夢のウナギ完全養殖へ料理店がエール 研究所に募金の輪

ウナギの稚魚「シラスウナギ」の不漁が続いている。 あおりを受けるのがウナギ料理店だ。 仕入れ価格の高騰でうな重やうな丼の値上げを強いられ、客離れを心配する声が上がる。 そんな中、卵から成魚までの「完全養殖」の実用化に挑む研究機関を応援する募金活動の輪が、全国の店主の間で広がっている。 稚魚の捕獲量は、1960 年代までは年間 200 トンを超える年も珍しくなかったが、ここ 10 年間の平均は約 15 トン。 乱獲や河川・海の環境悪化などが原因と指摘され、国際自然保護連合 (IUCN) は 2014 年、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定した。

今季のシラスウナギ漁も昨年 12 月から全国の多くの漁場で始まっているが、出足は鈍い。 養殖量で都道府県別 1 位の鹿児島県は、1 月 31 日現在で昨年同期比の 3 割程度(164.5 キロ、県調べ)にとどまる。 不漁は値上げに直結する。 総務省によると、かば焼き 100 グラムの店頭価格の年平均(東京 23 区)は、07 年の 705 円から 14 年の 1,249 円にまで高騰した。

そんな中、国立研究開発法人水産総合研究センター(横浜市)が 10 年春、完全養殖の実験に世界で初めて成功したと発表した。 吉報を受け、「一日も早い実用化を応援しよう」と動き出したのが、さいたま市浦和区の店主たちだ。 浦和はかつて沼地や川が多く、宿場町だったこともあってウナギ料理が盛ん。 14 年 7 月に有志で「日本のうなぎを育てる会」を結成し、会長には創業 79 年の老舗「中村家」店主の大森好晴さん (73) が就いた。 (高原敦、asahi = 2-13-16)


4 月の診療報酬改定、在宅医療を促す 中医協が答申

医療機関を利用した際にかかる診察料や薬代が 4 月から変わる。 中央社会保険医療協議会(中医協) = 厚生労働相の諮問機関 = は 10 日午前、治療や薬ごとの値段である診療報酬を決めて答申した。 長期間入院するよりも、自宅や施設にいながら治療を受けることを引き続き促す内容となった。 診療報酬は 2 年ごとに改定する。 政府は昨年末、全体で前回の 2014 年度改定より 0.84% 引き下げることを決めた。 薬代の薬価はマイナス 1.33% で、診察料などの本体部分は 0.49% 引き上げる。 中医協はこの範囲に収まるように個別の値段を設定した。

今回の改定では、大きな病院と診療所との役割分担を明確にする。 紹介状なしに大病院を受診した患者は、診察代などとは別に初診で 5 千円以上、再診で 2,500 円以上の定額を窓口で支払うことになる。 安易な受診を減らし、大病院には集中的な治療が必要な重症患者への対応に専念してもらう狙いだ。 (小泉浩樹、asahi = 2-10-16)

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紹介状なく大病院受診、患者負担 5 千円以上に 4 月から

厚生労働省は、紹介状なしで大病院を受診した患者に初診時で 5 千円以上、再診時で 2,500 円以上の定額負担を求める方針を決めた。 安易な受診を抑えて大病院が重症患者の治療に専念できるようにする狙いで、診療所との役割分担を図る。 4 月から実施する。 診察代や検査料などの窓口負担は収入などに応じて 1 - 3 割。 紹介状がない受診に対する定額負担は、これに上乗せされる。 初診時の 5 千円、再診時の 2,500 円は最低額で、病院側の判断でこれ以上の請求もできる。 歯科は初診時で 3 千円以上、再診時で 1,500 円以上とする方針。

対象は高度な医療を提供する大学病院などの「特定機能病院」と、500 床以上ある病院の計約 250 カ所。 現行でも 200 床以上ある病院は、地方厚生局に届け出れば紹介状がない患者から特別料金を徴収できる。 多くが初診時に 3 千 - 4 千円を徴収しており、実質は 1 千 - 2 千円ほどの負担増となりそうだ。 近くに診療所がなく大病院に行くしかない地域の患者は、定額負担を免除される。 診察後すぐに入院が必要だったり、急病や天災などで搬送されたりした場合も負担する必要はない。 (小泉浩樹、asahi = 1-28-16)


昨年の特殊詐欺被害 476 億円 6 年ぶり減少

昨年 1 年間の特殊詐欺の被害は約 476 億 8 千万円で、3 年連続で 400 億円を超えたが、前年よりも約 88 億 7 千万円 (15.7%) 減った。 前年を下回ったのは 6 年ぶり。 一方、警察が認知した件数(未遂を含む)は前年比 436 件 (3.3%) 増の 1 万 3,828 件で、5 年連続で増えた。 警察庁が 28 日に発表した。 警察庁によると、認知件数が増えたのに被害額が減った一番の要因は、一度に多額の現金を宅配便などで送らせる「送付型」の被害が激減したこと。 昨年は約 147 億円で、前年より 69 億 7 千万円 (32.1%)) 減った。 特殊詐欺全体の減少分の約 8 割を占めた。

警察庁は、宅配業者や荷受けをするコンビニ店員が客への声かけを徹底し、警察も送り先で現金を受け取る「受け子」の摘発を強化したことが奏功したとみている。 被害者を世代別で見ると、約 8 割が 60 歳以上の高齢者だった。 70 歳以上の女性が全体の過半数を占め、70 歳以上の男性 (15.2%)、60 代の女性 (9.9%)、60 代の男性 (4.2%) が続いた。

警察庁が、高齢者の被害が特に多く「重点 3 類型」と位置づけている「オレオレ詐欺」、「還付金詐欺」、「金融商品詐欺」の被害は計約 346 億 6 千万円だった。 前年から約 50 億 6 千万円 (12.7%) 減ったが、特殊詐欺全体の被害の 7 割を占める状況は改善されていない。 都道府県別では首都圏の埼玉、千葉、東京、神奈川の被害が大幅に減り、大阪、岡山、福岡といった主に西日本の大都市の被害が増えた。 首都圏の警察は捜査態勢を強化し、拠点などの摘発を続けてきた。 警察庁は、犯人側が捕まらないよう、その他の大都市に狙いを広げたとみている。

警察が逮捕・書類送検した容疑者は前年比 567 人 (28.6%) 増の 2,552 人で、過去最多だった。 3 割が暴力団関係者だった。 警察庁の担当者は「被害は依然として厳しい。 対策を続けていく。」と話す。(八木拓郎、asahi = 1-28-16)


記録的大雪 鹿児島県で氷点下 10 度

強烈な寒波の影響で、西日本を中心に記録的な大雪となりました。 昨日、長崎市や島根県の邑南町淀原(おおなんちょうよどはら)では最深積雪の記録を更新。 今朝、鹿児島県では最低気温が氷点下 10 度以下となった所もありました。 真冬でもそうそうない強烈な寒波が押し寄せ、西日本を中心に大きな影響をもたらしました。

九州では、記録的な大雪となりました。 長崎市では、昨夜(24 日 22 時)には積雪が 17 センチに。 1967 年 1 月 17 日に記録した 15 センチを超え、統計開始以来、最も多い積雪となりました。 普段それほど雪の多くない九州で大雪となり、交通機関へ大きな影響がでました。 中国地方や近畿北部、北陸でも広く大雪となりました。 島根県の邑南町淀原では昨夜(24 日 23 時)には 102 センチの積雪を記録。 統計開始以来、初めて積雪が 100 センチを超えました。

また、昨日(24 日)は、奄美大島で 115 年ぶり、沖縄で 39 年ぶりの雪を観測しました。 (いずれも「みぞれ」の観測。 「みぞれ」は観測分類上は雪に含めます。) 今回の寒波は奄美大島や沖縄にも雪をもたらすほどの強烈なものでした。 寒気は明日(26 日)以降は、次第に北上していきます。 西日本の大雪のピークは越えつつありますが、今夜にかけて大雪に注意が必要です。 交通機関への影響が長引く恐れがあります。 明日(26 日)以降も、しばらくは路面に雪が残ったり、路面が凍結する所がありますので、足元や車の運転はご注意下さい。

大寒波の影響で、真冬でもそうそうない寒さとなりました。 昨日(24 日)は真冬日(最高気温が 0 度未満)の地点は 375 地点と全国の 4 割にのぼりました。 博多や米子、松江など西日本でも所々で真冬日となりました。 今朝(25 日)も 873 地点で冬日となり、2 日連続で全国のアメダスの 9 割以上で冬日となりました。 鹿児島市では今朝は冷え込みが厳しく、氷点下 5.3 度まで下がりました。 鹿児島市で氷点下 5 度以下まで下がるのは 39 年ぶりのことです。

また、鹿児島空港では氷点下10度7分を記録。 鹿児島県で氷点下 10 度を下回るのは、アメダスの整備が進んだ 1978 年以降で初めてです。 明日(25 日)の朝にかけても冷え込みが続きますが、今週の中頃からは急に寒さが和らぎそうです。 (tenki.jp = 1-25-16)


スーパー増収、食品頼み 昨年既存店 19 年ぶりプラス

2015 年のスーパーの既存店売上高が 19 年ぶりにプラスに転じた。 衣料品や住関連品は前年割れとなったものの、14 年比で 2.5% 伸びた食料品が押し上げた。 ただ、食品の増収は生鮮品の相場高や加工食品の値上げの浸透が主な要因。 客単価の上昇が客数の伸び悩みを補う構図は続く。 暖冬の影響に加え、年明けからの株価下落などもあり、消費の先行きには不透明感が広がっている。

日本チェーンストア協会が 21 日発表した 15 年の全国スーパー売上高は 13 兆 1,682 億円。 既存店の伸び率は 0.7% だった。 14 年の消費増税に伴う落ち込みの反動がほぼ消えた 8 月以降、客単価は 0.2 - 4.0% のプラスで推移。 一方で客数は前年割れすることもあったという。 大手の既存店の動向をみると、イオンリテールの総合スーパーは 9 - 11 月の客数が前年同期比 2.7% 減、イトーヨーカ堂も 3 - 11 月で 0.8% 減だった。 この間の客単価はイオンリテールが 2.9% 増、イトーヨーカ堂は 0.5% 増だった。

生鮮品の相場高とともに客単価を押し上げているのは値上げの店頭販売価格への浸透だ。 15 年は春季労使交渉で大手企業を中心に賃金の引き上げが広がり、消費意欲の改善につながったことなどが追い風になった。 消費者物価指数(生鮮品を除く)でも「食料」は 11 月の上昇幅が前年同月比 2% 以上。 全国のスーパーなど約 800 店の動向を集計する日経 POS (販売時点情報管理)によると、12 月の牛乳の店頭平均販売価格は 176.9 9円と前年同月比 4% 近く上昇していた。

食品が伸びた背景には消費動向の変化もある。 総務省によると、家計の消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は 11 月まで 7 カ月連続で 25% を超え、バブル期以来の水準だ。 衣料品が主力の百貨店が既存店ベースで 4 年ぶりの減収となる一方、スーパーでは 1 個 300 円程度の高級アイスクリームが人気を集めるなど、「食」を優先する消費者の傾向は鮮明になっている。 ただ、足元の既存店売上高は暖冬の影響で鍋物用などの季節商材の動きが鈍かったため、11 月がマイナス、12 月も横ばいだった。 業界内には不安と期待が交錯する。

埼玉県が地盤のヤオコーの川野幸夫会長は「消費トレンドは 10 月末から下降気味。 15 年のような好業績を続けるにはよほどの努力しないと。」と警戒。 いなげやの成瀬直人社長は「(手ごろな商品を求める)価格志向が強くなってきた」と話す。 一方、マルエツなどを傘下に持つユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの上田真社長は「一時的な要因であり、消費減速とはいえない」と指摘。 ライフコーポレーションの岩崎高治社長は「天候が悪くても前年を上回った。 それほど悲観するべきではない。」という。

日本経済新聞社がマクロミルを通じて実施した調査によると、食費の支出が増えたという消費者の半数以上は「買う物は変わらないが値上がりが響いた」と回答した。 相場高や値上げの浸透が家計にとっての負担と感じている消費者は多い。 年明けには気温が下がり、暖冬という特殊要因は薄れつつある。 一方、世界的な株価の下落など景気の先行きには不透明感が漂う。 「17 年の消費増税を乗り越えられる勢いをつける必要がある(日本チェーンストア協会の井上淳専務理事)」という 16 年。 食品頼みの現状をどう打ち破るかにかかっている。 (宮住達朗、nikkei = 1-22-16)


ケアマネ常駐のローソン、無料相談も 山口・宇部で開業

ケアマネジャーが常駐して高齢者や介護者を支援するコンビニ「ローソン宇部中央町一丁目店」が 15 日、山口県宇部市にオープンした。 介護拠点併設型の「ケア(介護)ローソン」は埼玉、新潟に続く 4 店舗目で、西日本で初という。

ローソンと介護事業の河村福祉サービス(宇部市)が連携した。 ケアマネジャーの無料相談窓口(午前 8 時半 - 午後 5 時半)や、高齢者が食事や交流を楽しめるサロンスペース(午前 8 時半 - 午後 9 時)がある。 やわらかい介護食品や口腔(こうくう)ケア商品、杖やおむつなどもそろう。 河村福祉サービスの河村高志社長は「認知症や介護で困っている方や家族だけでなく、介護が必要になる前から不安なことは気軽に相談してほしい」と話している。 (寺尾佳恵、asahi = 1-16-16)


「片づけの魔法」が全米 1 位 週間書籍販売ランキング

米紙 USA トゥデーは 14 日、「片づけコンサルタント」の近藤麻理恵さんの著作「人生がときめく片づけの魔法」の英語版が同紙の週間書籍販売ランキングで 1 位になったと報じた。 今月に発売した新作「スパーク・ジョイ」も 3 位にランクインしたという。

「片づけの魔法」は 2014 年 10 月に米国で発売されてから 160 万部売れており、60 週にわたってベストセラーリストに登場していたが、1 位になったのは初めてという。 「スパーク・ジョイ」は洋服のたたみ方や引き出しの整理の仕方などをイラスト入りで紹介する内容。 USA トゥデー紙は新刊の話題に加え、「新年で(片づけを)決意する人が多い」ことを、売り上げが伸びた理由として挙げている。 近藤さんは昨年、米タイム誌の「世界で最も影響力のある 100 人」に選ばれるなど、米国で注目を集めている。 (ニューヨーク = 中井大助、asahi = 1-15-16)


きちんと朝食、学校から パンやバナナ週 2 回提供 福岡

朝ご飯を食べていない子に、きちんと朝食を取ってほしい - -。 そんな願いから、福岡県内のある公立中学校が今年度から週 2 回、希望する生徒にパンやバナナなどを提供している。 食品廃棄を減らす活動をするフードバンクなどから調達。 食の大切さも子どもたちに伝えたいという。

「はよ、来んね、1 年生も食べに来んね!」 昨年 11 月のある日の午前 8 時前。 中学校の校舎 1 階の調理室前で、校長の声が響いた。 ある生徒は 1 人で訪れ、ある生徒は友達と連れだって来た。 この日のメニューは、パンと牛乳、コーヒー牛乳、リンゴ。 校長と養護教諭がリンゴの皮をむき、教頭らがパンを皿の上に盛る。 訪れたのは約 30 人。 期末テスト期間中で朝の部活動がないためか、いつもの半分ほどという。 子どもたちは友達との会話を楽しみながら、次々とパンを?張った。 ある男子生徒は「メロンパン 2 個食べました。 テスト? ばっちりっすよ。」 別の男子生徒は「今日は飲み専(牛乳を飲むだけ)です。」

この学校がバナナなどの提供を始めたのは今年度から。 1 学期に週 1 回のバナナの日を設け、2 学期からはパンの日も設定した。 バナナは、輸入時の検疫検査でサンプルとして開封され、問題がなかったものを地元フードバンクを通じて輸入企業からもらう。 週 2 千本近くが廃棄処分になるといい、こうした食品廃棄問題について、子どもたちに伝える取り組みも進める。 パンや牛乳などは地元生協から。 この中学校を担当する、スクールソーシャルワーカーの提案で始まった。

狙いは、食の大切さを伝えるとともに、朝ご飯を食べていない生徒に食べさせること。 校長は「朝ご飯を食べれば、午前中を爽快に過ごせる。 集中力も上がる。 まず身をもって知り、朝ご飯を習慣にさせたい。」と話す。 この中学校の朝食の欠食率は 2 割近くという。 食べる時間がなかったり、食欲がなかったり、家庭の事情だったりと背景は様々だ。 当初、「ますます家庭が何もしなくなる」、「学校がすべきことなのか」と考えることもあった。 だが、校長は言う。 「目の前に食べていないがいる。 この子たちが大人になれば、その習慣が次の世代に引き継がれてしまう。」 (山下知子、asahi = 1-4-16)


初売り、外国人が存在感 都市と地方で売り上げ二極化も

全国の多くの百貨店や商業施設で 2 日、初売りがあった。 買い物客でにぎわうなか存在感を示したのが外国人観光客で、各社は今年も「爆買い」に期待する。 都市部では売り上げの出足は順調だが、地方では高額品が売れにくいなど二極化もみられる。 高島屋大阪店(大阪市)では 8 千人以上が並び、予定を 20 分早めて午前 9 時 10 分に開店した。 奈良県から夫婦で来た会社員の男性 (49) は、二つの百貨店を巡って化粧品など福袋を 17 買ったという。 「正月休みが短く旅行にいかない分、欲しい物を手に入れました」と満足そうだった。 2 日の売り上げは推計で昨年同日の 5% 増。

富裕層向けの高額な宝飾品などに加え、外国人観光客向けも好調だった。 赤サンゴのネックレスといった外国人に人気の商品を集めた 1,200 万円の福袋も用意。 免税手続きの窓口や中国語の案内も充実させた。 ほかの百貨店や家電量販店でも、外国人向け福袋を準備するなど、爆買いを取り込もうとしている。 ネットでの福袋の販売も広がる。 国内最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN (ゾゾタウン)」は前年より約 100 店多い 300 店以上が福袋を扱った。 予約は昨年 12 月 8 日からで、ほとんど完売したという。

近鉄百貨店あべのハルカス本店(大阪市)では 2 日、宝石セットなどの 888 万円と 300 万円の福袋が売れた。 松屋銀座(東京都中央区)では、仏高級ワイン「ロマネ・コンティ」 6 本セット(972 万円)の福袋が開店 15 分で売れた。 株高もあって都市部では、富裕層の消費が堅調だ。 一方で、地方では高額品が伸び悩み、手ごろな値段の衣服や生活雑貨が売れているという。

天満屋岡山店(岡山市)は、昨年までは絵画などの 2 千万円を超える福袋があった。 今年は約 300 万円のものが最高額で、担当者は「高額品の消費が落ち着き、地元名産品のものに力を入れた」という。 SMBC 日興証券の宮前耕也氏は正月商戦について「実質賃金があまり上がらず節約志向が強まっている」とみる。(神沢和敬、岩沢志気、asahi = 1-2-16)


昨年の出生数、5 年ぶり増加へ 人口減は 9 年連続

国内で 2015 年に生まれた日本人の子どもは 100 万 8 千人の見込みで、過去最少だった 14 年を 4 千人上回りそうだ。 出生数の増加は 5 年ぶり。 一方、死亡数は戦後初めて 130 万人を超え、出生数から引いた人口の自然減は過去最多の 29 万 4 千人。 9 年連続の人口減少となる。 厚生労働省が 12 月 31 日に人口動態統計の年間推計を公表した。

出生数は第 2 次ベビーブームだった 1973 年の 209 万 2 千人をピークに減少傾向が続き、14 年は 100 万 3,539 人と 100 万人割れ目前だった。 15 年は 1 - 6 月の 30 代女性による出生数が前年同期より約 1 万人増え、全体を押し上げた。 特に 30 代前半が多かったという。 出生数が増えた理由について、厚労省の担当者は「景気の回復傾向で収入が安定したり、共働き世帯で保育所に子どもを預けられそうだという期待感が高まったりしたことが考えられる」と分析する。

死亡数は、前年より 2 万 9 千人多い 130 万 2 千人の見込み。 29 万 4 千人という自然減の数は、前年より 2 万 5 千人多い。 婚姻は前年より 9 千組減って戦後最少の 63 万 5 千組となり、離婚は 3 千組増えて22 万 5 千組となる見通しだ。 (伊藤舞虹、asahi = 1-1-16)


そのキャリーバッグ、危険につき 転倒事故で賠償判決も

年末の帰省ラッシュでもめだつキャリーバッグ。 旅行や出張時だけでなく、日常的に使う人が増えている。 つまずいてけがをした男性がバッグを引いていた女性を訴え、100 万円の賠償を命じる判決も出ており、事故防止のため鉄道会社などは注意を呼びかける。 国民生活センターには事故の報告が 2005 年ごろから入り始め、09 年に事例を公表して注意を促した。 「新幹線の下車時、前の客のバッグに足をとられて転倒し、骨折した」、「繁華街で隣を歩く人が引いていたバッグにぶつかって転倒した。 注意喚起を。」などの相談が寄せられていた。

センターが市販のバッグで実験したところ、前に伸ばした足のつま先からバッグの最後方までの長さは、引く人の身長と同じくらいにもなった。 「後方は自覚しにくく、注意が必要だ」とセンターの担当者は話す。 メーカー大手の「エース(東京)」によると、国内では 1990 年代に登場。 車輪で転がすことで重い荷物を楽に運べる便利さから、主に海外旅行用の大型だったものが次第に小型化した。 「今や『一家に一つ』から『一人に一つ』になっている」という。

2 年前に京王井の頭線吉祥寺駅の構内で起きた事故は、東京地裁での裁判に発展した。 88 歳の男性が女性とすれ違った際、女性が引いていたキャリーバッグが左足首にぶつかって転倒。 男性は立ち上がれず、救急車で搬送された。 (千葉雄高、asahi = 12-31-15)


「六曜は迷信」差別を助長? 大分でカレンダー配布中止

大安、仏滅といった「六曜」を記載していたとして、大分県の佐伯市、杵築市、臼杵市農業者年金協議会(同市の農業者年金受給者で構成)、国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会(県や国東半島周辺の 6 市町村で構成)の 4 者は 25 日、それぞれ作製していた来年のカレンダーなどの配布を中止した。 いずれも「六曜は科学的根拠のない迷信や慣習であり、ひいては差別を助長しかねないが、作製後に気づいた。 公的な配布物としてふさわしくないと判断した。」と説明している。

県によると、毎年発行している県民手帳には 1995 年版から六曜を掲載していない。 人権教育のために作製した資料には「同和問題の解決を阻む迷信・因習」に六曜を挙げている。 佐伯市は同日から、市内の全約 3 万 3,600 世帯を対象に「10 年日記帳」を配布する予定だった。 約 2,500 万円をかけて 5 万冊を作製していた。 (柴藤六之助、加藤勝利、平塚学、asahi = 12-26-15)


来春の花粉飛散、西日本で多め 東日本は今春並み

環境省は 24 日、来春のスギ・ヒノキ花粉の飛散予測を発表した。 総飛散量は、中国地方を中心に西日本で今春より多く、東日本は今春並み。 飛散開始時期は東北や中国の一部でやや遅くなるが、その他は今春と同様か、やや早くなるとしている。

今春の 180% 以上の飛散が見込まれるのは、東海の一部のほか、中国、四国、九州の大半の地域。 もっとも今春の飛散がかなり少なかった九州では例年並みだという。 全国的に 8 月中下旬の天候不順が影響し、東日本で特に花粉を飛ばすスギ雄花のできが悪いという。 暖冬が予想されるため、九州、四国、東海や関東の南部では 2 月上旬には飛散が始まる予測だ。 なお、環境省による予測は 2005 年春から続けてきたが、民間による予測が広く行われるようになったため来春で終了する。 (asahi = 12-24-15)


患者専用の食品、病室でワゴン販売も 病院コンビニ競う

コンビニが病院でサービスの幅を広げている。 患者専用の食品を充実させたり、病室までワゴン販売したりと、病院ならではのサービスを競い、入院生活の楽しみにもなっているようだ。 病院内に出店したコンビニは大手 3 社で約 400 店にのぼっている。 塩を使わないうどん、糖尿病患者にやさしい甘味料、低たんぱく質で腎臓に負担をかけないご飯 - -。

ファミリーマートが力を入れるのは「メディカルフーズ(療養食)」だ。 今月から、病院内や近隣店でメディカルフーズを約 90 種類並べた専用棚を本格的に置き始めた。 専用棚がある店は、いまの 14 店から 2017 年度には 200 店に増やす。 品ぞろえは病院ごとに違う。 その病院の管理栄養士らと相談し、どういった症状の患者が多く、どんなニーズがあるのかを見極めて商品構成を決める。

療養食は 1 個 500 - 1 千円が中心。 患者は通販などでまとめ買いする必要があったが、コンビニなら病状に合わせ好きなものをちょっとずつ買える。 ファミマの玉巻裕章取締役は「病院と連携し、患者や家族をサポートしたい。」 約 110 店ある病院内店舗も増やす方針だ。

病院内への出店で最大手はローソン。 全国に約 230 店ある。 本社の病院専門チーム「ホスピタルローソン推進部」が出店の相談や店舗設計を支援する。 慶応義塾大学病院(東京都新宿区)のナチュラルローソンは約 120 平方メートル。 車イスでも入れるよう通路を広くし、隣には 50 席ほどの食事スペースもある。 (西尾邦明、asahi = 12-20-15)


診察料など 0.49% 引き上げ、薬価は減額へ 診療報酬

診察料や薬代の公定価格の診療報酬について、政府・与党は 18 日、来年度の見直しで診察料などの本体部分を 0.49% 引き上げることを決めた。 前回の 2014 年度改定時の 0.1% に比べ、大きく上積みする。 薬代の薬価は減額し、全体の改定率はマイナス 0..84% ほどで調整。 社会保障費の伸びを抑制しつつ、医師ら医療従事者の人件費となる本体を増やすことで医療業界に配慮する。

診療報酬は 2 年ごとに見直される。 改定率がプラスなら医療機関の収入が増えるとともに、財源となる公費や保険料、原則 1 - 3 割の患者の窓口負担も増える。 マイナスなら逆にいずれも減る。 1% 分で国費は年間約 1,110 億円、窓口負担は年間約 540 億円の増減となる。

来年度の改定では、医療機関の経営に直結する本体部分について医療業界に加え厚生労働族議員や厚労省がプラスを強く主張。 当初は前回並みの小幅なプラス改定で調整していたが、最終的に上積みすることで財務省と折り合った。 上積みする分の財源は、処方する湿布薬の枚数を制限するなど診療報酬にかかわらない医療の給付を絞り込むことで捻出。 さらに、18 日に閣議決定された今年度補正予算案に、来年度予算で想定していた社会保障の施策の多くが前倒しで盛り込まれたことで確保した。

一方、薬代は 9 月時点での実勢価格が公定価格を下回っており、その差額分をほぼそのまま薬価に反映。 改定率はマイナス 1.33% ほどで調整している。 その分、薬は安くなる。 全体の改定率がマイナスになるのは 08 年度以来 8 年ぶり。 前回はプラス 0.1% だったが、消費増税対応分として 1.36% を上乗せしたため、実質的に 2 回連続の引き下げとなる。 本体は 08 年度からプラス改定が続く。 本体が増額される分、診察料も上がる。 (asahi = 12-19-15)


航空各社、年末年始の予約好調 国際線は前年比 10% 増

航空各社は 18 日、年末年始(25 日 - 来年 1 月 3 日)の予約状況を発表した。 国内線の予約者数は前年比 1% 増の約 277 万人。 全日本空輸と日本航空によると、大都市から地方に向かうピークは分散し、29、30 日。 大都市へ向かうピークは全日空が 1 月 2、3 日、日航は 3 日。 北海道方面が人気だという。

際線は前年比 10% 増の約 59 万人。 相次いで新規路線が開設されたことや、訪日外国人の増加で海外発の便が好調なことなどが影響した。 一方、全日空や日航によると、パリ線は 11 月のパリ同時多発テロ以降落ち込み、年末年始も 2 割減となった。 両社とも出国のピークは 12 月 26 日、帰国は 1 月 3 日。 (asahi = 12-18-15)


女性に 6 カ月の再婚禁止期間は「違憲」 最高裁が初判断

「離婚した女性は 6 カ月間再婚できない」とする民法の規定は憲法違反だとして、岡山県に住む 30 代女性が国に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は 16 日、この規定の 100 日を超える部分は「憲法違反」とする初判断を示した。 国への賠償請求は退けた。 最高裁が法律を「違憲」と判断したのは戦後 10 例目。 判決を受けて国は、規定を見直す民法の改正を迫られる。

原告は、女性だけに再婚を禁止するのは、憲法が保障する「法の下の平等」などに反していると主張し、2011 年に提訴。 法改正が不可欠だったのに、国会が怠ったことで精神的苦痛を受けたとして、国に慰謝料 165 万円を求めた。 再婚禁止期間は、離婚した女性がすぐに再婚して子どもが生まれた場合、子どもの父親が誰かをめぐって争いになるのを防ぐ目的で明治時代に設けられた。 「6 カ月」という期間は、妊娠していることが外見で判断できる期間とされた。

1996 年には法相の諮問機関「法制審議会」が答申した法改正案で、民法の別の規定で父親を決める上で必要な「100 日」への短縮が盛り込まれた。 国は、父親をめぐる争いを防ぐための合理的な規定で、性差別には当たらないと反論。 憲法で保障された権利を侵害しておらず、賠償責任はないとしていた。 (asahi = 12-16-15)

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夫婦同姓規定は「合憲」、原告の請求退ける 最高裁判決

結婚した夫婦の姓をどちらかに合わせる「夫婦同姓」を定めた民法の規定は憲法違反だとして、東京都内の事実婚の夫婦ら 5 人が国に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は 16 日、この規定は「憲法に違反しない」と判断し、請求を退けた。 裁判官 15 人中 10 人の多数意見。

判決は、「結婚の際に氏の変更を強制されない自由」は憲法で保障された人格権にあたるとは言えないと指摘。 夫婦が同じ名字を名乗ることは社会に定着しており、「家族の呼称を一つに定めることは合理性が認められる」と判断した。 さらに、改姓した側が「アイデンティティーの喪失感を受ける場合が多い」としつつも、旧姓の通称使用が広まることにより一定程度緩和される、と指摘。 夫婦同姓が憲法の定める「個人の尊厳」や「男女平等」に照らし、合理性を欠くとは認められないと結論づけた。

この訴訟では、明治時代に始まり、「家」制度を廃止した戦後の民法改正でも残った規定が、憲法の「法の下の平等」などに反しないかが争われた。 原告は「国会が長期にわたって法改正を怠ったことで精神的苦痛を受けた」として、国に計 600 万円の慰謝料を支払うよう求めて 2011 年に提訴。 一、二審とも請求は退けられていた。

厚生労働省の昨年の調査では、結婚した夫婦の約 96% が夫の姓に合わせており、原告側は「事実上、女性に改姓を強いている」と主張。 「姓の変更を強制されない権利」は人格権として認められており、「個人の尊重」を保障した憲法 13 条に反する、などと訴えた。 これに対し国は、最高裁の過去の判例を挙げ、規定が憲法で保障された権利を侵害し、国会が法改正を長期間怠った場合にのみ、国の賠償責任を問えると指摘。 夫婦同姓の規定は、憲法で保障された権利を侵害していないと反論していた。 (asahi = 12-16-15)


健康食品「本当に必要か考えて」 食品安全委が呼び掛け

内閣府の食品安全委員会は、健康食品の利用が広がっていることを受けて、健康食品について知っておくとよいことを 19 のメッセージにまとめて 8 日付で公表した。 科学的研究が少なく「安全性や有効性が確立しているとはいえない」と指摘し、「今の自分に本当に必要か考えてください」と注意を促している。

メッセージは、健康被害のリスクはあらゆる食品にあり、健康食品でも被害が報告されていると説明。 そして「現在の日本人が通常の食事をしていて欠乏症を起こすビタミンやミネラルはあまりない」、「自己判断でサプリメントからミネラルを大量に補給することは過剰摂取につながる可能性がある」と指摘する。 さらに、健康食品は品質管理の規制の対象になっていないことや、医薬品と併用すると薬の効果が弱まったり強くなりすぎたりする可能性もあることなどを注意点として挙げている。 (沼田千賀子、asahi = 12-13-15)


五輪エンブレム、応募 14,599 点 発表は来春

2020 年東京五輪・パラリンピック組織委員会は 7 日、募集していた新しい大会エンブレムのデザイン案の受け付けを締め切り、応募数が 1 万 4,599 点に上ったと発表した。 今後、選考に入り、新エンブレムは来春に発表する予定。 審査にあたる「エンブレム委員会」の宮田亮平委員長(東京芸大学長)は「これだけ多くの方に参画してもらったことに感激しております。 最終的にたった一つを選考するのは至難の業ですが、皆さんに納得いただけるようなプロセスでしっかりと審査していく。」とのコメントを発表した。

審査は形式面、デザイン面などをチェックして年内に 100 - 200 作品に絞り、来年 1 月 7 日から 9 日までの 3 日間で、芸術界のほか、スポーツ界や経済界、法曹界など多様な分野からの 21 人で構成するエンブレム委が本審査をする予定。 最終候補作の商標調査を済ませた上で数点公表し、国民の声を参考にすることも検討している。 (asahi = 12-7-15)


AM ラジオ番組、FM でも 「ワイド FM」始まる

TBS ラジオ、文化放送、ニッポン放送の在京 AM ラジオ 3 社による「FM 補完放送(ワイド FM)」が、7 日午後 1 時から始まった。 AM と同じ番組を東京スカイツリーの共同アンテナから FM でも流す。 音質がよくなり、鉄筋マンションなど AM ラジオが入りにくい場所でも聞きやすくなるという。 周波数は TBS ラジオ 90.5 メガヘルツ、文化放送 91.6 メガヘルツ、ニッポン放送 93.0 メガヘルツ。 放送エリアは東京 23 区と埼玉、千葉、神奈川の各県の主要都市、および周辺。 大阪、福岡などでは来春の放送開始を予定している。 (松沢奈々子、asahi = 12-7-15)


お茶で一服 料金無用の人間関係回復活動

ジュゼッペ・スパダフォーラ (32) は白いフォード製バスのドアを開けると、歩道にライトブルーのじゅうたんを敷いた。 それから脇に看板を立てた。「Free Tea (フリーティー、無料喫茶)」と書いてある。 時は日曜日の午後、ところはニューヨーク・ブルックリン区北部のマッカレン公園。 何だろう、と人が近づいてくる。

一人の女性が大きな車体をながめて「このバスは何なの?」と聞く。 スパダフォーラの旅の同伴者、アライ・ルージ (31) が答えた。 「移動喫茶室です。」 女性は公園で瞑想が終わったら戻ってくる、と約束して立ち去った。 次にやってきたのも女性だった。 男友達と一緒で、「これって、お母さんが絶対してはダメと言っていたものだわ」と友達に話しながら、バスの中に入っていった。 (Chang W. Lee、The New York Times = 12-3-15)


新語・流行語大賞に「爆買い」、「トリプルスリー」

今年の世相を映した言葉を選ぶ「2015 ユーキャン新語・流行語大賞(「現代用語の基礎知識」選)」が 1 日、発表された。 年間大賞には、今季のプロ野球で 2 選手が達成した「トリプルスリー」(打率 3 割、30 本塁打、30 盗塁以上)と、訪日外国人が家電製品などを大量に購入する「爆買い」が選ばれた。

トップ 10 には、安倍政権が打ち出した「一億総活躍社会」と共に、政権が進めた安全保障関連法制への反対で広がった「アベ政治を許さない」や、学生団体「SEALDs (シールズ)」も入った。 大賞やトップ 10 の候補にあげられた 50 語には他にも政治関連の言葉が多く、選考委員長のジャーナリスト・鳥越俊太郎さんは「今年は『政治の季節』だった」と振り返った。

「トリプルスリー」で受賞した福岡ソフトバンクホークス・柳田悠岐選手と東京ヤクルトスワローズ・山田哲人選手は、受賞をきっかけに「プロ野球を盛り上げたい」と誓った。 「爆買い」で受賞した免税販売大手ラオックスの羅怡文(らいぶん)社長は「爆買いの本質は日本の商品の良さ。 世界の人々により良い商品を届けるよう努力していきたい。」と話した。 (藤井裕介、asahi = 12-1-15)

新語・流行語年間大賞(敬称略)

トリプルスリー

柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス) / 山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)

爆買い

羅怡文(ラオックス社長)


大規模なエルニーニョ現象、6 年ぶり暖冬か 気象庁予想

この冬は 6 年ぶりに暖冬となる見込みだ。 気象庁は、西高東低の冬型の気圧配置が強まりにくく、東日本と西日本、沖縄・奄美地方の 12 月 - 来年 2 月の平均気温が平年より高くなるとみる。 昨年 6 月から続く大規模な「エルニーニョ現象」が予想の根拠という。

日本から遠く離れた、赤道が通る太平洋の日付変更線付近から南米ペルー沖で、海面水温が平年よりも高い状態が続くのがエルニーニョ現象だ。 過去 30 年間の水温の平年値と比べ、どれだけ高いかで規模を判断する。 気象庁によると、過去最大だった 1997 年春 - 98 年春は最大で 3.6 度高くなった。 82 年春 - 83 年夏の 3.3 度、72 年春 - 73 年春の 2.7 度が続く。 今回は 10 月末の海面水温は 2.7 度高く、過去 3 位タイだった。 気象庁は「12 月にかけてさらに発達する。 過去最大には届かないが、かなり大規模なエルニーニョ現象になる見通し。」としている。 (鈴木逸弘、asahi = 11-30-15)


新築マイホーム人気にかげり? 「買うなら中古」 3 倍に

新築のマイホームをほしがる人が減っている - -。 そんな傾向が、28 日に発表された内閣府の世論調査でわかった。 住宅ローンを背負いたくないという理由が最も多かった。 家を買うなら中古という人が増えている。 かつてのように右肩上がりで年収が増えた時代とは違うという、現実的な側面がうかがえる。 住宅を「所有したい」という人は 74.9%。 「年収 300 万円」が流行語大賞のトップ 10 に入った翌年の 2004 年の前回調査と比べても、4.1 ポイント減った。 特に 30 代で 72.1% と低めだった。 30 代はマイホーム願望の一方で、子の教育や親の介護の費用への懸念も抱く人が少なくないとみられる。

また、住宅を購入するとしたら「中古」という人は 9.9% で、04 年の 3.4% から 3 倍近くに増えた。 「新築」は 73.0% で、04 年から 9.2 ポイント減った。 中古という人の理由(複数回答)は「中古住宅の価格の方が手が届きやすい」が最多の 61.0% だった。 一方、住宅を「所有する必要はない」という人は 16.5% と、04 年から 4.4 ポイント増えた。 国土交通省の担当者は「30 - 40 代の年収が 10 年前に比べて下がっている。 年収が下がっているから住宅の購入を控えているのか、分析したい。」と話す。

所有する必要はないと思う理由は「多額のローンを抱えたくない」が最多の 20.9% に上り、特に 30 代で 27.0% に達した。 調査は住宅などについての意識を調べる「住生活に関する世論調査」で、今年 10 月、20 歳以上の 3 千人を対象に面接で実施。 1,736 人 (57.9%) から回答を得た。(中崎太郎、asahi = 11-29-15)


同性に恋愛感情、過半数が容認 = 友人の場合は抵抗感 - 研究者ら全国調査

同性への恋愛感情を「おかしくない」と考えている人が、アンケート調査で回答者の半数を超えたと、広島修道大の河口和也教授らの研究チームが 28 日発表した。 ただ、友人が同性愛者と分かった場合の抵抗感は強く、研究チームは「同性愛は認知されつつあるが、身近な人でないことなどが条件になっている」と指摘した。

調査は 3 月、文部科学省の補助金を受けて実施。 全国の 20 - 70 代の男女 2,600 人を対象に戸別訪問方式で行い、1,259 人から有効回答を得た。 男性同士が恋愛感情を持つことは、全体の 51.7% が「おかしくない」と回答し、「おかしい」の 43.8% を上回った。 女性同士の場合は「おかしくない」が 56% でより多かった。 (jiji = 11-28-15)