|
内密出産、開始から 4 年で 60 人 熊本の慈恵病院、直近 1 年は 22 人 女性が病院だけに身元を明かして出産する「内密出産」に取り組む熊本市西区の慈恵病院は11 日、全国で初めて内密出産を受け入れた 2021 年 12 月からの 4 年間で計 60 人が誕生(死亡 1 人含む)したことを明らかにした。 直近 1 年間は 22 人で、前年の同じ期間より 5 人増えた。 この 4 年間に内密出産した母親(のべ 60 人)の年齢は、19 歳以下が 12 人、20 代 44 人、30 歳以上 4 人だった。 居住地は県内が 5 人、熊本県以外の九州 15 人、関東 19 人、近畿 7 人、中国・四国 6 人など。 出産まで産婦人科を受診していなかったのは 53 人。 11 人は初診から 24 時間未満で出産しており、切迫した状況を抱えた人が多かったという。 内密出産を選んだ理由は「母親に知られたくない」が 24 人で最も多く、次いで「(母を含めた)親に知られたくない」が 22 人だった。 一方、出産後に気持ちが変わり、行政に身元を明かしたうえで、自ら育てるなどとした人は 23 人いた。 蓮田健院長は、この 1 年で増えた理由について「報道で広く知られるようになったため」と分析。 課題として、内密出産を望む女性と接触したり、出産後も母親とのやりとりが必要だったりするため、「マンパワー(の確保)が重要だ」と述べた。 内密出産は全国で初めて同病院で始まり、今年 3 月から東京都の賛育会病院も開始。 大阪府泉佐野市では来年度中に行政として取り組む方針を示している。(林国広、asahi = 12-11-25) 匿名でも OK、妊産婦のオンライン相談窓口を開設へ 大阪府泉佐野市 望まぬ妊娠に悩む女性が医療機関の担当者のみに身元を明かす「内密出産」と、育てられない新生児を匿名で預かる「赤ちゃんポスト」設置へ準備を進める大阪府泉佐野市は 26 日、妊産婦の不安が高まる夜間などに匿名でも相談できるオンライン窓口を設置すると発表した。 市によると、相談員が LINE などのチャットツールでリアルタイムで対応。 内容に応じて適切な支援につなぐなどする。 11 - 12 月の開始を予定。 窓口の設置費用 444 万 2 千円を盛り込んだ補正予算案を 9 月定例市議会に提出する。 千代松大耕市長は「気軽に相談できる窓口としたい」と話した。 市は「りんくう総合医療センター」と連携し、来年度中に内密出産の開始と赤ちゃんポストの設置を目指している。 今秋には、先行する熊本市の慈恵病院、東京都墨田区の賛育会病院を視察する。 (西江拓矢、asahi = 8-27-25) 「赤ちゃんポスト」設置へ向け関連予算案を可決 大阪・泉佐野市議会 大阪府の泉佐野市議会は 25 日、市が取り組む方針の「内密出産」や「赤ちゃんポスト」の関連予算を含む一般会計補正予算案を可決した。 市は近く連携する医療機関を明らかにし、早ければ来年度から導入するとしている。 望まない妊娠に悩む女性が病院の担当者にのみ身元を明かして出産する「内密出産」や、育てられない新生児を匿名で預かる「赤ちゃんポスト」には、熊本市の慈恵病院と東京都墨田区の賛育会病院が取り組んでいる。 泉佐野市で導入されれば全国 3 例目となる。 可決された予算は、市による両病院への視察費など約 800 万円。 市は今後、連携する病院に必要な設備の費用などを負担する方針だ。 ふるさと納税を原資とする基金をあてる。 可決後に報道陣の取材に応じた千代松大耕市長は、行政主導で取り組むことで、病院と行政機関との調整が「スムーズにいくのではないか」と述べた。 (西江拓矢、asahi = 6-25-25) 前 報 (6-12-25) |