在日中国人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱

ホテルチェーンのアパホテルが「南京大虐殺」などを否定する書籍を客室に備えているとして、中国当局が猛反発している問題で、日本在住の中国人らが 5 日、東京都新宿区で同ホテルへの抗議デモを実施した。 現場周辺にはデモに抗議する団体メンバーも多数詰めかけ、休日の新宿は混乱した。

デモを行ったのは、このデモのために結成された日本で生活している中国人企業経営者、会社員らで作る「中日民間友好委員会」。 約 300 人(主催者発表)の参加者が午後 3 時から、新宿中央公園から新宿御苑に近い同ホテル周辺まで行進した。 「中日友好」、「民族の尊厳を守る」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げながら道路を歩いたが、シュプレヒコールを上げることはなかった。

デモには抗議する右翼団体の構成員らが併走。 「JAPAN が好きだ」と書かれた横断幕を奪い取ろうとしたほか、デモに飛びかかろうとして、警戒に当たっていた警察官に静止される場面が何度も見られた。 デモを主催した来日 10 年になるという中国人女性は「(周囲の)みなさんにはご迷惑をおかけした。 今回声を上げたのは勇気ある中国人だ」などとコメント。 年齢や名前などは明らかにしなかった。 (asahi = 2-5-17)


アパホテル、大会期間中は本を撤去へ 「一時的に保管」

2 月に開幕する冬季アジア札幌大会の選手らの宿舎「アパホテル & リゾート札幌(札幌市南区)」に南京事件などについて否定的な本が置かれていることをめぐり、大会組織委員会は 1 月 30 日、ホテルを運営するアパグループに「書籍を含む印刷物などの撤去」を書面で要請した。 アパグループは「一時的にホテルで保管する」としている。

アパグループは 2015 年に宿舎の打診があった段階で「書籍を含む印刷物の撤去の依頼を受けた」とし、書面で正式な要請があれば応じる意向を示していた。 組織委は、要請の理由について「選手らにとって宿舎が快適な環境となり、競技で最高のパフォーマンスが発揮できるように」と説明。 アパグループは 31 日付でホームページ上で、組織委から客室の備品の指定があったことを認め「期間中は、ご指定頂きました物品以外の設置物を、一時的にホテルで保管することといたします」と記した。

大会を主催するアジア・オリンピック評議会 (OCA) と中国オリンピック委員会は、中国選手団の宿泊先をアパホテルから変更するよう組織委に要請している。 組織委によると、韓国オリンピック委員会からも宿泊先変更の打診があったといい、組織委で調整している。 (asahi = 1-31-17)


中国観光局、アパホテルの利用拒否呼びかけ 客室書籍「中国観光客への挑発」

【北京 = 西見由章】 アパグループのホテル客室に「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を否定する書籍が置かれているとして、中国国家観光局の張利忠報道官は 24 日、「中国の観光客に対する公然とした挑発であり、旅行業の基本的なモラルに反する」として「断固たる反対」を表明し、中国人の訪日客にアパホテルの利用をボイコットするよう呼びかけた。 さらに張氏は、国内の旅行会社やインターネットの予約サイトに対して、アパホテルのサービスと広告を取り扱わないよう求めたことも明らかにした。

一国の政府機関が国内企業や観光客に、他国の特定の企業に対するボイコットを強制するのは極めて異例。 他国の民間の言論に対する露骨な干渉として、日本側からの強い反発は不可避だ。 張氏によると、書籍の問題が表面化した後、国家観光局の日本事務所が日本側に抗議し、書籍の撤去を求めたという。

中国外務省の華春瑩報道官は 24 日の記者会見で、国家観光局の措置について「中国側は日本との友好交流を望んでいるが、歴史を歪曲し中国人民の感情を傷つける挑発行為は絶対に許さない」と正当化。 「誰であろうとでたらめなことをやれば、必ず代償を支払うことになる」と述べた。 また華氏は河村たかし名古屋市長が「南京大虐殺」に否定的な見解を示したことについて、「『南京大虐殺』は歴史的事実であり国際的にも早くから広く認められている」と反論した。 (sankei = 1-24-17)


中国旅行サイトではアパホテル「予約見合わせ」 サイバー攻撃か

中国外務省の反発を受けたものか、中国の大手旅行サイトでは、27 日から始まる春節(旧正月)の大型連休を前に、アパホテルの予約ができなくなっている。 中国のオンライン旅行大手、携程旅行網(シートリップ)でアパホテルを検索すると「部屋が見つかりません」との表示が出るという。 携程旅行網の担当者は「インターネット上で広がる愛国主義的な言論の影響で、当面の間、予約は見合わせる」と話した。

一方、アパグループには、「よく言った」、「御社の判断を支持します」、「中国に負けるな」といった激励の意見が、世界各国から 1 万数千件も寄せられているという。 ただ、同社の(宿泊予約などの) Web サイトには数日前からアクセスができなくなっている。 サイバー攻撃の疑いが高く、警察も注目している。 (ZakZak = 1-20-17)


アパに対抗? 中国のホテル、客室に南京事件記録した本

アパグループ(東京)が運営する「アパホテル」に南京事件に否定的な本が置かれ、中国側から批判が相次いでいる問題で、中国のホテルで、別の視点で南京事件を描いた本を置く動きが出始めた。 ホテル責任者は「真実を知ってもらうための行動だ」としている。 浙江省台州市の五つ星ホテル「温嶺九龍国際大飯店」は、南京事件当時に中国人避難民の保護に努めたドイツ人ジョン・ラーベ氏の書籍「ラーベの日記」を 200 冊以上用意し、20 日から客室に置くことを決めた。 同ホテルの客室は約 500 あり、さらに 300 冊を購入する予定だという。

ラーベ氏の記録は中国国内で評価が高く、2014 年に習近平(シーチンピン)国家主席がベルリンで講演した際も「中国でとりわけ愛され、尊敬されているドイツ人」と述べた。 中国のニュースサイト・澎湃新聞の取材に、ホテル責任者は「ホテルは国や民族、宗教が異なる人が泊まるため、本来はこのような本は置かないが、真実の歴史を知ってもらいたいという気持ちだ。 第三国の人による記録は説得力がある。」と語っている。(上海 = 冨名腰隆、asahi = 1-19-17)


「アパホテル」中国の SNS で "炎上" 「南京大虐殺を否定する CEO の著書が客室に」 告発動画「微博」で 6,800 万再生

アパホテルが中国のネットで "炎上"。 「アパホテル CEO が執筆した、南京大虐殺を否定する内容の書籍が全客室に置かれている」との告発動画が SNS 「微博」に投稿され、2 日で 6,800 万再生を超えた。

日本のホテルチェーン・アパホテルが、中国の SNS 「微博」で炎上状態になっている。 「アパホテル CEO が執筆した、南京大虐殺を否定する内容を含む書籍が全客室に置かれている。 中国人はこの事実を知った上で宿泊するかどうか決めるべき。」と、米国人の学生が「微博」に動画を投稿して告発。 この動画が 2 日で 6,800 万再生を超え、中国ネットユーザーの批判を浴びている。

動画は、米国人女子大学生 Kat さんと中国人男子大学生 Sid さんのコンビ「KatAndSid」が 15 日夕方に投稿したもの。 2 人は 1 月、東京に旅行に行った際、アパホテルに宿泊し、部屋にあった書籍を読んでショックを受けたという。 書籍は、アパグループ代表の元谷外志雄さんが「藤誠志」のペンネームで執筆した「理論近現代史学 II (英題は「THEORETICAL MODERN HISTORY II」)」で、「南京大虐殺はねつ造だ」、「従軍慰安婦の強制連行はなかった」などと主張している。

動画では、Kat さんがアパホテルのフロントで書籍を購入し、ページを開いて英語版の内容を紹介。 南京大虐殺を否定している部分などを読み上げ、「彼には、自分の本をホテルに置いたり自分が言いたいことを言う権利はあるが、彼の政治的思想を知らない中国人・韓国人客からお金を取っているのは不誠実だ。 このホテルに支払ったお金は、CEO のこのような政治的思想をサポートすることになる。」と話す。

2 人は日本で素晴らしい時間を過ごしたといい、「日本の人達はとても親切で礼儀正しい」と称賛。 アパホテルの書籍を批判する動画を公開するかは迷ったが、「このホテルにお金を払う人は真実を知るべき」と考え、公開に踏み切ったという。 「これはこのホテルだけの問題で、この国やこの国の人々には関係ない。 日本をディスるつもりはない。」としている。

動画は 17 日午前 11 時半までに 6,800 万再生を超えた。 シェアは 60 万以上、「いいね」は 32 万以上、コメントは 2 万 9,000 以上投稿されており、「客観的なリポートをありがとう」、「このホテルには泊まらない」などの声が寄せられている。 中国共産党の機関誌「人民日報」国際版の「環球時報」もこの問題を報道。 記事によると、中国の旅行会社・黄光グループは、この問題を受けてアパホテルの予約受け付けを停止したという。 アパホテルの公式サイトは 17 日午前 10 時現在、つながりづらい状態になっている。 (ITmedia = 1-17-17)


中国 SNS で炎上したアパホテルが見解 「本は置き続ける」、「予約に変化なし」

「アパホテルの全客室に、南京大虐殺を否定する内容を含む書籍が置かれている」と、中国の SNS 「微博」で話題になっている件について、アパグループが見解を公表した。 「書籍は置き続ける」という。

「アパホテルの全客室に、南京大虐殺を否定する内容を含む書籍が置かれている。 中国人はこの事実を知った上で宿泊するかどうか決めるべき。」と伝える動画が中国の SNS 「微博」に投稿され、2 日で 7,700 万再生を超えるなど中国で "炎上" 状態になっていることについて、アパホテル親会社のアパグループが 1 月 17 日、見解を発表した。

書籍は「特定の国や国民を批判することを目的としたものではなく、事実に基づいて本当の歴史を知ることが目的」と説明。 今回の炎上を受け、書籍を客室から撤去することは「考えていない」という。 「中国の旅行代理店がアパホテルの取り扱いを停止した」との噂は否定している。 問題になった書籍は、アパグループ代表・元谷外志雄さんの著書「本当の日本の歴史 理論近現代史 II」。 アパグループのホテルの各客室に置かれており、「南京大虐殺はなかった」などの主張が盛り込まれている。

1 月に日本を訪れ、アパホテルに宿泊した米国人大学生が、この書籍を読んで「ショックを受けた」とし、内容を紹介する動画を「微博」に投稿。 動画では「彼(アパグループの元谷代表)には自分の本をホテルに置いたり言いたいことを言う権利はあるが、彼の政治的思想を知らない中国人客からお金を取っているのは不誠実」などと語り、「彼の思想を知った上で宿泊するかどうか決めるべき」と訴えた。 この動画は 2 日で 7,700 万再生を超えるなど話題を集め、中国のネットユーザーからアパホテルに批判が集まった。

この動画についてアパグループは 17 日、Web サイトで見解を発表した。 書籍の近現代史に関わる内容は「著者が数多くの資料等を解析し、理論的に導き出した見解に基づいて書かれた」と説明。 「国によって歴史認識や歴史教育が異なることは認識しているが、本書籍は特定の国や国民を批判することを目的としたものではなく、あくまで事実に基づいて本当の歴史を知ることを目的としたもの」とした。

さらに「異なる立場の方から批判されたことをもって書籍を客室から撤去することは考えていない。 日本には言論の自由が保証されており、一方的な圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならない。」とし、今後も書籍を客室に起き続けると表明した。 その上で、同書籍から南京大虐殺に関する見解の部分を抜粋して公表。 「事実に基づいて本書籍の記載内容の誤りをご指摘いただけるのであれば、参考にさせていただきたい」としている。

この問題を受け、「中国の旅行代理店が軒並みアパホテルとの取引を中止している」とのうわさも流れたが、同社は ITmedia ニュースの取材に対し、「現時点では中国の代理店から取引中止について具体的な話は聞いていない」とうわさを否定。 予約のキャンセルなど「目立った変化はない」という。 (ITmedia = 1-17-17)