被害の報告があったとして、商品の自主回収を発表。 24 日までに 26 人の入院が確認されていた。 (妹尾直道、mainichi = 3-26-24) 宝酒造が日本酒 9.6 万本を自主回収 小林製薬の「紅麹」使用 宝酒造(京都市)は 23 日、1 月から全国販売している瓶入りのスパークリング日本酒「松竹梅 白壁蔵『澪(みお)』 PREMIUM〈ROSE〉」計約 9 万 6 千本を自主回収すると発表した。 小林製薬が健康被害の報告があったとして自主回収を進めている「紅麹(こうじ)」を原料に使っており、同社から回収の要請があったという。 宝酒造によると、紅?は日本酒の色を出す目的で使われていた。 対象は 750 ミリリットル入り約 1 万 8 千本と 300 ミリリットル入り約 7 万8千本。 現時点で健康被害は報告されていないという。 問い合わせは電話 0120・222・501 (平日午前 9 時 - 午後 5 時。 30、31 日は対応)。 小林製薬は、紅?の成分を含んだサプリメント「紅麹コレステヘルプ」などを摂取した人から健康被害の報告があったとして、計 5 製品約 30 万個を自主回収すると 22 日に発表。 6 人が腎疾患で入院(5 人は退院)し、7 人が通院しているという。 同社が製造した紅麹のうち、8 割は商社や食品メーカーなど約 50 社に販売したという。 また、食品販売などを手がける「ZERO PLUS (福岡市)」も 22 日、小林製薬が自主回収を進める「紅麹」の成分を原料に使った機能性表示食品「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ 濃厚チーズせんべい」の自主回収を始めた。 担当者によると、15 日に発売し、東北や関西、九州などのスーパーなどで約 700 袋を販売した。 これまで健康被害は確認されていないという。 (渡辺七海、小川裕介、asahi = 3-24-24) 「紅麹」サプリで腎疾患などの健康被害 小林製薬、5 製品自主回収 小林製薬は 22 日、紅麹(こうじ)の成分を含んだサプリメント「紅麹コレステヘルプ」などを摂取した人から健康被害の報告があったとして、5 製品を自主回収すると発表した。 6 人が腎疾患で入院(5 人は退院)し、7 人が通院しているという。 同日に大阪市内で会見を開いた小林章浩社長は「健康を害し、深くおわび申し上げます」と謝罪した。 自主回収するのは、いずれも同社製の紅麹を原料に使った「紅麹コレステヘルプ」の 45 粒入り、60 粒入り、90 粒入りと、テスト販売した「ナイシヘルプ + コレステロール」と「ナットウキナーゼ さらさら粒 GOLD」の計 5 製品約 30 万個。 「紅?コレステヘルプ」は「悪玉コレステロールを下げる」などとうたい、2021 年 2 月に発売。 今年 2 月末までに約 110 万袋を販売した。 全国の 40 - 70 代の男女 13 人が腎疾患などの健康被害を訴え、今年に入ってから本人や医師が同社に連絡した。 うち 2 人は一時的に人工透析が必要になった。 製品の一部に、意図しない成分が含まれている可能性があるという。 健康被害や返品の問い合わせは、同社の通信販売で買った場合は電話 0120・58・5090 (平日午前 9 時 - 午後 5 時)、店舗などで買った場合は、26 日までは電話 0120・5884・12 (平日午前 9 時 - 午後 5 時)。 「紅麹コレステヘルプ」は売り手側の責任で機能を表示した「機能性表示食品」で、販売前に安全性や機能性の根拠などを消費者庁に届ける。 一方、特定保健用食品(トクホ)は、効果や安全性を国が審査し、許可しており、より厳しい。 (諏訪和仁、asahi = 3-22-24) |