駅舎赤く染め「カープ油津駅」に JR 九州も快諾 宮崎

広島東洋カープのキャンプ地、宮崎県日南市にある JR 日南線の油津駅が来年 2 月 4 日から赤く染まり、愛称も「カープ油津駅」になる。 地元からカープを応援しようと市民有志が提案。 乗客が減っている日南線を盛り上げたい、との願いも込められている。

カープは今季、大差で 2 年連続のセ・リーグ優勝を果たしたが、クライマックスシリーズで 3 位の横浜 DeNA ベイスターズに敗れた。 そこで、カープファンの市民有志が「来年こそは日本一を狙う。 その気持ちを日南から表現しよう。」と、白が基調の駅舎を赤く染めてしまうことを発案。 ファンや観光客の名物スポットになれば、存続の危機にある日南線の利用推進にもつながると考えた。 JR 九州も快諾した。 (稲野慎、asahi = 12-9-17)



蒸気機関車「デゴイチ」、44 年ぶりに JR 山口線を走る

「デゴイチ」の愛称で親しまれる D51 形蒸気機関車が 25 日、44 年ぶりに JR 山口線を走った。 新山口駅(山口市)で記念イベントがあり、雄姿を見ようと多くの人でにぎわった。 JR 6 社が提携した大型観光企画「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」の一環。

俳優の六角精児さんが一日駅長に。出発の合図を受け、D51 は汽笛を鳴らし、煙を出しながら動き始めた。 津和野駅(島根県)との間を 1 往復し、26 日は「貴婦人」と呼ばれる C57 と連結して走る。(山本悠理、asahi = 11-25-17)


長崎・出島に 130 年ぶりの橋 秋篠宮ご夫妻が渡り初め

長崎市の国史跡「出島和蘭(オランダ)商館跡」と対岸をつなぐ「出島表門橋」の完成記念式典が 24 日、秋篠宮ご夫妻とオランダ王室のローレンティン妃を迎えて開かれ、渡り初めがあった。 江戸時代に日本と海外をつないだ出島の入り口に、約 130 年ぶりに橋が架かった。

出島は江戸時代に築かれた人工の島で、対岸とは橋で結ばれていたが、1888 年ごろに橋は撤去。 周囲の埋め立ても進められ、市街地の一部となった。 長崎市は 1951 年から街並みの復元に取りかかり、将来的には海で囲まれたかつての姿に戻すことをめざしている。

式典には出島復元に協力してきたオランダの学術関係者などの招待客や市民ら約 800 人が参加。 秋篠宮さまは「表門橋の完成が新たな交流の始まりとなり、4 世紀にわたる日蘭両国、長崎とオランダとの友好関係が更に発展することを祈念します」と述べた。 (山野健太郎、asahi = 11-24-17)


重さ 1 トンの大俵、34 チームが転がす 熊本・玉名

熊本県玉名市で 23 日、「玉名大俵まつり」が開かれた。 重さ 1 トンの大俵を転がす恒例の「俵ころがしレース」には 34 チームが挑戦。 見物客は、コースとなった市役所前の市道で声援を送っていた。

菊池川流域の米の集積地として栄え、米俵を転がして船に積み込んだ歴史にちなむ。 レースは幅 4 メートル、直径 2.5 メートルの大俵を両側のロープを引いて転がし、速さを競った。 決勝は距離 230 メートルで、スタート直後とゴール手前のコーナーに四苦八苦するチームもあった。 (尾立史仁、asahi = 11-23-17)


「インスタ映えの滝」一之釜、一躍観光スポットに 山梨

山梨県山梨市の笛吹川にある滝、一之釜が一躍観光スポットとなり人気を集めている。 今夏、旅行会社が日帰りツアーに組み込むと人気を呼び、インスタグラムなどの SNS で評判が広まった。 同市観光課は「知る人ぞ知る場所だったのに」と驚いている。

一之釜は上流の三富地域にあり、林道を散策しながら川に降りて行くとつり橋があり、三つの滝が楽しめる。 なかでも高さ 21 メートルの男滝が水しぶきをあげて滝つぼに落ちる姿は迫力がある。 山梨市観光協会のホームページには載っているが、これまで訪れる人は少なかった。 ツアーを考え出したのは、阪急交通社国内 2 課の立川弘樹さん (28)。 無名だった千葉県の亀岩の洞窟(濃溝の滝)が人気スポットになったことから、知られていない景勝地を発掘しようと情報を収集。 インターネットで一之釜を見つけ、下見をしてツアーを企画した。 (田中基之、asahi = 11-20-17)


加計獣医学部、新設を認可 文科相「瑕疵はなかった」

学校法人「加計(かけ)学園(岡山市)」が運営する岡山理科大の獣医学部新設について、林芳正文部科学相は 14 日、新設を認可したと発表した。 専門家らでつくる「大学設置・学校法人審議会」が 9 日付の答申で新設を認めていた。 獣医学部は愛媛県今治市で来年 4 月に開学する。 獣医学部の新設は 52 年ぶり。 獣医師を養成する獣医学科の定員は 140 人で、全国の大学で最大規模となる。

加計学園理事長の加計孝太郎氏は安倍晋三首相の友人として知られる。 今回の学部新設は、国家戦略特区を使った規制緩和によって実現したが、その過程で「加計学園が優遇されたのでは」との疑いや、政府の説明の不十分さが指摘されてきた。 開学に至る過程をめぐり、野党が国会で追及を強めるとみられる。

大学設置審は学部新設を認めるかどうか、4 月から非公開で審査。 10 日に公表された審査資料では、大学設置審が新たな獣医師養成の需要や学部の教員組織、実習計画などについて多くの疑問や不備を指摘し、学園側が計画の改善を繰り返したことがわかった。 認可に至る手続きについて林文科相は 14 日の記者会見で、「適切に進められた。 瑕疵(かし、欠点)はなかった。」と述べた。

文科省はこれまで、獣医師が増えすぎないように獣医学部の新設を抑えてきた。 愛媛県と今治市は四国に獣医学部がないことなどから、規制を緩めて学部新設を認めるよう政府に繰り返し要求。 政府は今年 1 月、特区制度を使って「18 年 4 月に開学する 1 校のみ」の学部新設を認め、加計学園が計画を文科省に申請していた。 認可を受け、加計氏は「教職員一同、教育・研究体制の充実に精進し、世界に通用する人材を育成する」との談話を出した。 (根岸拓朗。asahi = 11-14-17)


群馬の最北端で見た新たな「観光資源」の正体 農家が宿泊者を受け入れる「農泊」が町を変えた

地方の中山間地域を自動車で走ると、閉鎖されたお店やガソリンスタンド、廃墟になった学校や病院が目につく。 少子高齢化による過疎化の影響を受けて「消滅」の瀬戸際に立たされているところも少なくない。 生活環境の悪化が推測される地方においても、その暮らしを選択したくなるような魅力ある地域になれないか。 群馬県の最北端、新潟県魚沼市などとも隣接する利根郡みなかみ町は、そんな問題意識から生き残りをかけて、人を呼び込む仕掛けを試行錯誤している。

「農泊」がもたらしたもの

拙著『みなかみイノベーション - 群馬県みなかみ町に見る農泊を核とした観光まちづくり』に詳しく解説しているが、みなかみ町では、2008 年ごろから地元の農家による国内外の宿泊者受け入れ = 農泊をスタートさせ、受け入れ農家・体験者とも、順調にその数を伸ばしている。 みなかみ町内だけでなく、沼田市、川場村、高山村、昭和村など隣接の市町村にも広がっている。

みなかみ町で初期段階から宿泊者の受け入れを行っている農家の男性は「特別なもてなしは何もしていない」と語るが、訪れた学生や子供たちの感動は大きく、体験後の交流は深く長く続いているそうだ。 台湾、マレーシア、インドネシアなどからの体験者も増えているので、スマホの翻訳アプリを活用して対応し、コミュニケーションに不自由はないと笑う。

海外からの体験者も増えている

それぞれの農家がそれぞれの流儀で体験者たちを迎えるわけだが、お互いのおもてなしメニューなどの情報交換にも積極的に取り組み、改善に向けて余念がない。 町からの農泊受け入れ要請に対応するだけだった農業従事者に、「観光業」としての企業家精神がめばえたのだ。 農泊が拡大したことで、みなかみ町を離れて生活していた農家の子供たちが孫を連れて手伝いに帰ってきたり、古民家を借りて再生を始めた農泊提供者がいたり、移住希望者が増えてきたりといったうれしい変化も現れてきた。

町の最北部にある人口 450 人ほどの集落で先代から継承したホテル・スキー場を経営する松本氏は、都内の大手企業からの U ターン。 「働く場所がない」が住民たちの口癖のようになっていた場所のホテルであるにもかかわらず、毎年各地から応募してくる新卒学生を採用し、「自然と笑顔に」という理念を打ち立てた。

農泊の体験者

これには「自然を通じて心からの笑顔を生み出す」、「働く人たちが心から笑顔になれる環境をつくる」、「地域の人たちが一緒に笑顔になれる循環をつくる」という思いが込められている。 厳しい状況の中で、「自社だけが生き残ればいい」という考えでは長期的な安定は求められない。 全体が潤う循環を松本氏は強調している。

松本氏に「次の手」を尋ねると、その一例として「ヘルスツーリズム」の答えが返ってきた。 「心身を病んだ人が、健康な環境で、体に良いエクササイズと食生活などを体験して、回復することを狙いとしたツアー。」 中高年が最も好むレジャーである「旅」と、メタボやうつ病などから解放する「健康」を組み合わせたツアーとして業界関係者も注目しているそうだ。

行政との連携

国は、「2060 年に 1 億人程度の人口を確保する」という中長期展望に立ち、2015 年から 2019 年度までの 5 カ年で取り組む「地方創生」戦略を明らかにしている。 2016 年にはこの戦略をかみ砕いた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を打ち出し、地方に仕事をつくり、平均所得を向上させ、安心して住み続けられる「好循環」をつくり出そうというのを大きなテーマにしている。

私が関心をもったのは、その戦略目標の中に「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する」と掲げられていた点である。 内容は「立地適正化計画」 = 「コンパクト・シティ」構想で、そのメリットや合理性はうなずけるものの、中山間地域の実情にはそぐわないと感じた。 効率や利便性よりも、人々が「生まれ育った土地に住み続けたい」、「少々の不便さは気にならない」というマインドの部分を拾えていないと思うからである。

戦略の立案者たちも、段階的なプロセスとして、中山間地域などには「小さな拠点」の形成が重要だとしている。 その事業目的は、「地域住民が主体的に、行政などと連携して、地域の困りごとに対応(活動)することで、暮らし続けたいという『願い』を実現させる」などと説明され、「地域イノベーション」への入口にはなると思う。 一方で、この戦略そのものが「地方」への丸投げになって、双方が疲弊してしまうことを懸念する。

「地方創生」戦略の中で、「地方創生インターンシップ」を活発に展開するという施策にも注目している。 インターンとは、期間を設けて実務現場で研修を受けることであり、「企業インターンシップ」はすでに広く普及し、大手企業の採用シーンでは、これが重視されている。 その仕組みを、地方創生の現場にも適用し人材還流と地域人材の定着に寄与させようというのが、この「地方創生インターンシップ」である。

みなかみ町

地方の活性化、地方創生には、内的な変革が埋め込まれ、連鎖反応を続けていくことが不可欠である。 それを仕掛け、運営し、進化させる力は人材にある。 そう考えると、この施策に参加する学生の存在は、地域活性の触媒になりうるかもしれない。 みなかみ町でもいくつかの大学から、何名かの学生がインターンとして訪れ、そのまま地元の会社に就職しているケースもある。

都会の大手企業さえ人手不足の今日、地方で、それも中山間地域の企業・農業法人などに目を向け、足を運ぼうとする学生は極端に少ないが、関心は低くない。 「地方、過疎地のほうが、個性や能力が活かせるかもしれない」と考えている学生も潜在しているはずだ。 ただ、情報が少なく、カリキュラムや受け入れ体制など、もろもろの環境条件の整備が遅れているのは課題だ。

ロールモデルのみなかみ町

日本の中山間地域には「ヒト・カネ・モノ」がない。 世界遺産級の自然・文化・産業遺産があるとか、大河ドラマの舞台になったとか、集客力のある「地元 B 級グルメ」とか、聖地・パワースポットなどの観光資源に恵まれているところは、ほんのひと握りである。 それらが一過性のにぎわいで終わらず持続的にリピーター層を形成できているところは、さらに少ない。

みなかみ町もまた、めぼしい観光資源があるわけではないが、「農泊」は、「コト(体験)」を打ち出したことで活路を見いだした。 そして住民たちは新たな「働き甲斐・生き甲斐」を見いだしている。 みなかみ町に生まれたのは、こうした人的ネットワークという資産だ。 少しずつでも収入や雇用など成果の手ごたえを感じることができ、持続可能な方法であるみなかみ町の「農泊」は、どこの中山間地域でも無理なく取り入れられる。 みなかみ町の「農泊」が生み出したのは、「地域イノベーション」の 1 つと言っても大げさではない。 (鈴木 誠二・法政大学地域研究センター客員研究員、東洋経済 = 11-11-17)


黒部ルート、関電と富山県が対立 観光と安全の両立は …

北アルプスにある水力発電所を通る「黒部ルート」の観光をめぐり、関西電力と富山県がにらみ合っている。 関電が「作業用の通路」として見学者を絞っているが、県は「もっと増やしてほしい」と訴えている。 企業が持つ施設を観光に生かそうとする取り組みが広がるが、課題も浮かぶ。 高さ 186 メートルの黒部ダムから勢いよく放たれた水が虹をつくる。 「黒部ルート」の入り口は、その脇にあるトンネルだ。 観光客でにぎわう立山黒部アルペンルートと、紅葉が美しい黒部峡谷を結んでいる。

黒部ルートは、珍しい発電所の設備や歴史を体感できる。 斜度 34 度の急なインクライン(ケーブルカー)に、NHK 紅白歌合戦で中島みゆきが歌った黒部川第四発電所(黒四〈くろよん〉発電所)。 谷間の温泉地の欅平(けやきだいら)へ向かう「上部専用鉄道」のトンネルの一部は「高熱隧道(ずいどう)」と呼ばれ、約 80 年前に人手で掘ったときは 160 度以上もあったと言われる。 これらは関電が発電所の運転のために使っており、だれもが入れるわけではない。

関電は、富山県など地元の求めに応じ、1996 年から一般の見学者を無料で受け入れてきた。 この「公募枠」は年間約 2 千人で、平日だけだが、応募が 4 倍以上と人気だ。 関電は別に「社客枠」を最大 3 千人分持っており、株主や顧客らを土日や休日に招いている。 県は社客枠も開放してほしいとの立場だ。 県と関電が 6 月、「『立山黒部』世界ブランド化推進会議」で主張をぶつけあった。 関電幹部は社客枠を「営業戦略の重要な要(かなめ)。 (開放は)耐えがたい。」と述べた。 トンネル内では落盤の可能性もあり、「安全確保が難しい」と訴えた。 一方、石井隆一知事は「立山黒部はみんなの財産だ」とし、安全面は「大事な顧客を 20 年も無事故で通している」と指摘した。 (松原央、笠井哲也、asahi = 11-7-17)


「初物」ぎっしり 日本海沖でズワイガニ漁解禁

冬の味覚、ズワイガニの底引き網漁が 6 日、富山から島根までの日本海沖で解禁された。 水揚げされたカニは「初物」としてその日のうちに競りにかけられ、地元の旅館や京阪神の百貨店などに出荷される。 兵庫県豊岡市の津居山港からは 5 日夜、漁船 13 隻が出港。 1 時間半ほどかけて漁場に到着し、日付が変わると一斉に網を沈めた。 約 1 時間後に引き揚げられた網には、茶褐色のズワイガニがぎっしり入っていた。 乗組員たちは素早く甲羅の大きさや雄雌でカニを選別。 終わると、次の網を入れる作業に入った。 各漁船とも昼までには港に帰り、午後初競りがある。 雄ガニ漁は来年 3 月 20 日まで、雌ガニは今年 12 月末まで続く。 (藤本久格、asahi = 11-6-17)


「山コン」、カップル誕生率 5 割 手を取って川渡りも

阿蘇の外輪山を歩きながら交際相手を見つける「トレッキング山コン」が 3 日、熊本県南阿蘇村であり、カップル誕生率 5 割のめざましい成果を上げた。 今年で 3 年目。 毎年男女約 40 人ずつ参加し、過去 26 組が交際。 5 組が結婚した。 この日は男性 3 人が欠席したが、天候に恵まれ山歩きや昼食を楽しんだ。 川を渡る場所では、男性が介添えに女性の手を取って互いに顔を赤らめる様子も見られ、過去最高の 19 組が誕生。 主催者は「コースに凝った成果です。」 (asahi = 11-4-17)


ユネスコ : 「世界の記憶」に上野三碑 「慰安婦」は見送り

【バルセロナ(スペイン北東部)賀有勇】 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は 30 日(日本時間 31 日)、「世界の記憶(世界記憶遺産)」に、日韓の団体が共同申請していた江戸時代の外交資料「朝鮮通信使に関する記録」と群馬県の古代石碑群「上野三碑(こうずけさんぴ)」を含む計 78 件を新たに登録すると発表した。 日中韓などの市民団体が申請していた「従軍慰安婦」関連資料は登録が見送られた。

朝鮮通信使は、江戸時代に朝鮮国王が徳川将軍家に派遣した使節団。 1607 - 1811 年に計 12 回派遣され、豊臣秀吉による朝鮮出兵で悪化した両国の関係修復に貢献した。 ルートは対馬(長崎県)や大阪、江戸などを経て、徳川家康が祭られる日光東照宮(栃木県)まで至る。 各地に外交記録や行列の様子を記した絵などが残されている。 日本のゆかりの自治体などで作る「朝鮮通信使縁地連絡協議会」と、韓国の「釜山文化財団」が共同で登録申請していた。 上野三碑は飛鳥・奈良時代(7 - 8 世紀)に現在の高崎市に建立された古代山上碑(やまのうえひ)、多胡碑(たごひ)、金井沢碑(かないざわひ)の石碑群の総称で、現存する古代石碑群では国内最古。

一方、ユネスコは慰安婦の関連資料について、登録の可否を審査する国際諮問委員会 (IAC) からの勧告に基づき登録を見送った。 IAC からは、関係者らの対話を促すため適切な時期や場所を設定するよう進言があったという。 ユネスコのボコバ事務局長は声明で、記憶遺産登録は「対話の精神や国際的な相互理解に基づき、人々の心に平和をもたらすため」に行われるべきだと訴えた。 第二次世界大戦中に「命のビザ」で多くのユダヤ人を救った岐阜県出身の外交官、杉原千畝に関する「杉原リスト」も登録されなかった。 記憶遺産には各国から約 130 件の登録申請があった。 (mainichi = 10-31-17)


天文館の「タカプラ」、来年 2 月閉店 周辺再開発に伴い 鹿児島

鹿児島市の天文館にある商業施設「タカプラ」が、来年 2 月 12 日に閉店することになった。 運営する高島屋開発が 30 日、発表した。 周辺の再開発事業に伴うもので、11 月 3 日から閉店セールを実施するという。 タカプラは、1936 年にデパート「大見高島屋」として開業。 75 年から「高島屋プラザ」となり、顧客から「タカプラ」の愛称で呼ばれたことから、90 年に店名をタカプラに変更した。

タカプラの周辺では現在、商業施設とホテルが一体となった施設をつくる再開発計画が進められている。 「千日町 1・4 番街区市街地再開発準備組合(牧野田栄一理事長)」によると、約 6 千平方メートルの敷地に地上 15 階、地下 1 階のビルを建設。 1 - 6 階が商業・業務スペースで、7 - 15 階がホテルになる予定だ。 7 月末には事業計画認可申請を県に提出。 来年 6 月にはビルの解体を始め、2020 年秋の完成をめざしている。

高島屋開発は新施設の運営にも携わるが、タカプラとしての営業は終了することになる。 同社の犬伏和章社長は会見し、「待ち合わせ場所としても親しまれ、さみしい気持ちでいっぱい。 今後よりよいものを提供していきたい。」と話した。 (島崎周、町田正聡、asahi = 10-31-17)


高級柿、その名も「天下富舞」 2 個 54 万円で落札

岐阜県産の高級柿「天下富舞(ふぶ)」の今年の初競りが 26 日、名古屋市中央卸売市場北部市場(愛知県豊山町)であり、名古屋市の青果卸業者が 2 個 54 万円で競り落とした。 JA 全農岐阜によると、ナシのようなさくさくとした食感が特徴。 織田信長が岐阜進出の頃から使ったとされる印文「天下布武」にちなんだブランドで、岐阜県が 2015 年に開発した新品種「ねおスイート」のうち糖度が 25 度以上ある優良品。 初めて出荷した昨年の最高値は 2 個 32 万 4 千円だった。

11 月上旬までに 2 千個を出荷する予定。 百貨店などでの価格は 1 個 3 千円程度からになるという。 競り落とされた天下富舞は名古屋・栄の松坂屋名古屋店が仕入れ、落札価格と同じ値段で売り出した。 昨年は高級料亭などから引きあいがあったという。 果物売り場の担当者は「商売に関係なく、東海地方のおいしいものを PR したい」と話した。 (asahi = 10-28-17)


有明海でノリの種付け解禁 色とりどりの網 63 万枚

台風 21 号が近づく中、佐賀県沖の有明海で 21 日、ノリの種付けが解禁され、色とりどりの網約 63 万枚が広げられた。佐賀県有明海漁協によると、ノリ網を積んだ船約 800 隻が未明から次々と出港。 漁師らは次第に高くなる波の上で作業した。 台風に備え、支柱をロープで補強したり、強風にあおられないように網を低い位置に取り付けたりするという。 つるされたカキ殻から放たれるノリの胞子が網について成長し、30 日ほどで最初の収穫を迎える。 同漁協は生産枚数・額ともに 14 季連続で日本一。 今季も 19 億枚・228 億円を目標にトップを狙う。 有明海でのノリの種付けは、福岡でもこの日解禁。 熊本は 20 日に解禁されている。 (寿柳聡、asahi = 10-22-17)


エアアジア、29 日就航 中部に拠点、まず新千歳へ

格安航空会社 (LCC) のエアアジア・ジャパンは 16 日、中部空港に 29 日に就航すると発表した。 本拠を中部に構える LCC は同社が初めてで、まずは新千歳(札幌)と結ぶ。 迎え撃つジェットスター・ジャパンはさっそく割引を打ち出し、首都圏や関西で先行した激しい価格競争が中部にも及んできた。 エアアジア J は中部 - 新千歳に毎日 2 往復飛ばす。 チケットは 17 日発売。 機内食や座席指定は基本的に有料とし、これを除いた通常料金は 4,190 円から。 22 日までの予約者を対象に、先着の一部座席限定で「5 円から」の特別割引も実施する。

エアアジア J は、マレーシア系 LCC エアアジアが 14 年に楽天などと共同で設けた。 15 年には本社を東京都から中部空港に移した。 パイロットらの訓練スケジュールの見直しなどで、就航は当初の予定から 2 年半遅れた。 LCC 用のターミナルを 19 年に開く中部空港会社は「我が街のエアラインを応援し、需要喚起に努める」とのコメントを出した。 エアアジア J は中部 - 台北の路線も計画しており、競争激化の兆しは、国内線にも国際線にも出始めた。 (友田雄大、asahi = 10-17-17)


くまモン電車、3 号車だモン 台湾からの観光客に人気

「鉄道の日」の 14 日、熊本電鉄は北熊本駅(熊本市北区室園町)で「くまでん電車・バスふれあい祭り」を開いた。 くまモンの絵が描かれた新しい車両が公開され、訪れた客は写真を撮るなどして楽しんだ。 くまモン電車は 2014 年 3 月に 1 号車が、昨年 6 月に 2 号車が導入された。 今回披露された 3 号車は 14 日午後から運行を開始。 車体は全面黄色で様々な表情のくまモンが描かれ、内装の絵柄には通潤橋や天草五橋といった県内の観光名所も取り入れられた。

熊本電鉄が熊本空港からの直行便がある台湾で積極的に営業していることもあり、近年は台湾からの観光客の利用が増加。 現地でのくまモン人気もあり、4 - 9 月の台湾人の利用者は 3 万 3,486 人で、昨年度 1 年間の数を 1 万人以上上回っているという。

この日もツアーで訪れた台湾の観光客が「かわいい」と言いながら、新しい車両の写真をたくさん撮っていた。 熊本電鉄の中野育生・運輸課長は「台湾の人たちが電車を観光地にしてくれた。 今は団体で来てくれているが、これがずっと続くわけではない。 今後個人のお客様にどう対応していくか、考えていきたい。」と話した。 (杉山歩、asahi = 10-15-17)


かさ上げ道路で復興マラソン 約 1 万 2,500 人疾走

東日本大震災の津波で被災した宮城県の仙台湾岸南部で、海岸線から 1 キロほど内陸部を走る「かさ上げ道路」の整備が進んでいる。 盛り土の高さは 4 - 6 メートルあり、田園地帯を突っ切る「第 2 の防潮堤」だ。 1 日には完成した道路を走路の一部にした「東北・みやぎ復興マラソン(宮城陸上競技協会など主催)」があり、約 1 万 2,500 人が被災地を駆けた。

仙台市宮城野区から宮城県山元町まで約 40 キロに及ぶかさ上げ道路は、2020 年度の完成をめざす。 この地域では震災後、「多重防御」のまちづくりが計画されてきた。 海岸の高さ 7.2 メートルの防潮堤で数十年から百数十年に 1 度のレベルの津波を防ぎ、それを超える津波が来ても、かさ上げ道路で勢いを止める想定だ。 被災集落は内陸に集団移転し、道路の海側は人が新たに住めない災害危険区域に。

この日はフルマラソンと 6 キロのファンランがあった。 埼玉県出身の大学生、小沢雅也さん (19) は「ここに津波が来たのかと思いながら走った。 沿道の人が『ありがとね』と言ってくれたのが印象的だった。」 道路はこれまで一部区間のみ使われ、3 日には、走路となった宮城県岩沼市の 3.2 キロが開通する。 (石橋英昭、asahi = 10-1-17)


漁船 200 隻、玄界灘を疾走 宗像大社の「みあれ祭」

宗像大社(福岡県宗像市)の秋季大祭「みあれ祭」が 1 日あり、漁船約 200 隻が玄界灘をパレードした。 大社の沖津宮(おきつみや)がある沖ノ島などが 7 月に世界遺産に登録され、例年に増して多くの観光客が訪れた。 みあれ祭は沖津宮と大島にある中津宮(なかつみや)のご神体を年に一度、本土の辺津宮(へつみや)に迎える祭り。 漁船は大島から本土の神湊(こうのみなと)まで約 1 時間、ご神体を乗せた御座船を囲むように疾走。 海上安全や豊漁を祈り、大漁旗をたなびかせた。 神湊の岸壁などでは千人を超える人が出迎えた。 世界遺産には宗像大社の 3 宮などに加え、新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群(福岡県福津市)が登録された。 (馬郡昭彦、asahi = 10-1-17)


浪江町で「にじいろこども園」が落成 来春開園へ 福島

東京電力福島第一原発事故による避難指示が今春、帰還困難区域を除いて解除された浪江町で、来春開園する「浪江にじいろこども園」の建物が完成した。 今後、施設見学会を開き、10 月に募集案内を実施していく。 幾世橋地区の町立浪江東中学校南西角に完成したこども園は、木造平屋建てで床面積が約 490 平方メートル。保育室や乳児室、遊戯室や広いホールが設けられている。 11 月に子どもの一時預かり事業を先行させ、来年 4 月から定員園児 30 人で受け入れる。

一方、町は今年 1 月、町民で未就学児童がいる保護者 514 人を対象に子育てに関する状況調査をした。その結果、 56 人から町内での子育てを検討したいと回答があった。 この 56 人に再調査したところ、11 月からの一時預かり事業について利用を希望するとしたのが 1 人、検討しているとしたのが 15 人だった。 来年 4 月からの入園について利用を希望するとしたのは 3 人、利用を検討するとしたのは 4 人にとどまっている。 (江川慎太郎、asahi = 9-30-17)


「八重の桜」縁続く 綾瀬さん、4 年連続会津まつり出陣

会津藩の藩主や重臣、白虎隊士らに扮した人々約 500 人がパレードする会津まつり「会津藩公行列」が 23 日、福島県会津若松市で行われた。 特別ゲストとして 2013 年の NHK 大河ドラマ「八重の桜」で主役を務めた綾瀬はるかさんが、14 年から 4 年連続で参加した。

鶴ケ城で行われた出陣式に登場した綾瀬さんは「今年も呼んで下さって、本当にありがとなし。 今日はすてきな一日になるように、一緒に盛り上げていきましょう。 皆さん、準備は、さすけねえか?」とあいさつ。 天守閣前の広場に集まった観衆や、行列の参加者から大きな拍手を送られた。 綾瀬さんは、午前は戊辰戦争時の軍装に桜模様のピンクの打ち掛けをまとった姿、午後は明治時代の洋装でパレードに参加。 沿道からの歓声に笑顔で応えていた。 (戸松康雄。asahi = 9-24-17)


フグの季節が到来! 下関・南風泊市場で初競り

フグの取扱量が全国一の山口県下関市の南風泊(はえどまり)市場で 22 日未明、シーズンの到来を告げるフグの初競りがあった。 この日の天然トラフグの入荷量は、昨年より 120 キロ少ない 430 キロ。 台風 18 号で漁に出られなかったことが影響したという。 最高値は 1 キロあたり 1 万 9 千円で、昨年の 2 万円とほぼ変わらなかった。

山口県の内外海のほか、大分から宮崎にかけての豊後水道などで取れたトラフグで、中には 3.5 キロほどもある大きなものも。 競り人が「この魚どうか、ええか」と威勢の良い声を上げながら、筒状の黒い袋の中で仲買人と指を握り合う「袋競り」で次々に価格を決めていった。 市場を運営する下関唐戸魚市場の見原宏社長は「出始めとしてはまずまず。 本格的なシーズンに向けて消費が伸びることを期待したい。」と話した。 (山田菜の花、asahi = 9-22-17)


曽於市で「そおですね体操」 東国原氏も出演 鹿児島

耳に残る不思議な音楽に合わせ、東国原英夫・元宮崎県知事がシュールなダンスを披露する鹿児島県曽於市のふるさと納税 PR 動画が、先月 31 日からインターネットで配信されている。 今月 15 日現在で 6 万 5 千回以上再生されており、続編の配信も予定。 市は全国的な認知度アップ、寄付金の増額に期待を寄せる。

PR 動画は、「体操のお兄さん」に扮する東国原さんが、アイドルの吉田明加さん、市の公認キャラクター「そお星人」と 3 人で「そおですね体操 : 第一」を披露する内容。 「そもそもみんな、曽於市の存在、知らない〜」といった自虐的な歌詞に、東国原さんらが「そおですね」と脱力したシュールなダンスで応える。 動画は市のふるさと納税の 特設サイト やユーチューブで見ることができる。 (野崎智也、asahi = 9-19-17)


沖縄戦跡「心霊スポット化」 ガマ損壊、地元で懸念

沖縄戦の際に 83 人が「集団自決」に追い込まれた沖縄県読谷(よみたん)村の「チビチリガマ」を荒らした疑いで逮捕されたのが、県内の少年 4 人だったことに遺族らは大きなショックを受けた。 教育関係者も「沖縄戦の痛みが継承されていないのでは」と心配する。 一方、県警は他にも関与した少年がいるとみて調べている。

16 日朝、チビチリガマには 10 人ほどの遺族が集まり、荒らされた千羽鶴を供え直したり、看板を元に戻したりした。 逮捕された少年たちが動機を「肝試しだった」と話していることに、戸惑いを隠しきれない様子だった。 遺族の与那覇るり子さん (60) は「ショック。 この場所がどういう所か知っていたらこんなことはしないはずなのに。」 村史によると、チビチリガマでは沖縄戦の際、住民 83 人が「集団自決」した。 現在は村が文化財に指定し、平和学習の場だ。

修学旅行生や若者向けの平和学習プログラムを企画している会社の国仲瞬社長 (24) は、逮捕されたのが県内の少年だったことに「やっぱりと思った」。 ガマやひめゆりの塔などの戦跡は、若者の間では「心霊スポット」として語られているといい、「ガマの暗闇を体験したり、集団自決の話を聞いたりしても、ただ『お化けが出る場所』といった印象しか伝わっていない可能性がある。 従来のよい部分を残しつつ、今の若者に合った平和学習に変えていく必要がある。」と話す。

沖縄戦の教材を執筆してきた元高校教師の新城(あらしろ)俊昭沖縄大客員教授 (66) は「少年たちは多くの人が亡くなった場所と知りながら『痛み』を知らなかった。 世代が変われば、かつて共有されていた戦争の痛みも抜け落ちる。 戦跡の意味を伝える工夫が必要だ。」 嘉手納署によると、4 人は沖縄本島中部に住む、▽ 無職 (16)、)▽ 型枠解体工 (17)、▽ 無職 (18)、▽ 無職 (19)。 5 日正午ごろ - 12 日午前 11 時ごろ、チビチリガマで看板や千羽鶴などを壊した疑いがある。 一部は「心霊スポットに行こうと思った」、「肝試しだった」と話しているという。 署は、政治的背景はないが、他にも関わっている少年がいるとみている。 (小山謙太郎、山下龍一、asahi = 9-17-17)


「長陽大橋ルート」が開通 熊本・南阿蘇、地震で分断

熊本地震で一部が崩落するなどした熊本県南阿蘇村の阿蘇長陽大橋(276 メートル)と戸下(とした)大橋(380 メートル)の応急復旧工事が終わり、二つの橋を含む約 3 キロの「長陽大橋ルート」が 27 日、開通した。 熊本市など都市部と村中心部の間や、村中心部と分断されていた村内の立野地区との間が、1 年 4 カ月ぶりにほぼ最短ルートでつながった。

九州道の熊本インターチェンジ(熊本市東区)から南阿蘇村役場へは、迂回ルートで約 1 時間かかっていたが 35 分に短縮される。開通式で吉良清一村長は「復興に向けた希望の懸け橋だ」と述べた。 熊本地震で崩落した阿蘇大橋は場所を下流に移し、2020 年度中の開通をめざしている。 (東野真和、asahi = 8-27-17)


大曲の花火大会、予定通り開催へ 大雨で一時会場が冠水

24 - 25 日の大雨で河川敷の観客席などが一時冠水した秋田県大仙市の全国花火競技大会(大曲の花火)について、大曲商工会議所などでつくる実行委員会は 26 日、予定通り同日に大会を開くことを決めた。 昼花火は午後 5 時半、夜花火は午後 6 時 50 分スタートの予定。 全国から選び抜かれた花火師が「日本一」を目指し腕を競う。 今年は 7 月にも大雨の影響で観覧席を組む資材が流される被害もあった。 今回の大雨では観覧のます席が水につかったが、前夜遅くまで洗浄や消毒をして無事開催にこぎつけた。 観覧自由席は有料(1 千円)の予定だったが、足場が悪いため、無料で開放する。 (山谷勉、asahi = 8-26-17)

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秋田新幹線が全線再開 豪雨で不通の秋田 - 大曲間復旧

秋田県で 22、23 日に降った豪雨の影響で不通となっていた JR 秋田新幹線の秋田 - 大曲間が 29 日、運転を再開した。 大曲 - 盛岡間は 24 日に再開しており、これで秋田 - 盛岡間の全線が運転できるようになった。

29 日午前 6 時 8 分、秋田駅始発の「こまち 6 号(東京行き)」が出発。 乗客で青森県深浦町の介護福祉士、川口万里子さん (33) は「10 年以上利用して愛着があるので、再開できて本当によかった。 被害に遭われたみなさんが、早く元通りの生活に戻れることを願っています。」と話していた。 秋田新幹線は 23 日、秋田 - 盛岡間が終日運休し、秋田 - 大曲間の同県大仙市では、線路脇の地盤の崩落が 2 カ所で見つかっていた。 (渡部耕平、asahi = 7-29-17)

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秋田新幹線「運転再開のめど立たず」 秋田 - 大曲間

JR 東日本秋田支社は 23 日、大雨の影響で秋田新幹線の秋田 - 大曲(秋田県大仙市)間の 3 カ所で、線路わきの盛り土が流出したり、線路に土砂が流入したりしたため、この区間は 24 日以降の運転再開のめどが立たないと発表した。 当面の間、バスで代行輸送するという。 秋田 - 盛岡間は、雨の影響で 22 日午後から運転を見合わせている。 盛岡 - 大曲間は 24 日朝より運転を再開する予定だが、通常より本数を減らすという。 (asahi = 7-23-17)


九州は成長可能性高い? 上位 10 都市に 4 市もランクイン

都市が持つ、産業を生み出す力を順位づける「成長可能性都市ランキング」を野村総合研究所(東京)がまとめた。 国内 100 都市を対象に調査し、福岡市が 2 位に入るなど上位 10 都市のうち九州の 4 市が入った。

調査は人口 10 万人以上の主な都市が対象で、このうち九州は 10 市が入っている。 「多様性を受け入れる風土」、「創業・イノベーションを促す取り組み」、「都市の暮らしやすさ」など六つの視点から計 131 の指標と住民アンケートを点数化して、産業を生み出す力が都市にどれだけあるかを順位にした。 総合ランキングの 1 位は東京 23 区だった。 2 位の福岡市について「空港、港湾、新幹線駅へのアクセスが良好で国際会議も多くビジネス環境が整っている」と評価。 5 位となった鹿児島市は「外部人材の受け入れや多様性への寛容度で高い評価」とした。 他に 9 位に福岡県久留米市、10 位に長崎県佐世保市が入った。

一方、実績と潜在力に分けてまとめた数値の差の大きさで比較した成長の「伸びしろ」ランキングでは、福岡市が 1 位。 2 位に鹿児島市、5 位に福岡県久留米市、8 位に宮崎市、10 位に熊本市が入った。 九州について野村総研は「共通点として多様性の寛容度や住んでいる街に対する満足点が高い。 そういう風土がある地域には新しい風が吹き込みやすく、起業などに比較的適していることが多い。」と分析している。(田幸香純、asahi = 8-26-17)